パピとママ映画のblog

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マーウェン★★★★

2019年07月25日 | アクション映画ーマ行

暴漢に襲われ記憶障害の後遺症に苦しむ男性が、セラピーの一環として始めた第二次大戦下の架空の村のジオラマ作りを通して少しずつ回復していく姿を追ったジェフ・マルムバーグ監督による2010年の感動ドキュメンタリー「Marwencol」を、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ/一期一会」のロバート・ゼメキス監督が劇映画化したヒューマン・ドラマ。主人公の葛藤と再生の物語を、彼が作り出したミニチュアの村を最新技術で再現したファンタジックな映像を織り交ぜ描き出していく。主演は「フォックスキャッチャー」「ビューティフル・ボーイ」のスティーヴ・カレル、共演にレスリー・マン、ダイアン・クルーガー。

あらすじ:バーからの帰り道に5人の男たちの襲撃を受け、瀕死の重傷を負ったマーク・ホーガンキャンプ。一命は取り留めたものの、脳に障害が残り、記憶を失ってしまう。PTSDに苦しむ彼は、セラピーとして自宅の庭に第二次大戦下の架空の村を作り、“マーウェン”と名付けて、自分や周囲の人々を模したフィギュアを置いて写真を撮り始める。次第にマーウェン作りに没頭していくマーク。そこでは自分の分身であるホーギー大尉と様々な女性たちが、日夜ナチスの兵士たちと過酷な戦いを繰り広げていた。やがて、現実世界でも心身共に少しずつ回復していくマークだったが…。

<感想>実話をもとに描いたヒューマンドラマであるが、ロバート・ゼメキス監督の新たなる挑戦ともいえる実写と、パフォーマンス・キャプチャーの両方を取り入れたヒューマニズムと、壮大なる空想世界が融合する力作である。

5人の男から暴行され、脳に障害をおった実在の男性、マーク・ホーガンキャンプの物語である。マークは、たまに女性のハイヒールを身に着けるクロスドレッサーで、ヘイトクライム(増悪犯罪)の被害者になってしまったのだ。かといって、彼はゲイではない。そういう趣味の男に対しての偏見が、暴力沙汰を起こしたようだ。

昏睡状態から覚めた彼は、大人になってからの記憶が殆ど奪われ、退院後は襲撃のPTSDに悩まされるが、リハビリで始めたフィギュアの撮影で、彼の中の何かが動き出す。

その空想の世界“マーウェン”では、彼はホーギー大尉となり、女性の友人そっくりに作ったバービー人形軍団が、ナチス親衛隊と日々戦いを繰り広げ、彼を絶体絶命の窮地から救うのだ。それを撮影して、写真展を開くことを進める女性にダイアン・クルーガーが扮している。

演じているスティーヴ・カレルは、マークのドキュメンタリーを見てどのような形でも本作に関わりたいと申し出たというのだ。コメディもシリアスもこなすカメレオン俳優であるカレルだが、今回の役は実在しており、しかも尊敬に値する勇気ある人物だということで、責任を伴うと感じたようです。

お迎えに引っ越して来た女性ニコルに恋をして、彼女の人形も作り、ホーギー大尉の恋人のように車の隣に乗せている。それに、本当にニコルに恋をしてしまったマークは、結婚の告白をするのですが、指輪ではなく勲章を彼女に上げて「結婚してください」と申し込むのです。すぐに断られるマーク。

それに、ニコルの元恋人がいつも来ており、マークとニコルが仲良くしてお茶をしていると、意地悪をしてオモチャの人形や、庭の模型を壊してしまう。

それに、暴行した5人の男の加害者との裁判があり、その時も神経が麻痺して頭の中では、ナチとの戦場になり裁判が成り立たなくなるのだ。しかし、最後には、勇気をもって、薬を飲み暴力で自分のような人間が二度と出ないようにと、裁判官に向かって述べるシーンもありました。

やはりカレルは素晴らしい俳優であります。イノセントでアーティスティックな男が、スクリーンに現れ、ゼメキス監督の作るファンタジーの世界と交わりながら、希望を失わず葛藤する姿があった。思わず熱いものが込み上げてくる。

マークの闘いは、勿論自身の再生であるが、また同時にヘイトクライムに屈しないという偏見社会へ向けた戦いでもあります。

戦場はどこか遠くにあるのではなく、人形たちが息づくのは、マークの質素な自宅の庭なのだから。家のすぐ隣に自分で作った箱庭が戦場であり、主人公の家や酒場などが模型で作られてあるのが良かった。

6/1フィギュアが、人生に苦悩する多くの者たちのために、戦い続けているのだ。セクシーで強い美女たちが守ってくれると思うと、ちょっとくすぐったいような不思議な気持ちになるのだが、・・・。

 

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