マンガ大賞2010、手塚治虫文化賞短編賞を受賞したヤマザキマリの人気漫画を映画化。現代日本にタイムスリップした古代ローマ人浴場設計技師が巻き起こす騒動を描くコメディ。出演は「麒麟の翼 劇場版・新参者」の阿部寛、『絶対零度 特殊犯罪潜入捜査』の上戸彩。監督は「のだめカンタービレ 最終楽章」2部作の武内英樹。
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あらすじ:古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、生真面目すぎる性格から時代の変化についていけず、職を失ってしまう。落ち込んだ彼は、友人に誘われて公衆浴場を訪れるが、そこで突然、現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは、漫画家志望の真実(上戸彩)たち“平たい顔族”、つまり日本人だった。日本の風呂文化に衝撃を受けたルシウスは古代ローマに戻ると、そのアイデアを利用して大きな話題を呼ぶ。タイムスリップを繰り返すルシウスは、ローマで浴場技師としての名声を得ていくのだが……。風呂を愛する2つの民族が時空を超えて出会った時、世界の歴史が大きく動き出す。(作品資料より)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/04/453b9649c03e277f16afd4f4cfebe19f.jpg)
<感想>原作のマンガは読みました。この奇想天外な設定だけでも笑える面白さ、まずキャスティングの妙に唸らされる。生真面目な性格から失業の憂き目に遭う主人公のルシウスには、日本人がやるとしたらもはや彼以外の配役は考えられない阿部寛。りりしい眉毛と雄弁な瞳を思う存分に駆使し、ルシウスの驚きやとまどいを豊かに表現する仕草。しかも露出度の高い役柄だけに恵まれた体格をさらに鍛え上げたのだろう、ギリシャ彫刻のごとき肉体美も見せてくれる。
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その他第14代ローマ皇帝ハドリアヌスには、市村正親や、時期皇帝候補のケイオニウスには、北村一輝、皇帝の側近のアントニヌスには、宍戸開など、イタリア人キャストに交じっても違和感ゼロの“濃い顔”の面々が登場するのには感心した。
一方で、“平たい顔族”の日本人役には、上戸彩や笹野高史、竹内力、いか八郎、神戸浩など絶妙な配役がなされている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/1d/3660a7b93d6cc0b7cc9460033e25a623.jpg)
撮影では徹底的に本物にこだわったそうで、イタリアの最大の撮影所、チネチッタの巨大オープンセットで撮影。温泉シーンでは、伊豆箱根国立公園の大滝温泉、那須温泉郷の北温泉で実際の名湯でロケ。
さらに浴場について悩むたびに水中を通じてタイムスリップを繰り返し、現代日本の銭湯や、家風呂、天然温泉、真実が働くショールームなどにスリップするごとに、そのつど衝撃の体験を重ねるシーンに笑いが込み上げる。
初めにタイムスリップした銭湯では、小ぶりの湯オケに脱衣かご、催し物のポスター、富士山の壁絵(ベスビオス山)、それにフルーツ牛乳など。ショールームのジャグジーのブクブク泡の心地よさにうっとりし、TVモニターに映るクラゲやキャンドルの香りなど癒しの空間。もっとも笑ったのは、阿部ちゃんが温水洗浄便座の進化したトイレに驚きの声を上げるシーン。
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家庭風呂では、介護人のヘルパーさんと間違われ、シャワーやお風呂の蓋、爺さんが頭に被るシャンプーハットを平たい族の族長が被る帽子だと誤解する場面も大笑い。
温泉では、外の景色を眺める露天風呂に、湯を利用したバナナ園に温泉まんじゅう、それに外傷治癒や解毒などの温泉の効能にびっくり、地熱を利用したオンドル小屋にも2度びっくり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/17/7b6f558ffdd24c524331132583abe895.jpg)
クライマックスでは、マンガ家を目指して上京し、ショールームで働く真実と出会い、真実と共にローマにタイムスリップしたルシウスが、彼女から史実では次の皇帝はアントニヌスであり、もしケイオニウスが皇帝になれば、ハドリアヌスは神格化されず、歴史が変わってしまうと言われる。
ハドリアヌスを敬うルシウスは、彼が神格化されるためにはアントニヌスが、手柄を立てることが必要と判断し、戦場に赴きアントニヌスの提案として戦場に負傷兵の傷を治し鋭気を養う“湯治場”を作らせる。なにより、歴史に名を残す偉人たちを陰で支えたルシウスのような、名もなき功労者を称える創り手のメッセージに、胸が熱くなる思いを感じます。
栄華を極めた古代ローマの人々も、日本人同様に無類のお風呂好き、そんな共通点を喜びながら実感するのは、両国の風呂文化の奥深さである。私たちにとって入浴施設とは、単に汗を流すだけの場ではなく、リラクゼーションの場であり、日常の娯楽の場であり、社交場なのだと気付かされる。
もちろんルシウスの大きな瞳に映るのは、創意工夫に満ちた日本の風呂文化だけではない。“和”を重んじ努力する勤勉な日本人の姿こそが、彼の眼を開かせていくわけなのです。ルシウスが体験する究極のカルチャーギャップに大笑いしながらも、やがて爽やかな感動に包まれるのは、彼を通して日本の文化、そして日本人としての誇りを再発見できるからかもしれませんね。
それよりも温泉に行きたくなりますよね。そんな時間とお金のない方には、家風呂に温泉の素を入れてゆっくりと癒されて下さいな。
2012年劇場鑑賞作品・・・31
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あらすじ:古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、生真面目すぎる性格から時代の変化についていけず、職を失ってしまう。落ち込んだ彼は、友人に誘われて公衆浴場を訪れるが、そこで突然、現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは、漫画家志望の真実(上戸彩)たち“平たい顔族”、つまり日本人だった。日本の風呂文化に衝撃を受けたルシウスは古代ローマに戻ると、そのアイデアを利用して大きな話題を呼ぶ。タイムスリップを繰り返すルシウスは、ローマで浴場技師としての名声を得ていくのだが……。風呂を愛する2つの民族が時空を超えて出会った時、世界の歴史が大きく動き出す。(作品資料より)
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<感想>原作のマンガは読みました。この奇想天外な設定だけでも笑える面白さ、まずキャスティングの妙に唸らされる。生真面目な性格から失業の憂き目に遭う主人公のルシウスには、日本人がやるとしたらもはや彼以外の配役は考えられない阿部寛。りりしい眉毛と雄弁な瞳を思う存分に駆使し、ルシウスの驚きやとまどいを豊かに表現する仕草。しかも露出度の高い役柄だけに恵まれた体格をさらに鍛え上げたのだろう、ギリシャ彫刻のごとき肉体美も見せてくれる。
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その他第14代ローマ皇帝ハドリアヌスには、市村正親や、時期皇帝候補のケイオニウスには、北村一輝、皇帝の側近のアントニヌスには、宍戸開など、イタリア人キャストに交じっても違和感ゼロの“濃い顔”の面々が登場するのには感心した。
一方で、“平たい顔族”の日本人役には、上戸彩や笹野高史、竹内力、いか八郎、神戸浩など絶妙な配役がなされている。
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撮影では徹底的に本物にこだわったそうで、イタリアの最大の撮影所、チネチッタの巨大オープンセットで撮影。温泉シーンでは、伊豆箱根国立公園の大滝温泉、那須温泉郷の北温泉で実際の名湯でロケ。
さらに浴場について悩むたびに水中を通じてタイムスリップを繰り返し、現代日本の銭湯や、家風呂、天然温泉、真実が働くショールームなどにスリップするごとに、そのつど衝撃の体験を重ねるシーンに笑いが込み上げる。
初めにタイムスリップした銭湯では、小ぶりの湯オケに脱衣かご、催し物のポスター、富士山の壁絵(ベスビオス山)、それにフルーツ牛乳など。ショールームのジャグジーのブクブク泡の心地よさにうっとりし、TVモニターに映るクラゲやキャンドルの香りなど癒しの空間。もっとも笑ったのは、阿部ちゃんが温水洗浄便座の進化したトイレに驚きの声を上げるシーン。
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家庭風呂では、介護人のヘルパーさんと間違われ、シャワーやお風呂の蓋、爺さんが頭に被るシャンプーハットを平たい族の族長が被る帽子だと誤解する場面も大笑い。
温泉では、外の景色を眺める露天風呂に、湯を利用したバナナ園に温泉まんじゅう、それに外傷治癒や解毒などの温泉の効能にびっくり、地熱を利用したオンドル小屋にも2度びっくり。
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クライマックスでは、マンガ家を目指して上京し、ショールームで働く真実と出会い、真実と共にローマにタイムスリップしたルシウスが、彼女から史実では次の皇帝はアントニヌスであり、もしケイオニウスが皇帝になれば、ハドリアヌスは神格化されず、歴史が変わってしまうと言われる。
ハドリアヌスを敬うルシウスは、彼が神格化されるためにはアントニヌスが、手柄を立てることが必要と判断し、戦場に赴きアントニヌスの提案として戦場に負傷兵の傷を治し鋭気を養う“湯治場”を作らせる。なにより、歴史に名を残す偉人たちを陰で支えたルシウスのような、名もなき功労者を称える創り手のメッセージに、胸が熱くなる思いを感じます。
栄華を極めた古代ローマの人々も、日本人同様に無類のお風呂好き、そんな共通点を喜びながら実感するのは、両国の風呂文化の奥深さである。私たちにとって入浴施設とは、単に汗を流すだけの場ではなく、リラクゼーションの場であり、日常の娯楽の場であり、社交場なのだと気付かされる。
もちろんルシウスの大きな瞳に映るのは、創意工夫に満ちた日本の風呂文化だけではない。“和”を重んじ努力する勤勉な日本人の姿こそが、彼の眼を開かせていくわけなのです。ルシウスが体験する究極のカルチャーギャップに大笑いしながらも、やがて爽やかな感動に包まれるのは、彼を通して日本の文化、そして日本人としての誇りを再発見できるからかもしれませんね。
それよりも温泉に行きたくなりますよね。そんな時間とお金のない方には、家風呂に温泉の素を入れてゆっくりと癒されて下さいな。
2012年劇場鑑賞作品・・・31
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劇場でも方々でくすくす笑いが上がっていたので、劇場全体で笑える映画は久しぶりです。
上戸彩さんがとても可愛かったですが、ローマ人を演じた皆さんは全く違和感のない濃い方達ばかりでしたね。
日本の温泉や銭湯、お風呂文化を改めて見直しましたが、それを古代ローマで再現してるのが凄かったです。
この映画のいいところは、古代ローマ人が日本の温泉や銭湯へタイムスリップしてくるところ。
マンガも買って読んでるので、映画の阿部ちゃんとか他の俳優さんたちも役にハマって上手い。
とにかく、笑えるし、昔入った銭湯のシーンを懐かしみつつ、フルーツ牛乳なんて現在は売ってないでしょう。
続編作らないのかしらね。