パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

パーフェクト・プラン ★★★

2015年05月20日 | アクション映画ーハ行
「127時間」のジェームズ・フランコと「あの頃ペニー・レインと」のケイト・ハドソンが、移住したロンドンで麻薬を巡る危険な組織の抗争に巻き込まれていくアメリカ人夫婦を演じるクライム・サスペンス。共演は「フィクサー」のトム・ウィルキンソンと「最強のふたり」のオマール・シー。監督は、これが長編2作目のデンマーク人監督ヘンリク・ルーベン・ゲンツ。

あらすじ:ロンドン郊外。アメリカからロンドンに移住し、自分たちのささやかな夢を叶えるため、つましい生活を送る真面目な夫婦トムとアナ。しかし、経済的に追い詰められ、ついには退去勧告の通知が届く。期限は、たった2週間。そんな時、階下の住人が急死し、それを偶然発見したトムが、天井裏から3500万円の大金を見つけてしまう。捜査にやって来た刑事にも金のことは気づかれず、2人はこの3500万円をいただいてしまおうと考えるのだったが…。

<感想>だいぶ前に観賞したのに、投稿せず現在に至る。でも、主人公のお二人さんが大好きなので、面白おかしく拝見しました。平凡な移民カップルが主人公のアクション・サスペンスもの。お金に困って住んでいる家を追い出されることに。その生活苦の夫婦にワケありの大金が転がってくるところから、マフィアに麻薬の売人、刑事を含めた四つ巴の攻防戦が繰り広げられる。

2児のママのケイト・ハドソンが、お隣の子守をしているところ。てっきり自分の子供かと思ってしまった。この映画の中では、不妊治療をしている妻という設定だった。
このお金を持って逃げようと夫婦は計画するのだが、そんなに上手くは事が運ばないのだ。それで面白くなりそうなのに、ならないのは狙いが見えすぎるせいなのかもしれませんね。
時空が躍動しないのは、作り手が真面目すぎるせいなのか。空間の上下軸を活用したプランが、事件のゆるくせわしい展開と噛み合ってないことだろう。

素人夫婦のあぶく銭略奪計画は、最初から穴だらけで、案の定泥沼にハマって当然なのだが、魔がさして犯罪意識も薄いままに、怪しい金に手を出してしまうリアリティは半端ない。金額も多すぎず少なすぎずで、ゆえに、いかんせん地味なのだ。
ジェームズとケイトもちょうど所帯じみていて、演出が真面目過ぎるのか、略奪に至るまでは海外移住や金銭難など、もっともらしい伏線があるわりに、雑なラストを楽しめるかどうかにかかる。
それに、祖母から相続した古屋敷、それも資金難で改築が止まっているのだが、それがどのように活用されるかに、ばらばらの要素が集約されている。その伏線にもう、物語の展開のオチが見えて来てしまうのが惜しいところ。

マフィアに追い詰められたジェームズ・フランコが、古屋敷へと彼らをいざなう。それは、彼がいろんな仕掛けをしていたから。敵を陥れるための床板、落ちた悪人は、下の杭に身体を八つ裂きにされて身悶える。そして、拳銃の代わりに釘打ち機で応戦するジェームズ。
決してよく練られた脚本ではなく、いろんなところに穴があるにもかかわらず、いかにもB級路線映画として、ぬけぬけと意表をつく展開になっているのだ。演出で終わりまで見せ切ってしまうところもいい。何よりも最後に、赤ちゃんが出来たと夫に報告する妻の笑顔がよかった。

小味なサスペンス映画の逸品といっていいと思います。刑事役の爺さんはトム・ウィルキンソン人がよさそうな胡散臭いオマール・シーの両刀がマフィアに最適に見えた。達者な役者さんたちが集められているのに感心しました。
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