パピとママ映画のblog

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スパイダーマン:スパイダーバース★★★★・5

2019年03月14日 | アクション映画ーサ行

マーベルの人気スーパーヒーロー“スーパーマン”を「くもりときどきミートボール」「LEGO(R)ムービー」のフィル・ロード&クリストファー・ミラーの製作、フィル・ロードの脚本でアニメ映画化したSFアクション・アドベンチャー。初代スーパーマン=ピーター・パーカー亡き後の世界を舞台に、2代目スーパーマンとなった少年マイルス・モラレスが、時空のゆがみによって異次元からこの世界に飛ばされてきた様々なスパイダーマンたちと力を合わせて世界の危機に立ち向かう姿を、最新技術を駆使した革新的映像表現とともに描き出す。声の出演はシャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、リーヴ・シュレイバー、マハーシャラ・アリ、リリー・トムリン。

あらすじ: NYに住むマイルス・モラレスは、居心地の悪いエリート学校に通う13歳の少年。趣味のグラフィティ・アートをしている最中に、放射性の蜘蛛に噛まれてスパイダーマンの能力を授かるも、力の制御ができずにいた。

そんな中、マイルスは数々の凶悪ヴィランを束ねるキングピンの魔の手から街の平和を守り続けるヒーロー、スパイダーマンことピーター・パーカーと出会うも、目の前でパーカーの死を目撃する。

英雄の訃報で悲しみに暮れるニューヨーカー。ピーターに替わり街を守ると誓ったものの、不安だらけなマイルス少年。そんな彼の前に現れたのは、死んだはずのピーター・パーカーだった。

だが、どこか様子が変だ。無精ひげにだらしない下腹、そして自堕落な性格。そう、彼はキングピンが歪めた時空に吸い込まれ、別のバース(次元)から来たスパイダーマン、ピーター・B・パーカーだったのだった。

キングピンの野望を阻止するべく、ピーター・B・パーカーを師として、共に戦う決意をしたマイルスの元に、別のバースから次々とスパイダーマンたちが集結する。白いタイツ姿で戦う優雅でクールなスパイダー・グウェン、1930年代からやって来た探偵スパイダー・ノワール。喋る豚スパイダー・ハム、パワードスーツSP//drを操るメカ少女ペニー・パーカー。しかし、彼らはそれぞれのバースに戻らないと体が崩れてしまうのだった。

自分たちのバースへ戻るため、そしてキングピンを倒すためにスパイダーマンたちは一致団結をする。だが、マイルスは、戦いのなかで自分にしかできない特殊能力を見つけるも、他のスパイダーマンと共に戦う技量と覚悟を発揮できずにいた。

そんな中、降りかかる試練の数々を前にして奮起したマイルスは、大切な家族と仲間のために黒と赤のスーツをまとった新生スパイダーマンとして、NYの摩天楼を駆け抜けるのであった。

<感想>通常のCGアニメと違って、本作ではCGの映像にコミックらしい「スクリーントーン」を入れたり、イラスト風にアレンジしたアイテムを隅々に挿入するなど、手描きのアニメーション技法が加えられている。その結果、作業量は2〜4倍となり、アニメーターの数は、ソニー・ピクチャーズのアニメ史上で最大の180人に上ったという。

この世界が凄いのは、スパイダーマンの世界をよく知らない一見さんでも、知り尽くしたマニアも同時に満足させる手腕ですね。「放射能蜘蛛に噛まれたらだんだん世界がアメコミ調になる(黄色い四角の吹き出しが出て来る)」とか、この世界ではこいつがドクター・オクトパスなのとか、実に面白いけど、感動したのは、悪党キングピンが完璧にキングピンなんですよ。縦よりも横の幅が広いので、これでは実写じゃできない。

4つの世界から4人のスパイダーマンがやってくるんだけど、それぞれまったく絵のタッチが違う。その中の一人に「イマイチ成功しなかった中年スパイダーマン」ピーター・B・パーカーがいて、その疲れた中年男と、父親と上手くいっていない少年スパイダーマンとのやりとりが、泣かせる。

昨年11月に亡くなったスタン・リーは、アニメでのカメオと声の出演が本作で最後となったが、そのシーンはしっかり見せ場になっている。同じく2018年には、スパイダーマンの生みの親の一人である原作者のスティーヴ・ディッコも死去。本作は彼にも捧げられた。マーベル・ヒーローの生みの親スタン・リーが教えてくれたこと、実写版へのオマージュもたっぷり。

逆さにブラ下がったままのキスや、暴走する列車を止め、船が破壊されるアクションなど、2002年の「スパイダーマン」から2017年の「スパイダーマン:ホームカミング」までの実写版とそっくりのシーンがあちこちに登場するのだ。

マイルスは、現在の次元で生活するメイおばさんの家も訪ねる。そこで手首から特性のクモ糸を発射するウェブシューターを託される。さらに4人のスパイダーマンたちが別次元から導かれ、彼らはマイルスを全面バックアップする。

キングピンは加速器を使って、亡くした家族を呼び戻そうとしていた。同時に世界を脅かす恐るべき計画も進める。マイルスを中心としたスパイダーマンたちは、キングピンを倒し次元を正常に戻すための戦いを開始する。

その中で、大好きだったアーロン叔父さんの正体を知ることに。実態は犯罪者だった。しかもマスクで正体を隠し、ブロウラーと名乗るゴリゴリのヴィランだったのだ。彼の悪行を止めようとするも、一方ではマイルスの秘密を知ったアーロンも、彼を自分の犯罪メイトにしようと計画。

当然、方向性の違いから暴力抗争が勃発する。最終的には叔父さんが爆破に巻き込まれて死んでしまう。マイルスはその後、ヴィランとの戦いに巻き込まれた母親が死に、自分の秘密を知った父親とは絶縁状態になってしまう。

2Dで鑑賞したが、IMAX3Dでもう一度観たいですね。それくらい素晴らしいスピード感の編集、DGに手書きを足すことで生まれた古き良きアメコミ感とか、キャラの造形、ストーリーテリング、音楽、「二代目スパイダーマンたちが集まって来る」と言う、ウルトラ兄弟的な豪華さであり、主人公の少年(二代目)がカラードであることまで含めて完璧です。まさに今の映画であり未来の映画でもある。「ヴェノム」のエンドロールで流れた本作の某シーンに、これはすごそうだと、ワクワクしたが、その期待をはるかに超えていたとは。

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