パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

タイムリミット ★★★

2015年07月07日 | DVD作品ーた行
何者かの罠に陥り殺人事件の容疑者に仕立て上げられようとしている男が、身の潔白を証明するため奔走するサスペンス。「トレーニング デイ」で黒人俳優としてアカデミー賞史上二人目となる主演男優賞を受賞した、デンゼル・ワシントンのオスカー受賞後第一作。監督は「青いドレスの女」でワシントンと組んだカール・フランクリン。2004年の作品。
あらすじ:フロリダ州の小島で警察署長を務めるマット・リー・ウィトロック(デンゼル・ワシントン)は、仕事の腕は一流で、部下からの信頼も厚い。だがプレイベートでは、妻アレックス(エヴァ・メンデス)とは8ヵ月前から別居中。関係が悪化して以来、高校時代の後輩で今は人妻のアンと親密になり、彼女と過ごす甘い時間に慰めを見出していた。
夫クリスの暴力に苦しんでいたアンへの同情は、いつしか激しい情熱へと変わり、ふたりはたびたび密会を重ねる仲になっていた。ある時マットはアンの頼みで、彼女の兄として病院に付き添う事になった。そこでアンはガンの転移が見つかり、しかも余命わずかと宣告されてしまう。

アンの主治医はスイスの代替医療を紹介するが、治療費が高額で、必ず治る保証もないという。死を覚悟したアンは、クリスが自分にかけていた生命保険の受取人名義をマットに書き換えると、ひとり町を出て静かに最後を過ごす事を彼に告げた。
しかし、マットはある決心をする。アンに治療を受けさせるため、署の金庫にある麻薬犯罪の証拠品である現金48万5000ドルを持ち出すことにしたのだ。翌日一緒にスイスへ旅立つ事を約束し、マットは現金をアンに渡す。
その夜遅く、アンは約束の時間に現れず、電話にも出なかった。翌朝、アンの家が火事という知らせを受け急いで現場へ駆けつけると、既に家屋は跡形もなく焼け落ちていた。
そしてマットは、現場で黒焦げの焼死体二体を見つける。その瞬間、マットは自分が極めて不利な立場に置かれていることに気づく。アンとの不倫関係、保険金受取人の名義変更、失われた証拠品の大金。あらゆる状況証拠が、犯人はマットだと指し示しているかのようで……。(作品資料より)
<感想>サスペンスのまとめではあるのだが、真面目で人望の厚い好人物が、いかにも男らしい煩悩のせいで、横領や殺人犯に仕立て上げられていく展開は、世界びっくり仰天ニュースふうな、自業自得てき不幸な話しになっている。
物語の中心の男が離婚寸前で、ヘコんでいる警察署長ということで、これが良くも悪くも映画の見方を曖昧な困ったものにしている。デンゼル・ワシントンが主人公を演じているのに惹かれて観賞した。

マットが罠に落ちたことを口外できない立場だから、情けなくもおかしみやスリルが湧きあがってくるのだが、一方では、警察署長のマットが少なからず捜査のツボを知っているからこそ、危機を乗り切れると分かってしまうご都合主義になっているのだ。
だからなのか、少々モヤモヤした気持も湧いてくる。しかも、事件捜査を仕切るのは、殺人課の別居妻の刑事、エヴァ・メンデス。なんだか出来過ぎの作り話を、良い脚本と言うのは少々気が引けるのよね。
結局、練りに練った揚げ句、後づけの伏線や設定が膨らんだ脚本という印象が拭えないのだ。だからって面白くないというわけではない。
マットは、妻や警察内の目を欺きながら懸命に証拠を消し、真犯人を探すことになる。主人公の状況が、どんどん悪化していく過程が、ハラハラしながら展開していく演出もお見事です。電話会社からの通話記録をパソコンにスキャンして改ざんするなど、発覚ギリギリの証拠消しがスリリングに描かれていきます。自分のためとはいえ、警察署長にあるまじきヤバい行為も犯す主人公だが、デンゼルが演じるとヒーローに見えるのが、やっぱちょっと変だけど許せます。
そこそこに、デンゼルのファンとエヴァ・メンデスの美しさに免じて肩の力を抜いて楽しむのにはちょうどいいかも。
アンにはサナ・レイサンが色っぽい感じで演じているので、それはもう観ていてワクワクする楽しみがありますよね。
フロリダのぬるい空気感を満喫し、デンゼルのあたふた演技をコメディ、ユーモアと解釈して、女性を崇めるムード優先の映像をノホホンと楽しめば、情けないデンゼルでも許せるはずです。
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