パピとママ映画のblog

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マスカレード・ホテル★★★★

2019年01月20日 | アクション映画ーマ行

ベストセラー作家・東野圭吾の同名ミステリーを木村拓哉と長澤まさみの主演で実写映画化。新たな殺人の犯行現場として予告された一流ホテルを舞台に、連続殺人事件を解明すべく潜入捜査に乗り出したエリート刑事と、その教育係を務める一流ホテルマンのヒロインが、怪しげな宿泊客が次々と現われる中で、互いに高いプロ意識ゆえに激しい対立を繰り返しながらも、次第に事件の核心へと迫っていくさまを、小日向文世、渡部篤郎、笹野高史、松たか子をはじめとする豪華俳優陣の共演で描き出す。監督は「HERO」「本能寺ホテル」の鈴木雅之。

あらすじ:都内で不可解な3つの連続殺人事件が発生し、現場に残された暗号から次の犯行場所としてホテル・コルテシア東京が浮かび上がってくる。しかし犯人への手がかりは一切なく、警察はコルテシア東京での潜入捜査を決断、エリート刑事の新田浩介がホテルのフロントクラークを務めることに。そこで優秀な女性フロントクラークの山岸尚美が新田の教育係として就くが、そんな2人の前には“仮面”で素性を隠した怪しげな宿泊客が次から次へとやって来る。犯人逮捕のことしか頭にない新田と、あくまで“お客様第一”の尚美は、ことあるごとに衝突を繰り返してしまうのだったが…。

<感想>「グランドホテル」と呼ばれる形式があるように、物語の世界におけるホテルほど、ドラマに生まれるに相応しい場所はない。それぞれの人生を背負い、そこに集う不特定多数の人々が、さまざまな人間模様を織りなしていく。

洗練された一流のホテルの様子や、怪しげな宿泊客の雰囲気などが、見事なまでに映像的に脳内に再現されるドラマであったと思う。

その主人公、つまり一流ホテルのフロントクラークに成りすまして、潜入捜査を行うエリート刑事・新田浩介を演じるのには、一体誰がふさわしいのか。その答えはすでに原作者の頭の中にあったようです。余ほどのことが無い限り映画化にゴーサインを出すつもりはなかったという原作者の東野圭吾さんが、実は小説連載中に新田を描く際に漠然と思い浮かべていたのが、まさに木村拓哉だったという、素晴らしいハマリ役であることは言うまでもない。

原作のミステリ部分は、冒頭からかなり凝った作りになっている。品川の駐車場、千住新橋の建設現場、葛西の道路上と、立て続けに起きた3件の殺人は、殺害手段も絞殺、扼殺、撲殺とバラバラで、一見共通点がなかった。

しかし、すべての現場に犯人のものと思われる暗号のような数字がメモ書きされていたため、警察は連続殺人事件と断定する。

物語の舞台となる一流ホテル・コルテシア東京が、刑事の潜入捜査を受け入れたのは、メモを解読した警察が、近々に同ホテルで次の事件が起きると判断したからだ。

複数の捜査官が従業員を装い配置されるが、フロントに就いた新田浩介は、ホテルクラークの山岸(長澤まさみ)とコンビを組まされる。にわか作りのホテルマンとやり手の教育係という男女が出会う場面から、映画が始まるのだが、二人の丁々発止の掛け合いはテンポもよく、まるで万歳コンビのようでもある。

お客様を信じることが仕事と胸を張るホテルマンと、人を疑うことが身に着いた切れ者の刑事。水と油の双方が呉越同舟よろしく散らす火花が、男女のバディもののテンションを、これでもかと高めていくのだ。

だが、新田にはもう一人の相棒がいる。小日向扮する品川署の能勢は、飄々とした感じでホテルに現れ新田を戸惑わせる。しかし、ホテルのフロントの持ち場を離れることが出来ない新田の手足となり、事件解決に向けてベテラン刑事らしい活躍を見せてくれる。

クライマックでは、緊張感が高まり、意外な真相に息を呑むが、それらは濱田岳や、松たか子、菜々緒、生瀬勝久たちのエピソードによって活かされた結果であろう。

さらには、山岸が怪しげな宿泊客(菜々緒)に対し毅然と接客する様子や、ホテルで結婚式を挙げる女性客(前田敦子)、

彼女を付け狙う“ストーカー”(勝地涼)の姿も出て来て、ホテルの中では大捕り物合戦が繰り広げられる。

宿泊客の中の誰かが連続殺人犯であるという限定されたシチュエーションでのミステリーですが、怪しい宿泊客とホテルスタッフのヒリヒリとするようなやりとりや、華やかな客室やフロントの裏でホテル側のさまざまな思いが交錯する様子など、「ホテルあるある」的な内情にも触れていて、その人間関係にこそこの物語妙味はあるように思いますね。

華やかなホテルで“誰でもない自分”が束の間の贅沢を楽しむ。宿泊客はみな素顔を隠し仮面を付けているからだ。そして宿泊客の素性を知りながら黙ってそのマスカレードを演出するホテルマンたち。彼らもまた仮面を付けているのだから。映画を見終えた後、ホテルに泊まるのがいろんな意味で少し怖くなる気もする。

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