東日本大震災復興支援市民活動ネットワーク宮城(代表:阿部 寛行)

※H27年4月を持ちまして本活動は(社)Kotネットワーク本吉に引継ぎました。本ブログは4年間の活動の記録です。

参加者振返り~2013年クリスマス会~

2014年01月18日 | ブログ
2013年12月24日~27日までの四日間、
小泉自然楽校に滞在をしたボランティアによる 
「クリスマス会」の振返りが届きました。
少々時間は経っていますが、ご紹介をさせて頂きます。

・・・・・

12月25日に小泉中学校仮設住宅の子供たちと老人会の方と一緒に
クリスマス会をさせていただきました。

クリスマス会の内容としては、ジェスチャーゲームや玉入れ、
フラフープを使ったゲームといった簡単なゲームと、
クリスマスプレゼントといった内容。



クリスマスプレゼントに関しては少々驚きました。
小泉地区の子供たちは、ただでプレゼントをもらうのではなく、
クリスマス会の片づけなど自分で働いて得た子供たちのお金を使って
プレゼントを買うんです。
何もしないでただで手に入るものはないということ、
働いて得たものを大切にしなければならないということ、
そういった当たり前でいて、実際なかなかできないことを
子供たちに自然に教える素敵な方法だと感じました。



ゲームをしている最中、絶え間なく子供たちの笑顔を見られました。
ゲームして楽しむだけでなく、ほかの子供たちの応援をするときもまた
しっかり応援する姿が印象的でした。
こういた子供たちの笑顔や、
楽しむ子供たちを見て笑顔でいてくれる老人会の方々と触れ合うことで、
今回ボランティアに参加して本当に良かったと感じます。

クリスマス会では、ポスター作りや部屋の飾りつけといった準備にも
参加させていただきました。
自分が小泉に来る前から準備をしてきたボランティアの方々がいて、
過去のイベントや活動を通して、
地域の方々とのつながりを阿部さんが大切にしてきたからこそ、
今回のイベントを成功させることができ、結果、
子供たちや地域の方々の笑顔につながっているのだと感じました。





事前準備の調整がどれだけ大変か、
終わったあとも現地コーディネートが継続するための悪戦苦闘を拝見して、
何も現地の事がわからないボランティアが大切にしなければならないことは、
現地の人達の想いにどれだけ寄り添えるためには、
本気で現地に住んで日々苦楽を共にする現地コーディネーター次第で
ボランティア活動が変わるか、を学べました。
短い期間ボランティア活動ではありましたが、
今回の活動で関わった皆さんには本当に感謝しています。

どうもありがとうございました。

澤田

参加者振返り~地域の方との交流~

2014年01月12日 | ブログ
阿部代表が務める 
“東日本大震災復興支援 市民活動ネットワーク”

ボランティアの活動内容は多岐に渡りますが、
その中の特徴として挙げられるのが、「地域の方との交流」ではないでしょうか。

特に、年末年始はクリスマス会や餅つきなどのイベントも続き、
ボランティアが地域の方々とお話をする機会も多くありました。

年末年始を気仙沼で過ごしたボランティアたちは、「地域の方との交流」をどう感じたのか。
生の声をご紹介いたします!


***


【自分の耳で聞き、目で見て、感じる】

“地域の方々との交流を通じて私は、気仙沼の方々が、
震災の悲しみや苦しみ、辛さを持ちながらも強く生きていこうとする姿を、この目で見ました。”
  (年始滞在の女性A)

“今日は講話や地元のおばあちゃん達の話を聞いて、被災者の体験談を生で聞く事ができました。
それは、どのニュースやインターネットの動画よりも生々しく、学ぶ事が多かったです。
また、津波が到達した写真と実際の今の風景を自分の目で比べてみて、
いかに津波の高さがおぞましいものであったかという事を再認識しました。”

 (年末滞在の男性A)


――― 被災者の実体験を聞き、実際の風景を見てこそ感じる事があります。
ニュースで流れる事も一つの情報。でも、地域の方の生の声を聞く事は、
ボランティアにとってどれだけ貴重な経験となるでしょうか。


【地域の方からいただく「温かさ」】


“おばあちゃん達に協力してもらいながら餅つきイベントのチラシを配りました。
こうした出会いやふれあいを通じて、都会にいてはあまり感じる事のできない
人の温かさを感じる事ができました。

また、こういう「人の温かさ」や思いやりといった気持ちが、
災害時に助け合う時にも必要な事なのだと感じました。”
 (年末滞在の男性B)


“小泉自然楽校で活動している際、近所の方が通りがかり、お話をさせていただきました。
しばらく立ち話をしたり、一緒に笑いあったりしました。
「ひまならうちにコーヒーでも飲みに来るか?」と暖かいお言葉もいただき、
(残念ながら忙しくてうかがえませんでしたが!、)
よそ者の私にとても優しく接してくださり、心が温まりました。” 
(年末滞在の女性A)


【笑顔の交換】

“4日は地域のお年寄りの方と一緒にお雑煮を作りました。
地域の方と交流することで、地域の方も自分自身も笑顔に溢れていると感じました。
一方的な「支援」ではなく、お互いが元気になるような「支縁」ができているように感じました。”

 (年始滞在の男性A)

“きっと隠しているつもりでも、言葉の端々に出てきてしまう辛い経験や、
満足できない生活に、度々気づきました。

それを消してあげることはできないのかもしれないけれど、
それでも、私との交流でおばあちゃんが爆笑した事は事実です。

私もおばあちゃん達の強さと優しさに触れて、勇気と元気をもらいました。

(年始滞在の女性B)


――― 笑顔や優しさ、思いやり・・・あげたり、もらったり。
ボランティアは一方通行ではない、そんな事を感じる参加者も多かったようです。

***


来て、見て、活動して、交流する。五感で、感じる。

地域の方との交流は、一人ひとりのボランティアにとって忘れがたく、
胸に刻まれるとても貴重な経験となっているという印象を受けました。


また、全国から来るボランティアとの交流を楽しみにしている地域の方々も多いそうです。


地域の方々、ボランティア、双方が笑顔になる交流・・・
それこそが、今最も求められているボランティア活動の一つと言っても
過言ではないのかもしれません。





スタッフN

参加者振返り~“ボランティア”って何?~【後編】

2014年01月11日 | ブログ
ボランティアするってどういう事だろう?
今、東北でボランティアをする、その意味は?

【前編】に引き続き、参加者たちの振返りを元に、ボランティアの意味を考えます。


【それぞれが見つけた、ボランティアの意味】

年始に南三陸ホテル観洋さんにて行われたお正月イベント
(子どもチャレンジランキング及び餅つき)、
小泉地区仮設住宅へのお餅配布などに参加をした男性は次のように話しています。

「ボランティアの概念は人それぞれだと思うし、
だからこそ様々なニーズに応えられるのではないのでしょうか。
自分は今でもボランティアとは何なのかを考え続けていますが、答えが出ませんでした。
出ないなら尚更、行動するしかないのだと思い、参加してみました」。
そして、実際に参加してみて感じたことは・・・
「ボランティアは、行動することでその都度何かを自分に問う、その繰り返しの作業」なのだと。




同時期に参加した女性も、活動を通じて「ボランティアの意味」を考え直したと言います。

「私はここに来るまでは、ボランティアとは、
求められる労働を無償で提供する活動だという認識を持っていました。
今回も確かに、肉体労働を期待していた部分が少なからずあります。
今思えばそれが一番手っ取り早く「何かをした」気持ちになれるからではないかと感じます」。




【多様化するニーズに応える】


女性ボランティアは更に、このように続けています。
「確かに単純労働をするまとまった人数のボランティアが必要な時期もあります。
でも、現場が必要とするボランティアのあり方は変わってきている。
そこに訪問者(ボランティア)が気づいて切り替えを出来なければ、
むしろ現場にとって迷惑になってしまいます」。


震災から2年9か月が経った今、ボランティアへのニーズは実に多様化している――。


とは言え、地域の事をよく知らないボランティアが、現地のニーズを把握するのは難しい。
現場をよく知る阿部代表をはじめとする現地スタッフや
コーディネーターとの連携が不可欠です。






―――現地のニーズを知り、向き合い、活動をすること。考えながらも行動すること。


ボランティア経験が初めての人も、そうでない人も、
それぞれのボランティアが、それぞれの経験を通して、
一人ひとりにとっての「ボランティアの意味」を考える活動となったようです。


***


東日本大震災から今日でちょうど2年と10か月。
ボランティアはもう必要ないのでは?と思っていませんか。
「復興した」と思っていませんか。


実際は、まだまだボランティアの皆さんの力が必要なのです。


東日本大震災復興支援市民活動ネットワーク宮城は、
更なるボランティアの皆さんの参加をお待ちしています。




※2月より新たにボランティア募集を開始します。




スタッフN

参加者振返り~“ボランティア”って何?~【前編】

2014年01月10日 | ブログ
阿部代表が務める「東日本大震災復興支援市民活動ネットワーク宮城」。
震災からほどなくして、ボランティアの募集を開始しました。
代表の元で活動をしたボランティア数は延べ、5万人以上。
彼らは実際、何をしたのか、そして、何を感じたのか。

今日は、実際に気仙沼へ来て活動をしたボランティアたちの思いを綴ります。


【迷いながらも、前へ進む】


ボランティアをするか、しないか。自分がボランティアをすることで、本当に役に立つか。
自分に何ができるのか。何か、できるのか。
そんなふうに迷って、答えはでないけれど、それでも、
ボランティアをすると決めて気仙沼に入った人たちがいます。


阿部代表は、寒い冬、被災した人たちが元気に笑顔で年を越せるようにと、
様々な企画を考えていました。12月25日、仮設住宅の集会所でのでのクリスマス会、
30日の「年越しもちつき」。仮設住宅へのお餅の配布、
そして、1月3日には南三陸ホテル観洋さんでのお正月イベントも。

ボランティアは、(参加開始日は様々ではありますが)これらのイベントの準備、広報、
実施、片づけ、加えて、海岸沿いでのゴミ拾いなどを行いました。




この年末年始に参加をしたボランティアの中には、
ボランティアをすること事態が初めてだという人もいました。



その中の一人は、「ボランティアとはなんなのかがよくわからないが、
それでも行動してみるしかないんだと思い参加した」と言います。

“行動する事でこそ、一歩前に踏み出すからこそ、見えてくるものがあるはず。”

そして、行動しながら自分自身と対話を続ける事が大切だと感じたようです。

また、あるボランティアは、活動中も悩んでいたと言います。
自分のやり方がよかったのか、なぜうまくいかなかったのか、次はどうしたらいいのか・・・。
迷いながらも、自分に与えられた役割を果たすために、行動し続けた。
・・・あっているかはわからないけれど、答えが出ていなくても、行動してみた。

――― 迷いながらも、前へ進む。

自信がなくても、迷いながらでも、とにかく、やってみる。
自分なりに自問自答し、行動し続ける事で、ボランティア一人一人に「自主性」がうまれます。

別のボランティアはこんな風にも話しています。
「ここに来るボランティアは責任感を持って行動している人が多いように感じられる。
自分に与えられた役割をしっかり果たそうとする姿勢がよく見える」と。
何が、彼らをそうさせるのでしょうか。



阿部代表の復興一直線の真剣な姿勢でしょうか。まだまだ「復興」したとは言えない、現実でしょうか。
代表が求める「自主性」でしょうか。厳しくて優しい自然、でしょうか。



ここには、ボランティア上級者から初心者まで様々な人がやってきます。
日本中から、世界中から、そして若い人も、人生の先輩方も。
自分に何ができるとはっきりわかっている人も、そうでない人も。

――― 迷ったら、行動してみる。まずは、行ってみる。

そこで感じる事が、必ずあるはずです。



厳しい冬に活動をした(名付けて)「第三次越冬隊」のボランティアたちは、
それぞれに感じたこと、学びを胸に、気仙沼を後にしました。




スタッフN

南三陸ホテル観洋さん お正月イベントのご報告

2014年01月06日 | ブログ
2014年1月3日

この日は長崎、兵庫、広島、東京、埼玉、新潟から集まった12名のボランティアスタッフで、
南三陸ホテル観洋さんでのお正月のイベントをお手伝いをさせていただきました。



まずは前日に、ボランティアスタッフで南三陸の仮設住宅を回り、
イベントのお知らせをしました。
小さなお子さんのいるお宅では、スタッフの案内に楽しげに耳を傾けてくれ、
興味を示してくれた家庭も少なくありませんでした。

会場のホテル観洋さんは、震災直後に自主的に600名の地元の人々の避難を受け入れて
人道的に支援活動をされた、地域の心の支えである場所です。
通常営業を再開している現在でも、毎日この地域への観光客向けに
語り部ツアーを開催して、
震災の記憶の保存未来の減災のための活動を意欲的に行っています。

ボランティアスタッフはホテルの皆さんと貴重な交流をし、
アドバイスをいただきながら、イベント実施のお手伝いさせていただきました。

***

朝9時に準備を開始。
まずはホテルのロビーにスペースを設け、子ども向けのチャレンジランキングを開催。



9時半になると、チェックアウトするお客さんや子どもたちで、
会場はすぐにいっぱいになりました。

チャレンジランキングでは、子どもたちが6種類のゲームに挑戦します。
長崎大学の学生スタッフたちが子どもたちのために企画した羽つき、
ボーリング、わなげなど、全てクリアするとプレゼントがもらえます。

チャレンジするゲームは学年別に難易度を決めてありましたが、
ちょっと難しめのハードルに幼稚園・小学生の皆が必死に挑戦し、
いつの間にか夢中になって自己ベストを更新しようと、全力で奮闘していました。

 

幼児向けのかるたや羽子板も人気があり、
集まった子どもたちはボランティアの大学生たちと大喜びで何時間も遊んでいました。



子どもたちと接するスタッフたちも、
次第に要領を得て一人ひとりの子どもの様子を見ながら難易度を変えてみたり
話しかけ方を工夫してみたりと、顔や表情をよく見ながら
臨機応変の対応ができるようになっていくのが印象的でした。

***

お昼には、餅つきを行いました。



ほとんどが餅つきを初体験するボランティアスタッフたち。
校長に教えてもらいながら杵を振い、参加してくれた子どもたちと一緒にお餅を作って、
ホテルの皆さんに用意してもらったお雑煮やきなこと一緒にいただきました。

***

お正月三が日中だったこともあり忙しい時期だったようで、
予想よりも仮設住宅や他の地域の方々の参加は少なく、
ホテルの宿泊客が中心だった様に思います。
仙台などの近いところからお正月休みで来ている家族、
遠く県外から観光に来ている家族など様々でしたが、
ここの地域でできた想い出の中にこのイベントが楽しい記憶として残り、
次につながる一助になればと思いました。

また、ホテルの方のお話によると、
南三陸には親戚を迎える「本家」が多いそうで、震災から3年が経ち、
ようやく訪問してくる親戚を受け入れられる状態になってきた家庭が増えたでのはないか
との事でした。
そこにも、復興の一端を見た思いがしました。

***

終了後の反省会では、大学生ボランティアからも「子どもと遊ぶのが本当に楽しかった」
「思わず童心に帰って遊んでしまった」という声がたくさんあがり、
スタッフも参加者から大きな元気をもらいました。

この度観洋さんとイベントを通して関われたこと、
本気の元気を分けてくれた子どもたちとこの地域で思い出を作れたことは
大変貴重な経験でした。



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ちなみに観洋さんの露天風呂はその名の通り、
気仙沼の雄大な海原を望む絶景風呂です。

お風呂の体験だけも可能です。是非一度、お訪ねください!

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ホテル観洋さん ホームページ は こちら

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スタッフN