周りを海に囲まれ、戦後を除けば他国からの侵入・侵略を受けることなく、一国としての歴史を持ち続けた日本。それに対して古代の時代から色んな民族が入り混じり、常に戦いの日々を繰り返してきた、つまり常に緊張を強いられてきたヨーロッパ諸国。そんな大きく異なる歴史がつくり出した国民性が、これまた大きく異なるのは考えてみれば当たり前。
盗難に対する心構えにしてもそう。ヨーロッパの人たちからすれば、自分の身(物)は自分で守る、これが当たり前。歴史が培った習慣だね。でもそんな意識がない(薄い)日本人はヨーロッパに行くと格好のカモ…
そうならないためにほんのちょっとの気構えを。でも最初に言っておくよ。盗難を怖がる必要は全くない。せっかくの旅先で泥棒のことばっかり考えてたらそりゃ~楽しくないでしょ。だからこれだけ知っておいて、盗難の傾向と対策。
*スリ・ジプシー
貧しい東欧、旧ソ連の独立国から流れて来たスリ集団をジプシーと言う。イタリアあたりで最も多いのがこれ。わかりやすいところではカラフルな民族衣装のようなものを身につけ、子供を抱いてたりする。杖をついているおばあちゃんも…。
観光客が集まる所に必ず出没し"この子にお恵みを~" な~んて哀れな声で近寄ってくる。まず抱いてる子供は借り物でお金をせびる道具。で、うっかりしてるとバッグやウエストポーチに手が伸びてくる。今にも倒れそうだったおばあちゃんがすばやい速さで近寄って来る、なんてことも。そして一番油断ならないのが子供たち。ちょろちょろ近寄って来て、手に持ったダンボールの切れ端や新聞紙で自分の手を隠して、たすきがけしたポシェットやウエストポーチに手を伸ばしてくる。
こういったケースは必ず2・3人のグループでやって来る。最近は彼らも羽振りがいいらしく?けっこう綺麗な格好しているケースも増えているから、一見してわかりづらくなってる。地下鉄や鉄道駅構内をウロウロしてるやつらも多い。
<対策>
彼らが危害を加えてくることはまずない。ずばり、貴重品の入っているバッグを常に意識し、必ず自分の視界に入るところにおき、人ごみの中では口のところに手を置いておく。そして異常に接近してくるヤツがいたらすぐに離れる。これで十分防げるよ。ただし相手はプロ、動きはすばやいから侮ることなかれ。
*ニセ警官
昔からイタリアやフランスあたりの大都市でよく出没していたけど、最近は中欧諸国のチェコやハンガリーあたりでも現れる。まず私服警官を装って身分証明書を見せてくる。次に何とかかんとか言ってパスポートや財布の提示を求めてくる。ハッキリ言ってよっぽどの事件でもない限り、観光地を歩いてる日本人にそんなこと求める警官はいないよ。で、その後どうするかっていうと、返すフリして財布から現金やクレジットカードを抜き盗るって手口。
さらに最近はクレジットカードの暗証番号を聞いてきて、盗んだカードから限度額キャッシング…なんてことも。ありえな~い って思うでしょ。でもいるのよね、ご丁寧に暗証番号まで教えちゃう人が。 事情を聞くと、手口は巧妙になりつつあるようで、無線機使って別の警官と話すフリをしたりと、言葉が通じず気の弱い日本人を狙い撃ちした犯罪だよ。
<対策>
ひたすら無視。NOとハッキリ言って毅然とした態度で臨めばそれ以上は追ってこないよ。間違ってもパスポートや財布を見せないようにね。ちなみに現金やクレジットカードからのキャッシングはどんな保険でも補償の対象外デスぞ。
*強盗
一番やっかいなのがこれ。残念ながらスペインの大都市部(マドリッドやバルセロナ)で多発している。多くが北アフリカ系の移民によるもの。イタリアあたりのジプシーに比べるとかなり凶悪。団体の場合はホテルやレストランにバスが到着するのを狙い打ちされ、無理やりバッグを引ったくられるケースも多い。そして観光客が集まる所には必ずカモを待っているヤカラがいると思って間違いない。昼間だろうと、人が多く集まってようと、白昼どうどうと事件は起こる…
<対策>
ずばり、持たないこと。”持たなければ盗られない”、最近スペインに行く時必ず言うセリフがこれ。パスポートはコピーを携帯し、オリジナルはホテルのセイフティーボックスヘ。お金はできるだけ小分けして持って。ポケットに万が一の時用に小額入れておくといい。とにかくバッグ類は持たない。何より大事なのは、狙われないこと、それに尽きる。そしてここでも大切なのは安全はお金で買えるということ。たとえ近場であっても安全最優先でタクシーを利用する、これで犯罪からは離れられる。
あれあれ~ちょっと脅かしちゃったかな?でも私の経験からして、備えてる人が被害に遭うケースは稀。日本みたいな安全な国は他にないという意識さえ持ってくれれば、それが十分備えになるから大丈夫。 安心して行ってらっしゃ~い。
写真:ベルガモン(トルコ)
オリーブの葉っぱ
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