奥様は海外添乗員〜メモリアル

添乗後記~水に浮かぶヴェネチアの街

    

今年もまたヴェネチアの街が水(たまり)に浮かび上がる季節がやって来た。毎年秋から春先にかけて起こるアクア・アルタ(高潮)による広場周辺の冠水は近年頻繁に報道されて、今やすっかりヴェネチアの街の風物詩ともなった。

          

そもそもやわらかい粘土質の潟(ラグーン)の上に木の杭をたくさん打ち込むことで築かれた水の都。潮の満ち干きやアフリカ大陸から吹き込むシロッコという熱波がその原因とされてきたけど、実は現代社会が導き出した温暖化や工場の地下水汲み上げによる地盤沈下もその要因。

    

冠水が起こるのは決まって街(島)の中心、サンマルコ広場から。なぜなら一番重要かつ重い建造物がたくさん立ち並ぶこの界隈の地盤沈下が最も進んでいるため。それにしても今年はいつになく冠水のはじまりが早かった。10月のこの日も満潮となる昼近くなると、あれよあれよという間に広場を取り囲むように水たまりが広がりだした。

          

お天気とあればいつも観光客でいっぱいになる広場のカフェもこのとおり。それでも逆にこの現象を楽しんでしまおうという欧米人たちでテラス席は結構埋まっていたけど。

          

同様に、慌てず騒がずいつもどおりに接客するカメリエーレたちも慣れたもの。見て見て、この凛々しい長靴姿を~♪まぎれもなくここは今も変わらぬ【ベニスの商人】の街だ。

    

ただこんな風景に喜んでばかりもいられない。水たまりはさらに広がり、カフェから先はもう高床のテーブルが置かれ即席の避難道と化している。

          

もちろんこんな風に裸足になっちゃうのもアリだけど。そういえばいつぞや「この水って海水だからしょっぱいんですかぁ?」って質問されたっけ。私もなめてみたことないからわかりませ~ん!

    

太陽の陽射しもサンサンと降りそそいでいるとはいえ、さすがにいつもはわが者顔で歩き回ってる鳩たちもどこかへ避難してしまったらしい。代わって得意げに水遊びするカモメたち。これもまたヴェネチアの秋の風物詩だ。


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