少しだけ One for All

公的病院の勤務医です。新型コロナウイルスをテーマの中心として、医療現場から率直に綴りたいと思います。

オミクロン株 2 南アの勇気を忘れない

2021-12-06 17:47:08 | 日記

 
 南アフリカ政府がメディア発表をした11月25日以降、連日、オミクロン株の報道が続いています。発表から10日ほどしか経っていないとは思えないくらい、オミクロン株という言葉が耳目に馴染んでしまいました。
 現時点で世界42カ国での感染が報道されています。中には市中感染を既に疑っている地域もあるとのことです。
 
 他地域でも既に広がっているとなると、オミクロン株がどこから発生したか、冷静に解析しないといけなくなります。初めに発見して発表したのが南アフリカだった、ということだけで、他の地域では気づかれていなかった、ということもあり得ます。
 そう考えると、南アの感染症の専門集団の優秀さが引き立ちます。もし南アが発見することがなく、しばらく世界中で放置されていたり、なんだかおかしいな、って漫然と様子見されていたりしたら、こんなに少ない人数で全世界からの感染者発見のニュースは入ってはこなかったでしょう。既に感染が広がったパニックの状態での報道ばかりになっていたと思います。本当に今回の南アの対応は素晴らしく、南ア政府や南アの保健省に世界中が感謝しなければならないと思います。
 
 ところが、
 「南アが不利益を被ることがあってはならない。南アが不利益を被れば、これから正直に報告する国もなくなるだろう。だから南アへの渡航制限をする国々を非難する。」
 これがWHOの理屈です。こんなバカな話はありません。(南アの大統領が「罰を受けているようだ」と言ったのは知っていますが、公衆衛生機関であるWHOが利益・不利益で渡航制限を論じる破茶滅茶さ)
 
 南アの保健省が、なぜ早々に発表をしてアラートをかけたのでしょうか?もう全くシンプルに、感染を広げないためです。そのために、身を切る覚悟で発表をしたはずです。その思いに応えるには、まず大前提として感染を広げない施策を施行しなくてはなりません。それをしなければ、南アが迅速に発表した意味すら消してしまうのですから。WHOの言う通りにすると、褒め称えるべき南アの勇気がただのゴミにされてしまいます。
 南アが不利益を被らないようにすること、他の国が嘘をつかないで済むようになることは、大前提の感染対策をした上で考えるべきことです。そうでなければ、そもそも南アの発表の意味自体がなくなります。WHOとは、なんて愚かな世界機関でしょう。
 私だったら南アを激しく称賛します。そして南アの勇気を褒め称えます。この先ずっと人々の記憶から消えないように。そして、その上で南アへの医療サポートを呼びかけ、世界中の政府に呼びかけて基金を作ります。その基金で、南アに新しい病院建設を進めます。コロナ以外の病気からも多くの南アの人が助かるように、医療面を強く支えます。その結果、国が安全になり、健康が保障されるようになれば、南アへの経済投資も増えるはずです。基金が広がれば、それをアフリカ全体に広げればいいでしょう。(どこかの大陸の大国が、その国を乗っ取るために投資するお金とは全く違います)この医療危機に臨んで、その道筋を、WHOがつくらず、一体どの機関がつくれるというのでしょうか?渡航制限を非難するなんて暇つぶしの悪事をしているような時間はないはずなのに。
 火事が広がらないように、消防署に報告したら、逆に火事が広がるように貴重なその情報が悪用されて、周囲の家まで燃えてしまうのです。そして、なんでそんなことをするんだ、と消防署に言ったら、初めの燃えた家が不利益にならないようにみんなで燃えましょうね、と言うのです。そんな消防署、すぐに潰れるべきですよね。
 
 WHOは医療機関です。まずは医療をしっかりとやるべきでしょう。WHOの正しいあり方としては、それはちょっと厳しいんじゃないか、ぐらいの渡航制限や感染対策を打ち出し、社会経済側がそれを少し緩める、というのが本来だと思います。渡航制限は感染対策の強力な武器です。それをこのような早期発見ですら非難することしか知らず、武器を使おうとしない公衆衛生機関とは、存在価値がわかりません。WHOがブレーキを緩めたら、どこがブレーキをかけてくれるのでしょうか。まさか、経済機関がブレーキをかけるべきとでも言うのでしょうか。今のWHOの言うことを聞いていたら、永遠に問題は解決せず、新型コロナウイルスで人が死に続けます。
 
 WHOの目的は、ゼロコロナ政策をとっている大国(察していただけるでしょうか?)の政府を支えることではないかと勘繰る所以です。ゼロコロナ政策の大国は、他国が感染で混乱するところを国民に見せて、ああこの国の政府でよかった、と思わせるようにしています。それによって一党独裁体制を強化しているのは間違いありません。
 他国が混乱すればするほど良いのです。日本が混乱していたころは、その様子が特に大きくテレビで報じられて、一党独裁政府の優秀さを刷り込む材料にされていたとも聞きます。彼らは、他国でパンデミックが広がり、混乱が広がってくれないと困るのです。そのために、発生初期のロックダウンした大都市での失政を隠すため、全世界にウイルスをばら撒くことで自国民に見えないようにし、さらにそれだけでは飽き足らず管理体制強化に利用しているように見えてしまいます。
 そのゼロコロナ政策の大国にとっては、ワクチンで感染が治まってしまうなんていうことはあってはならなかったことでしょう。さまざまな意味で、ワクチンは不完全でなければいけませんでした。彼らの最大の誤算は、ほぼ完璧に重症化を防ぐことができるmRNAワクチンが、ごく短期間で西側で作られたことではないかと思います。自国ワクチンにこだわる以上、mRNAワクチンを国民にうてませんし、自国のワクチン効果が不十分である以上、ゼロコロナ政策を取らざるを得ません。そのため、全世界の反ワクチン運動を煽動し、各国の感染対策がうまくいかないように誘導し、mRNAワクチンは信用ならないものと自国民にも印象付けているのでしょう。
 
 ワクチンの陰謀説がたくさん取り上げられ、その陰謀論から過激な反ワクチン運動が行われるのに、WHOの陰謀に反対運動が巻き起こらないのはこのためではないかと邪推しています。どちらもあまりに不自然すぎて。
 まあ、陰謀論への陰謀論返しです(笑)
 
 西側は、mRNAワクチンの技術者たちを守らなければいけません。ゼロコロナの大国の魔手がたくさん伸びていることと思われます。科学技術の搾取は彼らのお手のものです。本来、卓越した技術は、世界に広め、世界中の人の幸福に寄与するべきです。しかし、それはあくまで性善説に基づいた社会でこそ成立することです。なにしろ、あの国は、マスクやアルコールでさえ、命と引き換えに取引をして金儲けをした国です。信じられない悪意に彩られたものからは、やはり大切なものは守らないといけない、そう強く感じます。

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オミクロン株 1

2021-11-29 00:27:39 | 日記
 
 2020年1月から、新型コロナウイルスに翻弄された1年10ヶ月でした。感染者数が激減し、日本にようやく落ち着いた日常生活が戻ってきていました。この機会に、これまでの日々を振り返ろうとしていたところ、気になるニュースが飛び込んできました。南アフリカで広がっているという新規の変異株のことです。一昨日、11月26日にWHOによって、この変異株は「オミクロン株」と名づけられました。
 
 震源地の南アフリカの保健省(と訳していいのかわかりませんが、そのような部署だと思います)のHPを紹介してくれる人がいたので見てみました。スライドになっていて、発見の経緯等、綺麗にまとまっていました。
 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、正確な情報なしに、怖い怖いという報道ばかりでは、不安だけが募るのではと思います。何より辛いのは、本当の情報が何なのかわからなくなることだと思います。まさに武漢ロックダウンの時がそれで、正確な情報がきちんと出されていなかったこと((参考)WHOの役割とは? —-戦いの歩み 1—)が、振り返ってよくわかります。今回もそうしたことはないだろうか?何か隠されているんじゃないだろうか?日増しに妄想が膨らんでしまうことにもなりかねません。
 南アの保健省(繰り返しますが、この訳語でよいかはわかりません)のスライドは、実に率直で端的にまとめてあり、とても参考になりました。きっとこのオミクロン株とは戦うことになると思いますが、その前に敵をきちんと知る第一歩としてよい資料だと思いました。
 そのスライドの中から、細々としたことを一切気にせずに(「保健省」という訳からして当方の実力を察してください(笑))ざっくりと、参考になりそうなところを簡単に抜粋してみました。現在の状況が少しでも正確に伝われば、不安をただ膨らまして苦しむことなく、正しく戦う姿勢をとることに繋がるように思います。読んでいただいた方に少しでも参考になれば幸いです。誤訳上等(笑。いやホントです。)ですので、そのように思って読んでください。苦情は受けつけません(笑。いやホントです。)ので、ご自身で確認できるように、アドレスを貼っておきます。
 
 リンクをつけましたので、ここを押すと確認できます。左下の数字の左右の<や>を押すとスライドが動きます。
 
 中から、いくつかスライドを抜粋してみます。
 

 
 このスライドに、今回の発表までの経緯が記されています。11/23に変異株を認識し、緊急会議をしたりしていたところが、11/24にボツワナと中国(南アフリカからの旅行者)から似たような変異株の感染者が出たことが報告されたため、11/25に大臣、大統領に報告し、すぐにメディア発表になったようです。その間、たった3日です。
 国内の専門家で検討していたものの、海外からの発表もあったため、全世界的な問題なるかもしれないと判断し、発表を急いだのでしょう。それにしても、ターゲットと認識されてから、現在でもまだ1週間も経っておらず、極めて日が浅いことがわかります。武漢の時のように、すでにどうにもならなくなってるのが隠蔽されていた、ということではなさそうだとわかります。
 その南ア政府の発表を受けて、南アとの関係が深い英国が迅速に渡航制限に踏み切ったため、全世界に知れ渡りました。1週間も経たずに各国の渡航制限まで進んでいて、極めて迅速に対応されている印象です。すごく素早く南アは情報公開をしてくれているのです。
 

 
 このスライドは、南アフリカの新型コロナウイルスの感染状況のグラフです。横軸が年月で、昨年初めから現在までのおよそ2年にわたるグラフになっています。Aprは4月、Julは7月、Octは10月、真ん中の2021と書いてあるところが2021年1月です。小さくて見にくかったら申し訳ありません。とにかく右端が現在です。上は新規感染者数のグラフで、下は実効再生産数(一人が何人に感染させているかという数値)のグラフです。
 まず上の新規感染者数のグラフ、これを見ると、南アフリカには大きく3つの波がありました。他のスライドから補足すると、前の2つの波がベータ株によるもので、最後の第3波が日本と同じデルタ株によるものでした。そして現在は、このデルタ株による第3波がおさまって、新規感染者数が日本のように減少して安定しているところだったのが見てとれます。
 今回の英国の行動が急だったため、南アがあたかもオミクロン株でパニックになっているかのように誤解されがちですが、このグラフを見るとそうではないことがわかります。新規感染者数が爆発しているわけでもなく、むしろ落ち着いています。医療崩壊を来していたり、パニックになったりしているような状況ではなく、武漢ロックダウンの時のような遅い情報の出し方ではなく、早い段階で発信された情報であることがわかります。少なくとも、感染が防げなくなって、隠せなくなって出さざるを得なくなったような情報ではないことがわかります。そう考えると(もちろん不安は消えませんが)、少し落ち着いて対処する気持ちが持てるのではないでしょうか。(繰り返しになりますが、南アがとても素早く情報公開をしてくれているのがすごくよく伝わってきます。)
 ですから、上のグラフだけでは、その危機感はわかりません。感染者数全体が少ないのに危機感を持つ理由が、下の実効再生産数のグラフに示されています。実効再生産数は、1人が何人の人に感染させるかを表す数字です。1より多くなれば、感染者数は増えるというアレです。グラフの真ん中に点線が引かれており、それが1のラインです。1を大きく下回っていたものが、最近(右端)になって急激に増加に転じていることがわかります。その上昇カーブも、これまでになく急激であるように見えます。現在1.47であり、特にオミクロン株の感染が確認されているGauteng(ハウテン州と言うようです。ヨハネスブルグなどがある州のようです。)では1.97と特に高い値が短期間で観測されていると、下に補足されています。今は新規感染者数が激しく増えてはいないものの、「今までにない、説明のつかない急激な感染の広がりが起きつつある」「今後激しい感染が起こる可能性が高い」と考えられる、ということです。
 

 
 このスライドは、ハウテン州にあるツワネ都市圏でのPCR検査の陽性率の週ごとの変化です。第3波が収束して落ち着いていたのに、3週間で、あっという間にある地域を中心にPCR検査陽性率が3割(赤色)を超えています。これは急激な感染の広がりと、感染の中心がまさにうかがえる図で、今までにない何かが起きていることがわかります。
(厳密に言えば、どの程度の検査が施行されているかわからないため、一定のバイアスがかかりますが、急激な広がりが生まれていることに間違いはないでしょう)
そして、この実効再生産数やPCR検査陽性率の急激な上昇とともに観測されたのが、B.1.1.529変異株(オミクロン株)でした。デルタ株が支配していたはずの世界で、デルタ株を凌駕する感染力を持つ変異株の出現が感知されたわけです。
 

 
 このスライドは、南アでの変異株の割合です。縦軸が割合で、横軸が時間軸です。初めは緑色のベータ株が支配していたのが、完全に赤色のデルタ株に置き換わり、右端のわずか数週間で、短時間で急速に青色のB.1.1.529いわゆるオミクロン株に置き換わっているのがわかります。
 もちろん、初めのグラフで見るように、感染者総数は少ないですから、ある一定のバイアスは考えないといけません。しかしながら、感染力で他の追随を許さず、ほぼ世界を征服していたデルタ株(一説にはある時期には観測される変異株の9割以上がデルタ株と言われていました)が、感染力において初めて負けているのが十分にうかがえるデータです。
 この勢いが本当であるならば、今まで無双を誇ってきたデルタ株の牙城はとうとう突き崩されることになるだろうと思われます。ウイルスの世界に、オミクロン株の治世が訪れることになってもおかしくないデータです。
 
 まさに、デルタ株に変わる変異株の出現を察知し、脅威が感じられたその時点で発表されたデータであることが、このスライドたちからうかがえます。感染が爆発したり、重症者で病院が溢れかえっているから英国は渡航制限に踏み切った、ということでは全くなく、かなり初期のデータ分析で、デルタ株が凌駕される危険性が高いと判断し、早々に渡航制限をした、ということで間違いないと判断することができます。
 オミクロン株に現状のワクチンが効果あるかわからない、というのも本当でしょう。あふれるような大勢の患者が出ているわけでもなく、検知してから1週間も経っておらず、せいぜい10月末ぐらいからの発生データしかありません。オミクロン株の病原性、凶悪性についても、まだ知見が得られていない、というのも本当のことで、これからデータを集めていくことになるのだとわかります。(繰り返しになりますが、南アがとても素早く情報公開をしてくれているのがすごくよく伝わってきます。)
 武漢の時とは違います。隠蔽されていることはなさそうです。
 「全てはこれから」で間違いなさそうです。
  
 ならばするべきことは何でしょう?
 現在の段階であれば、封じ込めを諦めるときではありません。ですから、英国は速やかに渡航制限に踏み切ったわけです。感染対策として、極めて正しい判断だと思います。またWHOは文句をつけるのでしょうか?
 武漢の時は、国際社会に向けては、封じ込めすらしませんでした。武漢だけ封じ込めて、国際的にはばら撒いたわけです。WHOは中国に渡航制限をした国々を批判しました。
 
 今回もWHOは渡航制限を批判するのでしょうか?おそらくですが、今回はしないような気がします。それは、WHOがお伺いを立てている国がオリンピックを控えていて、今、感染が爆発するのは脅威だと思われるためです。さらには、政府の指導力をアピールするために他国のmRNAワクチンを使用するわけにいかず、ゼロコロナ政策をとるしかない国にとっては、大変な脅威であり、国内の感染が広がるきっかけになどなれば、政府の信頼に大変な痛手を負う危険性があると思われます。今回はWHOに各国の感染対策の足を引っ張るようなことはさせないような気がします。閑話休題。
 
 
 このスライドはまとめです。
 最後に、まだ十分な知見が得られておらず、ワクチン接種の重要性は変わらない、と書いてあります。
 
 以上、簡単ですが、抜粋してみました。英語が苦でない方は、どうか直に一度ご覧ください。
 
 デルタ株の強力な感染力を凌駕しているのですから、オミクロン株の感染力はきっと凄まじいものがあることでしょう。香港の報告では、ホテルの向かいの部屋の宿泊者に感染した可能性もあるとのことです。
 ただ、病原性が強くなければ、これは終息株になります((参考)新型コロナウイルス —-見えてきたかもしれない光 2—)。デルタ株は、ワクチンの力で病原性が落とされ、終息の姿を形作りました。しかし、本来の病原性は凶悪であるため、本当の終息にはまだ道半ばと言えました。このオミクロン株が、感染力が爆発的でも病原性が弱いことを願ってやみません。ここからとにかく情報を集めましょう。そして、できるだけ冷静に戦うことができたら、と願っています。
 
 読んでいただいた方の参考になれば幸いです。
 
 (閑話休題)
 WHOは変異株の名前を、アルファから始まって、ギリシャ文字の順番に沿って名づけてきました。ところが、今回の変異株を「オミクロン株」と名づけるに当たり、ギリシャ文字のニューとクサイを飛ばしました。ネットニュースによると、ニューはnewと勘違いされるから(勘違いされても問題ないと思いますが)、クサイは人名と勘違いされるといけないから、とのことでした。クサイとは英語表記でXiと記載し、ある国家の最高指導者の名前の英語表記と同じになるそうです。どこまで忖度をするつもりなのだか、という気がしますし、もう隠す気がないのかな?とも思えました。クサイだけ飛ばすと変なので、いっそニューも飛ばしたのでしょう。WHOの職員の中に、ギリシャ文字の中にXiを発見して、そこまで順番に変異株が生まれてしまったらどうしたらよいか、とハラハラしながら胃を痛めて考えていた職員がいたかと思うと、そしてついにその日が来たかと思うと、、、なんともはや。
 クサイを飛ばして、その結果、名づけられたのが「オミクロン」です。なんと日本の専門家会議から分科会に渡るまで、ずっと奇跡のような正しい判断((参考)消えた第1波 —-戦いの歩み 3–- (今後も続けるつもりです))を続けてして下さった先生の名前が入っています。私は、オミ先生が日本にいてくれて本当によかったと思っています。その縁起のいい名前の入ったこの「オミクロン株」が終息株であらんことを、強く願っています。閑話休題。
 
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消えた第1波  ---戦いの歩み 3 ---

2021-11-18 23:19:05 | 日記

 
 コロナの新規感染者数の波は、日本では第5波までカウントされました。第1波は2020年4月11日がピークだった波で、このときは4月7日に初めての緊急事態宣言が出ました(5月25日まで)。第1波での感染者は17773名で、死亡者は931名でした。
 
 でも当時、この4月7日をピークとした第1波は、「第2波」と呼ばれていました。(思い出した方も?)2020年2月に、春節の休暇とともに大量の中国人旅行客が日本になだれ込んできており、それによる感染者の発生と広がりを「第1波」と称し、2020年3月以降に早々にロックダウンとなったヨーロッパからの帰国者や旅行者による感染者の広がり、それを「第2波」と呼んでいました。
 実際に多くの国で、はじめの中国人の行き来だけで大きな第1波が発生していました。日本でもそうなると思われていたところが、日本では、春節の影響では、思ったほど感染者数は増えませんでした。そのためか、2020年2月の感染者数は思ったより少なくすみ、いつの間にか当初の「第1波」は認識されなくなり、いつの間にか、当初の「第2波」だったものを第1波と称するようになっていました。
  
 言ってみれば、当初確実に発生すると予想されていた第1波は、日本では発生することがありませんでした。中国からの行き来だけでロックダウンに至った国は多々あり、それが各国の第1波ですが、日本はその第1波はありませんでした。
 不思議です。ただの偶然でしょうか?
  
 そもそも、初めのころ、2020年2月のころは、新型コロナウイルスは、日本で感染が爆発的に広がる、と欧米では考えられていました。新型コロナウイルスは、生体のACE受容体を介して感染するとされていて、そのACE受容体を日本人がとくに多く持っているとされていたためです。さらに加えて欧米では、これはアジア人の病気で、欧米人には問題にならない感染症だ、とも思われていたようです。
 この当時、「東京でオリンピックができなかったら、ロンドンで代わりにやってやるから安心して!」という英国人のツイートが話題になったのを憶えている人もいるのではないでしょうか。あれは彼らの当時の新型コロナウイルスへの認識に基づいた正直なツイートだったのです。現実は皮肉なことに欧米で感染爆発は起こり、ロンドンはロックダウンされ、二度と同じようなことは言われなくなりました。
 なぜ日本では、各国のように、中国人の行き来による第1波がおきなかったのでしょう?前回の「WHOの役割とは? 1〜2」で、WHOのように大量検査をしなかったことが感染の広がりを生まなかったと書きました。でも、言うのは易しで、検査しない、というのは実は大変なことです。検査しないでコントロールしようというのですから、実はより高等な、ある種の別のエネルギーが大量に必要です。検査しない分、国民のみなさんも大変だったかもしれませんが、現場も大変でした。言ってみれば、いつも見えない敵に囲まれている気分の中で、どこから飛んでくるかわからない刃に、始終備えていなければなりませんでした。
 
 当初の第1波のとき、2020年2月のこと、実際にどういうことが起きて、医療現場がつくられていったか、自分の周りのことから思い出して書いておきたいと思います。その中に、この第1波がなくなったことや、日本で2020年の間に感染爆発が起きなかったことなどのヒントが隠れているのが見えたら幸いだと思います。あのころの動きを、医療現場を振り返っておきたいと思います。へえ、そんなことがあったんだ、とかって思ってもらえたら、それだけで幸せです。
 
 続きます。

 (閑話休題)
 2020年2月の春節の休暇からの当初の第1波。思えばこのとき、大陸からの旅行客にマスクとアルコールが買い占められ、日本中からマスクとアルコールがなくなりました。なんと医療現場からもなくなり、使い回しをしないといけなくもなりました。危機感のない自治体は、交流だとか、困っている国を助ける、とかと言って、地元で必要なのに、さらにマスクやアルコールを中国に送っていたりしていました。マスクの生産のほとんどが中国でされており、一党独裁国家であるため、生産物資の国内配分のコントロールが容易な国に、せっせと送っているのはばかばかしい光景でした。それを一部のマスコミは安易にほめそやして報道していました。しかもあの国は、送られたマスクに対しては、お返しをしてみせたりして親善を装いましたが、その実、本当は日本に出荷されるべきマスク(日本企業が中国工場で作ったマスク)は止めていました。裏で、日本への輸出の飛行機を止めて、マスクビジネスをしていました。そうしたマスクビジネスは世界相手に展開され、中国の空港でマスクの争奪戦が起き(起こさせ?)、フランスが奪い勝ったマスクを載せた飛行機がフランス軍に守られながらフランスの空港に着陸した映像を見た記憶があります。あれが、あの国がつくる世界だとすると、二度とあんなことはごめんです。中国ではマスクが足りないなんてことはありませんでした。マスクを手に入れたらお金になるという世界を作り上げ、お金にするためにマスクを手に入れていたのだと思います。マスクが足りないというパニックを巻き起こし、そのパニックに乗じてビジネスを展開していました。そして、日本でもマスクとアルコールを買い占めた中国人バイヤーたちによって、思惑通りに価格を釣り上げたマスクやアルコールの裏商売が繰り広げられました。マスクやアルコールの価格は高騰し、数少ない入荷のマスクやアルコールを手に入れようと、とくに高齢の方を中心に、早朝の薬局の前に行列を作っていた光景を私たちは忘れてはいけないでしょう。あんなことは二度とあってはなりません。「鬼滅の刃」の中のセリフで言えば、「生殺与奪の権を他人に握らせるな」であり、他人に渡してしまったのです。まさにあれぞチャイナリスクで、忘れてはならない事実です。生命に関するところでは協力し合う、という常識が全く通用しませんでした。命ですら嘲笑い、ビジネスに利用してはばからない、その魂の醜さを、怒りとともに忘れないようにしようと思っています。閑話休題。

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WHOの役割とは? 2   ---戦いの歩み 2 ---

2021-11-16 01:22:00 | 日記

  

 WHO(世界保健機関)は、武漢がロックダウンしたにも関わらず、中国へ渡航制限をする国を非難し、2020年2月の中国の春節で大量に中国から海外へ人が流出するようにしました。そのことで感染が広がることを知らなかったはずがありません。知っていながらそうしたとしか考えられません。
 
 中国は、コロナウイルスが空気感染(エアロゾル感染)することを早々に知っていました((参考)WHOの役割とは?)。不安から検査を求めて検査機関に人々が殺到し、まさに3密の見本のようにすし詰めになった各国のPCR検査場で、人から人へ、次々とねずみ算式に感染者が増えていくのをわかっていたはずです。中国と一体化していたWHOも知らなかったはずはありませんし、たとえ情報をもたらされていなくとも、自分たちで集めた情報から、空気感染(エアロゾル感染)で感染者が増えていくことを容易に推測できたはずです。空気感染するかしないかは、それくらい簡単な判断でわかる事実です。できなければ彼らは専門家でもなんでもありません。そんなこともわからないような実力ならば、ただの迷惑です。この場合の無能は、実害を及ぼします。すぐにその仕事はやめるべきです。判断は難しくなどありません。そして、大量検査をすることで、大量の感染者を生み出すことを知っていながら、指導すらしませんでした。
 それどころか、覚えている人もいるでしょう。そのとき、WHOの総長は、「テスト、テスト、テスト(とにかくどんどんPCR検査をしろ)」と言っていたのです。感染が引き起こされることが明白な検査場へと人々を駆り立てて、大勢の感染者を生み出すように誘導していました。感染者が大量に生まれることを知らなかったとでも?そんなことは100%ありえません。私には、WHOには悪意しか感じられませんでした。
 
 WHOは感染の火消しをする消防署のように世界中の人が信じていました。その信頼を利用して、現実は全く逆のことをしていました。火事を消すのではなく、火を燃え広げるためのことを一生懸命していました。
 
 なんのためにそんなことをしていたか、は私にはわかりません。ただ、これは紛れもない事実です。WHOが行ってきたことは、記録にも残っている事実です。なんのためにそうしたのかはわかりませんが、WHOは言ってみればパンデミックを一生懸命つくったのです。
 パンデミック宣言も遅れに遅れました。きちんと完成するまで、後戻りができなくなるまで宣言もしませんでした。晴れてパンデミックが完成し、世界が混乱に陥って取り返しがつかなくなったのを確認し、7月になってようやく今さらのように「空気感染をしている可能性がある」などと言い始めました。なんと悪質なことでしょう。
 
 WHOがこのようなばかげたことをしたのは、本当に一体何のためだったのでしょうか?
 mRNAワクチンについて「陰謀論」が賑やかです。そのことで世界で戦い続けているワクチン反対派の人たちがいます。個人の考えは自由ですから、戦うなら戦えばと思いますが、「陰謀論」と戦うのであれば、是非ともまずはこのパンデミックを生み出したWHOの「陰謀」を取り上げて戦っていただきたいと、私などは思います。mRNAワクチンよりも、根拠も証拠も鮮やかです。陰謀論から世界を守りたいという情熱を、是非ともWHOの陰謀に向けて貰いたいです。でも、そんな人がほぼ皆無なのはなぜでしょう?mRNAワクチンの「陰謀論」を企てる人たちと、WHOの「陰謀」を企てた人たちが根っこでつながっているから?とかってつい勘ぐってしまう所以です。
 
 日本の専門家会議(今の政府の分科会)は聡明でした。世界中がパニックのように、競うように施行していたPCRの大量検査をあっさりと棄却しました。その聡明さ、その優秀さが、今になれば誰にでもわかるのではないでしょうか?コロナの感染形式、感染形態が今のように明らかになっていれば、誰があのような大量検査を施行するでしょうか。専門家会議は見通していたのです。
 しかも、専門家会議が真っ先に挙げた注意点が「3密(密閉・密集・密接)を避ける」でした。これがいかに的確だったか。批判ばかりするのではなく、素晴らしく優秀だったところはきちんと讃えるべきだと思います。日本は同調圧力の国、などと言う人がいます。確かにそういう部分もあるでしょうが、専門家会議は、世界からの同調圧力、すなわち大量検査をすることや、マスクをつけないことや、そんな同調圧力をあっさりとはねのけ、国民を守るために、自分たちで正しいと判断したことに基づいて導いてくれました。すごく勇気がいることだったと思います。本当に国民のことを考えていたからこそ生まれてこきた勇気だったと思います。(WHOなどは、自分の名誉欲や不実な欲望のためにするから誤るのだと、私には思えます。)
 また、その専門家会議の決定を全面的に受け入れ、自分たちが責任をとるのも厭わずすぐに政策に落とし込んだ当時の政府も見事でした。そして、最後はそのことを、自分を守るためにではなく、自分の大切な人にうつさないために、だれかのために、決められた方針を守った国民が見事でした。
 
 そう考えれば。日本に感染者が少なかったのは自明のことです。なんら不思議なことではありません。
 なぜ日本が感染者が少なかったのかわからない、などと言うマスコミや政治家がいましたが、褒めるべきところは褒めるという姿勢がないから大切なことが見えないだけです。彼らは、褒めないように、一生懸命ミスリードするようにと、そんなことを仕事の目標にしているから真実が見えないだけです。彼らの話が上っ面だけで、取るに足らない理由です。閑話休題。
 
 コロナ初期、日本は極めて聡明でした。
 もしも、WHOが日本の専門家会議のように、本当の公衆衛生学的立場に立って、民を守るために働いていたならどうだったでしょう。日本の専門家会議と同じように、あの当時のPCRの大量検査に警告を発し、3密回避(渡航制限等にもつながります)を勧奨していたはずです。そうだったならば、世界はパンデミックからきちんと遠ざかっていたはずです。
 逆に、日本の専門家会議が、WHOのように大量検査を推奨し、「テスト、テスト、テスト」と言っていたらどうなっていたでしょう?2020年2月の段階で早々に日本にもコロナ感染者があふれかえり、あっという間に病院は機能停止して、医療崩壊をしていたことでしょう。たくさんの命が失われていたと思われます。そんなことをしなかったから、日本に医療崩壊が起こるのは、2021年1月、およそ1年延びました。
 
 続きます。


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WHOの役割とは? 1  —-戦いの歩み 1 —-

2021-11-13 01:08:10 | 日記

 
 ドイツでは1日あたり5万人超のコロナウイルス感染者が生まれているそうです。
 mRNAワクチンが、ほぼ完璧に重症化を防いでいることが、この第5波で明らかになりました。mRNAワクチンを接種している人にとっては、新規感染者数の増加は怖くはありません。1日に5万人の新規感染者がいたとしても、感染がデルタ株(mRNAワクチンが有効)で、おかしな変異が生まれていない限り、ワクチン既接種者の生命が脅かされる危険性はほぼほぼありません。
 しかし、ワクチン未接種の人には脅威です。ワクチン未接種の人にとっては、新規感染者数はこれまでと同じ意味合いを持ちます((参考)ワクチンパスポートはだれのため? 1〜4)。デルタ株の凶悪性にそのままさらされ、重症化の危険性をはらんだ、大きな脅威です。新規感染者数を発表し続けるのは、ワクチン未接種者のため、と言っていいでしょう。
 
 とはいえ、日本は感染者数は劇的に少なくなっています。私個人としては、昨年1月以来、最も穏やかな心持ちでいれます。本当にここまで、長いようで短い、短く感じても長かった1年10ヶ月でしたよね。
 夢中で駆け抜ける感じで、精一杯でやってきましたが、あのとき日本は奇跡的な采配だったなあ、と思うようなことが振り返るといくつもあります。また、医療制度のおかしな点をあぶり出したような点も((参考)対岸の火事じゃないこと 上下)。
 またいつ、どのようなかたちで第6波が来るとも限りませんから、この機会にそんなことを、忘れないうちに振り返っておこうと思いました。
 
 思い返せば、昨年、2020年の年明けでした。新型コロナウイルスのニュースに初めて接したのは。みなさん同じだと思います。
 中国でおかしなウイルスが流行しているというニュースが、ちょうど2020年1月初めの中国の党大会か何かが終了してから流れ始めました。呼吸器系の感染症で、武漢で流行が広がっている、ということでした。
 新規感染症のニュースは珍しいことではなく、たいていは遠い世界の話です。今回も遠く中国の一都市の話でした。きっとその地域特有の感染症で、なんとなく無事に終わっていくのだろう、と心の奥底で思いながら、ニュースには一応耳を傾ける、というのが各病院の感染対策委員の多くの姿勢だったのではないでしょうか。まさか、それから間もなく日本に感染者が確認(武漢滞在歴あり)され、武漢は都市封鎖され、武漢に日本人を救出するチャーター便を飛ばすことになり、3月には「パンデミック」が現実になるなんて、世界があっという間に変わっていくなんて、そのときには誰も予想しなかったでしょうし、私たちもそうでした。
 
 ところが、中国からのニュースを気にかけていると、2020年1月のかなり早い段階で(武漢封鎖よりもかなり前)、ちょっとこれはおかしいんじゃない?本当に大変な感染症なんじゃない?と思わせるニュースがありました。それは、「中国政府が武漢に派遣したSARS専門家のトップが新型コロナウイルスに感染した」というニュースでした。
 私たちの病院は週に1回、感染対策委員会で感染症のカンファレンスを開いています。当時、そのカンファレンスでこのニュースを話題に上げました。
 中国の専門家のトップと言えばかなりのお偉い方です。その人が、感染が広がりつつある武漢にコロナ制圧のミッションを持って派遣されて、あろうことか本人が感染してしまったというではないですか。医師にとって、また感染症の専門家であればなおさら、自分を感染から守るのは基本中の基本です。その人が感染するなんて、これはかなり異常な出来事です。
 感染するとしたら検体採取時が最も危険です。ですが、中国のお偉い方だったら、患者からの検体採取等をわざわざ自分でするはずがありません。自分は指示するだけで、下の者に検体採取はやらせるでしょう。それでも感染するなんて、どういうことなんだろう?ということです。しかも感染症の専門家です。接触感染で感染するなんて、素人みたいなことをするわけがありません。ということは、この中国の専門家のトップが感染したとすると、想定外の感染の仕方をしたとしか考えられず、それはつまり空気感染なのではないか、ということになります。この感染症、ひょっとして空気感染してるんじゃないの?やばいんじゃないの?というのがカンファレンスで話した内容でした。
 その後、みるみる武漢は都市封鎖されました。そして、その封鎖された武漢に、医療従事者を励ますためと称して、中国の首相が専用機で激励に訪問しました。そのニュース画像で、飛行機から降りてきた北京からやってきた中国の首相は、見事にN95マスク(空気感染対策用のマスク)を装着していました。ほら、やっぱり空気感染するんじゃないか、これはえらいことだ、と私たち(当院の感染対策委員会)は確信しました。2020年1月の段階ですでに空気感染の危険性は、私のような一地方の感染対策委員であっても、発生国のニュースからありありと見えていました。
 
 ちなみに、WHOは空気感染(エアロゾル感染を含む)を否定し続けました。WHOがコロナに空気感染(エアロゾル感染)の可能性を示す「証拠が出始めて」おり、「感染経路の一つである可能性を見極めている」と明らかにしたのは、半年も経ったなんと7月(!)のことです。
 
 時間を戻します。すでにエアロゾル感染を引き起こす危険な感染症であることは2020年1月の段階でわかっていました。一地方都市の私がニュースで判断できたのですから。
 それにもかかわらず、WHOは2020年2月3日に、都市封鎖した武漢や中国への渡航制限をする各国を非難し、必要ない、と言明します。そのため各国(とくに日本)は渡航制限を実施する根拠がなくなり、春節となった中国から多くの旅行者がはき出され、世界各地にウイルスを広げていきます。ちなみにWHOはこの2020年2月にマスク不要も発表しています。とんでもない機関だと思いませんか?繰り返しますが、空気感染することはありありとわかっていたのです。上に記載したように、専門家ならばニュースを見ただけでわかるほどだったのです。わからなかった、とか、知らなかった、などありえません。WHOは専門家の集団のはずです。しかも無症状感染者がいることもすでにわかっていました。武漢という1000万都市をあっという間に都市封鎖が必要にもしたのです。いかに危険な感染症か、どの方面から切っても安全なウイルスである結論などでるはずがなかったのに、です。
 日本でも、2月のダイアモンドプリンセス号の出来事があっても、マスクは不要だとテレビで騒ぐ医者がいたりして、そういう輩がWHOの発表にさらに意気軒昂となったりして、まさに正義がなくなったカオスの世界でした。
 
 私にはパンデミックはWHOが後押ししたと思えてなりません。正しい事務総長が、正しい対策をとっていたら、すなわち、すぐに中国への渡航制限を各国に勧告し、中国へは海外へ旅行者を出さないように勧告をし、エアロゾル感染があることを周知し、マスク着用と感染対策を明確に示して推奨すれば、新型コロナウイルスは広がりはしたものの、これほど急速には広がらず、ワクチンや治療薬の開発が間に合い、パンデミックすら抑えられた可能性があったのでは、と思います。本当に、ひかえ目に言っても、WHOはあきれた機関でした。間違えた対策を推奨するのですから、まだWHOがない方が害がなかったのです。WHOは感染を広げ、感染を後押ししました。
 海外の映像で、恐怖でPCR検査のテントに殺到している人たちがいました。マスクはつけていません。空気感染があることを知らないわけです。あのテント中で大量に感染者が生まれていたことでしょう。PCR検査数が多い国ほど感染者数が多かった理由です。そのときWHOは何を言っていたか。あきれたことに事務総長は「テスト、テスト、テスト(とにかくPCR検査をたくさんしろ)」と言っていたのです。恐怖をあおり、人々を検査場へ、密集したパニックへ駆り立てていたのです。もはや悪意を感じ、犯罪に思えてしまいました。
 日本でも、それを根拠に、PCRの大量検査をしろと叫んでいたいわゆる識者や政治家と称する人たちがいました。各国はそうしたマスコミ等の圧力に負けて、大量検査に踏み切り、大量の感染者を生み出してしまいました。ところが日本には、そうした上辺や見せかけに流されない、冷静な専門家集団がいました。
 
 続きます。
 
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コメント (4)
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