奥様は海外添乗員〜メモリアル

添乗後記~「ローマの休日」をたどる旅


    

ガイドブック片手にひとり旅で初めてこの街へやって来た時にたどった道。それは大好きだった「ローマの休日」をたどる旅だった。今回もう一度、なつかしのあの場所へご一緒に?

さて、映画を観た人ならすぐわかるはず。ここバルベリーニ宮殿(現在は国立絵画館)はオードリー演じるアン王女の宿舎だった場所。彼女は決まりきった窮屈な生活にかんしゃくを起こしてここを抜け出すことに…

    

そして彼女がやって来たのが(トラックから降りた)共和国広場。

    

ナイアディの噴水は今も豊かな水をたたえる。ちなみにここの広場の夜景はローマ一と言われ、見逃せない。

    

さて、宿舎を抜け出したアン王女がグレゴリー・ペック演じるアメリカ人記者ブラッドリーと出会ったのがフォロロマーノ。古代ローマ帝国の夢の跡、だ。フォロロマーノの奥に見える木立のある丘こそ、ローマ発祥の地、パラティーノの丘。今から2,800年前にここからローマは大きくなった。

    

ここに最初の城を築いたのはテベレ河に流され雌狼のお乳を飲んで育った双子の兄ロムル。その後のローマがこれほど大きくなろうとは、思いもしなかっただろうね。

    

ところで、主治医に打たれた安定剤がきいてしまったアン王女が一夜を明かしたブラッドリーのアパートは、スペイン広場にもほど近いマルグッタ通りにある。

       

今でもこの通りは表通りの賑やかさが嘘のように静か。路地からひょっこりブラッドリーが現れそうな雰囲気。

    

色づいたつたがからむ建物が並び、アンティークの店やオステリアも。ここだけ空気まで澄んでる気がする。

    

アパートを抜け出したアン王女がやって来たのがトレビの泉近くの床屋さん。まるで宮殿のような大きな泉の奥に建つ赤茶色の建物の1階がその場所。今は革製品を売る店であまり面影もないけど…

       

泉には多くの観光客がローマへの来訪を願ってコインを投げていく。私ももちろん投げ込んだ。まさかこんなに来ることになるとは思いもしなかったけど。

       

打って変わってこちらは観光客でごった返すスペイン広場。長い髪をバッサリ切ったアン王女がジェラートを食べてたシーンは印象的だけど、現在階段内での飲食は禁じられてるから注意してね。階段上のオベリスクと広場の噴水はただ今修復中。

       

広場からのびるコンドッティ通りにある2人も立ち寄った老舗カフェ・グレコ。こちらもたくさんの観光客が入れ替わり立ち代り。シャンパンとはいかなくとも美味しいカフェをど~ぞ。

    

2人がスクーターで走ったヴェネチア広場(現在大規模な工事中)。ここはローマのおへそに当たるイタリアの0km地点。日本でいうお江戸日本橋だね。

       

この広場を回りこんだテベレ河沿いに、古いサンタ・マリア・イン・コスメディン教会がある。

       

そう、この教会の入り口の壁にかけられてるのがこの映画で一躍有名になった真実の口。「嘘つきは手を噛み切られる」という伝説のある場所。ブラッドリーに脅かされたアン王女、可愛かったね…

    

河沿いでもうひとつ目を引くのがこちらサンタンジェロ城(聖天使城)。あの船上のダンスパーティが開かれたのがこのあたり。

    

ところで周辺にはたくさんの橋が架けられてるけど、昔からバチカンに向かう巡礼者が渡ったのが正面のサンタンジェロ橋。この手前から見上げる城が一番キレイ。

    

さてさて、こうして再び振り出しのバルベリーニ宮殿に戻って来たけど…

       

ちょっと路地を下がってみると…はい、わかったかな?ひとときの「ローマの休日」を楽しんだアン王女が最後にブラッドリーと熱いキスを交わして、車を降りた場所。

    

そして、この何の変哲もない建物こそ、最後の謁見式が行われたコロンナ宮殿。印象深いラストシーン、あの空間が今でもそのまま残されてる。ただし残念ながら公開されてるのは土曜日の9~13時のみで一切撮影禁止。でも!時を忘れてたたずんでいたい場所のひとつ…

映画ファンならずともこのコースはほとんど今のローマの観光ポイントを廻ることになるおすすめコース。まるまる1日ローマにいたならぜひ先を急がず歩いてみてね。


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