その強い信念により強力なリーダーシップを発揮した英国史上初の女性首相“鉄の女”マーガレット・サッチャーの姿を描く「マンマ・ミーア!」のフィリダ・ロイド監督作。出演は「恋するベーカリー」のメリル・ストリープ、「家族の庭」のジム・ブロードベント。

あらすじ:雑貨商の家に生まれたマーガレット(メリル・ストリープ)は市長も務めた父の影響で政治を志すが、初めての下院議員選挙に落選してしまう。失望する彼女に心優しい事業家デニス・サッチャー(ジム・ブロードベント)がプロポーズする。
「食器を洗って一生を終えるつもりはない」野心を隠さないマーガレットを、デニスは寛容に受け入れる。双子にも恵まれ、幸せな家族を築く一方で、マーガレットは政治家としての階段も昇りはじめる。
失墜した英国を再建する。それは気の遠くなるような闘いだったが、彼女はその困難に立ち向かう。愛する夫や子供たちとの時間を犠牲にし、マーガレットは深い孤独を抱えたままたった一人で闘い続けた……。
現在のロンドン。どんなに苦しい時も支え続けてくれた夫・デニスは既に他界した。だが、マーガレットは未だに夫の死を認識していないのか、時折不可解な行動が目立つ。思い出の洪水の中で、デニスの遺品を手に取り彼女は「あなたは幸せだった?」とつぶやくのだった……。(作品資料より)

<感想>一家の主婦が英国首相に、“鉄の女“の素顔とは、・・・イギリス初の女性宰相となったマーガレット・サッチャーの伝記物。庶民階級出身のサッチャーが、全くの男性社会である政治の世界で”鉄の女“と呼ばれながら、構造改革に辣腕を振るう姿を描いている。
本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが、期待を裏切らない成り切りぶりを披露。英国風のアクセントを完璧にマスターしての熱演。本作でも「英国王のスピーチ」と同じく、サッチャーは高音を抑えて威厳あるスピーチが出来るように訓練するシーンもあります。

自分達家族が暮らす社会を、良くしたいという思いで政治家になったサッチャーが、国のトップに就いたことで家族や親しかった仲間たちと距離を生じていく様子が切ない。物語は、亡き夫の幻影と語りながら生きる現在と、政治家時代の過去を交錯させながら、一人の妻として母親としての彼女の実像に迫る。
2児の母親ながら国会議員に、弱腰の議員たちに喝を入れるために、党首選に立候補したところ、まさかの当選で英国初の女性首相になる。混迷する時代に、自分を曲げることのないリーダーの在り方を示した教本。
さて、マーガレット・サッチャーは国民に愛されていたのか?・・・庶民階級出身ということで、期待が寄せられていたが、サッチャーは長引く英国病を断ち切るため、組合の整理や手当の削減に踏み切り、反感を買ったのです。人気が出たのは、フォークランド紛争に勝利したため。しかし、11年にわたり首相を務めるが、人頭税導入案が反発を招き退任。

特殊メイクをして年老いたサッチャーを演じるメリルは、本当に凄いし、ハマリ役だった。首相としてのサッチャーを演じるメリルも素敵だけれど、やはり認知症になってからの演技は、自分流に考えて演じたのでしょう。政治家になってからの家庭での家事とか子育てなどは、映像の中では見られませんでした。つまり、彼女は家庭を犠牲にして政治家の仕事を選んだわけで、夫のデニスがすべて家庭内のことを成し遂げていたのでしょう。
政界引退後は、認知症を患い、果たして夫デニスは自分と結婚して幸せだったのか?・・・亡夫デニスとの幻覚とともに暮らす彼女の姿が切なく感じた。
混迷する時代に、自分を曲げることのないリーダーの在り方を示した教本であるし、また理解ある夫に亡くなってからも見守られ続ける、幸せな女性ドラマとしても味わえます。
2012年劇場鑑賞作品・・・11
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あらすじ:雑貨商の家に生まれたマーガレット(メリル・ストリープ)は市長も務めた父の影響で政治を志すが、初めての下院議員選挙に落選してしまう。失望する彼女に心優しい事業家デニス・サッチャー(ジム・ブロードベント)がプロポーズする。
「食器を洗って一生を終えるつもりはない」野心を隠さないマーガレットを、デニスは寛容に受け入れる。双子にも恵まれ、幸せな家族を築く一方で、マーガレットは政治家としての階段も昇りはじめる。
失墜した英国を再建する。それは気の遠くなるような闘いだったが、彼女はその困難に立ち向かう。愛する夫や子供たちとの時間を犠牲にし、マーガレットは深い孤独を抱えたままたった一人で闘い続けた……。
現在のロンドン。どんなに苦しい時も支え続けてくれた夫・デニスは既に他界した。だが、マーガレットは未だに夫の死を認識していないのか、時折不可解な行動が目立つ。思い出の洪水の中で、デニスの遺品を手に取り彼女は「あなたは幸せだった?」とつぶやくのだった……。(作品資料より)

<感想>一家の主婦が英国首相に、“鉄の女“の素顔とは、・・・イギリス初の女性宰相となったマーガレット・サッチャーの伝記物。庶民階級出身のサッチャーが、全くの男性社会である政治の世界で”鉄の女“と呼ばれながら、構造改革に辣腕を振るう姿を描いている。
本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが、期待を裏切らない成り切りぶりを披露。英国風のアクセントを完璧にマスターしての熱演。本作でも「英国王のスピーチ」と同じく、サッチャーは高音を抑えて威厳あるスピーチが出来るように訓練するシーンもあります。

自分達家族が暮らす社会を、良くしたいという思いで政治家になったサッチャーが、国のトップに就いたことで家族や親しかった仲間たちと距離を生じていく様子が切ない。物語は、亡き夫の幻影と語りながら生きる現在と、政治家時代の過去を交錯させながら、一人の妻として母親としての彼女の実像に迫る。
2児の母親ながら国会議員に、弱腰の議員たちに喝を入れるために、党首選に立候補したところ、まさかの当選で英国初の女性首相になる。混迷する時代に、自分を曲げることのないリーダーの在り方を示した教本。
さて、マーガレット・サッチャーは国民に愛されていたのか?・・・庶民階級出身ということで、期待が寄せられていたが、サッチャーは長引く英国病を断ち切るため、組合の整理や手当の削減に踏み切り、反感を買ったのです。人気が出たのは、フォークランド紛争に勝利したため。しかし、11年にわたり首相を務めるが、人頭税導入案が反発を招き退任。

特殊メイクをして年老いたサッチャーを演じるメリルは、本当に凄いし、ハマリ役だった。首相としてのサッチャーを演じるメリルも素敵だけれど、やはり認知症になってからの演技は、自分流に考えて演じたのでしょう。政治家になってからの家庭での家事とか子育てなどは、映像の中では見られませんでした。つまり、彼女は家庭を犠牲にして政治家の仕事を選んだわけで、夫のデニスがすべて家庭内のことを成し遂げていたのでしょう。
政界引退後は、認知症を患い、果たして夫デニスは自分と結婚して幸せだったのか?・・・亡夫デニスとの幻覚とともに暮らす彼女の姿が切なく感じた。
混迷する時代に、自分を曲げることのないリーダーの在り方を示した教本であるし、また理解ある夫に亡くなってからも見守られ続ける、幸せな女性ドラマとしても味わえます。
2012年劇場鑑賞作品・・・11
