古くから多くの貴族や文化人らに愛されてきた【フランスの庭】と呼ばれるロワール地方。同名の河に沿って数え切れないほどの古い城が点在し、今やこの地方はフランスでも人気のエリアといえる。ところが実際にその地を訪れたならびっくりすることだろう。多分昔から変わることのないその素朴さに。
小さな無人駅からわずかの場所にひっそりと建つ城門。そしてここを訪れる人を静かに招き入れるかのように立つプラタナスの並木がずっと続く様子に、誰しもおとぎの国の入り口に立ったような気分になるだろう。この奥に建つのがフランス国内に星の数ほどあろう城の中でもあのヴェルサイユ宮殿に次いで人気の高い【シュノンソー城】だ。
昔から狩猟が盛んなことでもわかるように野生動物の宝庫であるこの地だけに、城内でも小動物や鳥たちを頻繁に目にすることができる。
ちなみにこのロバたちは現在の城主(チョコレートで有名なムニエ家)が飼育しているらしい。きみたち、幸せものだね…
さて、長く続くプラタナスの並木の奥にようやく城が見えてきた。規模的にはそう大きくもないけれど、端整なルネッサンス様式を多様に用いたその姿が人気の秘密だろうか。
もちろんこの城が現在でも多くの人の興味を引くのはその姿形だけによるものではなく、むしろこの城のたどって来た歴史によるところが大きいと思う。
目まぐるしく変化する歴史と、その中で生きる人々の愛憎劇。そんなものをずっと眺め続けてきたのは唯一この城だけだもの。
おっと、もうひとつこの城が眺めていたものがあった。このゆるやかに流れるシュール川の流れだ。多分これから先もずっと変わることなくね。
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