懐かしい人

　　*画像は借りてきたもので私が作ったものではありません。　　

　転勤をきっかけに、知り合いになったAさん（女性）は、親子でラーメン屋さんを自宅で経営していました。Aさんは、離婚後にラーメン屋を開業、調理人の男性を1人雇い、息子さん20歳もお店を手伝っていました。お店の前を通ってもお客さんはあまり見かけず、出前が多いお店だったのかはわかりません。ラーメンは、カツラーメンが一番おいしく、ニンジン、モヤシなどが入った普通の味噌味のスープで、家庭料理で作るようなカツを切って乗せたラーメンで、また食べたくなる味でした。週に1度は注文し、息子さんが出前で持ってきてくれるのですが、優しそうな息子さんでした。Aさんは、作って配達もしていましたが、あるとき「私体調があまりよくないの。」と言ってから、息子さんが出前に来るようになりました。体調が悪いと言っても、Aさんはいつも笑顔の人でした。あとで、Aさんから「末期癌なの。手術できないんだって。」という話を聞いて、驚いたのと悔しい気持ちでいっぱいでした。いつも息子さんの話や、色々な話をしてくれて大変お世話になっていた人でした。Aさんは1度だけ結婚生活の話をし、「主人はすごく気がきく人だったのに、私のたった一言で離婚になっちゃったの！」と明るく話してくれました。そして、Aさんは「いつも私がお風呂のお湯を入れるんだけど、私の帰りが遅くて、主人がお湯を入れてくれて、私がお風呂に入った時熱すぎたから、熱いっ‼て言って、それだけで離婚したの。」と教えてくれました。本当に、Aさんのたった一言が離婚の原因だったそうです。　Aさんとは次の転勤により、離れてしまいましたが、Aさんから引越しの日を聞かれ知らせると、当日わざわざ手作りお弁当を作ってくださいました。一つ一つがキャラ弁で、何の顔かは覚えていませんが3つも4つも作って持たせてくれました。車の中で広げてありがたくいただきました。手紙ももらいました。そこに、書かれていた内容は「のりえちゃんは、まっすぐすぎて心配です。もっと素直に笑顔で💛みんなを幸せにしましょう。」と書いてありました。わたしの性格を2年間という短期間で見抜いていたなんて、本当に驚きです。Aさんはそれから半年後に亡くなったとの連絡があり、やっぱり会いに行きたくて主人にお願いして、300キロ走行してもらいました。通夜には町内会館からあふれかえるくらいの人がいました。近所の人たちから人柄が愛されていた方でした。笑顔が素敵だったAさんです。Aさんは50歳という若さでなくなり、当時はお母さんのような方でした。夢に出てきてくれないかなあといつも願っています。亡くなった人たちは、どのくらいの期間で転生するのでしょうか？亡くなった家族や友達は、どこに生まれ変わっているのか知ることができたらいいなと思う時があります。