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パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

戦火の馬 ★★★★★

2012年03月06日 | アクション映画ーサ行
マイケル・モーパーゴによるイギリスの同名小説を、「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」のスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。第一次世界大戦を舞台に、1頭の美しい馬と人間たちの出会いと別れを描く感動の戦争ドラマ。出演は、新星ジェレミー・アーヴァイン、「脳内ニューヨーク」のエミリー・ワトソン。

あらすじ:第一次世界大戦前夜のイギリスの農村で、1頭の美しい馬が貧しい農家にひきとられる。この家の少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結ぶ。
しかし戦争が始まると、ジョーイは英国軍の軍馬として売られ、フランスの戦地に送られる。アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かう。
ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々のなか、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟、両親を失ったフランスの少女らと巡り合う。過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返しなら、やがてジョーイは彼らの希望となり、“奇跡の馬”と呼ばれる。(作品資料より)

<感想>この作品が斬新なのは、主人公ジョーイの馬目線でストーリーが進む点である。サラブレッドの血筋を持つジョーイが、イギリスの田園風景の中をのんびりとかっ歩し、銃弾飛び交う戦場を走り抜ける姿は、スピルバーグの映画ならではの美しさ。クラシカルな匂いが漂い、オールド・ハリウッド・ムービーを彷彿とさせる。
この映画では大地と自然をキャラクターの一つとして描かれ、貧しい農民にとって大地が意味するのは生活であり命だし、戦地では兵士たちが血を流す戦いの場であり、そこにはどちらの勢力にも属さない土地も存在する。
イギリス、フランスそれぞれの田園風景をバックに馬達が駆け抜けるシーン。美しすぎる夕日や、星の光りも効果的に使われ、典型的な雲も登場し、それはまるでデジタル加工したかのよう。

本作にとって戦争は物語の背景に過ぎないというが、「プライベート・ライアン」という第二次大戦映画を作っているスピルバーグ監督。
本作で戦争は、物語を語る上での背景に過ぎないと言うが、戦争アクションと極上のヒューマンドラマ。スピルバーグが得意としてきた、2つの要素がミックスされ、究極の映画が生まれた。

馬と少年のラブストーリーであると監督は言っているが、確かに少年が一頭の馬と絆を育むエピソードに始まり、戦争が本格化するにつれ馬も少年も戦いに巻き込まれて、激動の運命をたどることになる。
そして馬がサバイバルすることによって、敵対するイギリス人やドイツ人、フランス人の心を繋げて行く。戦地でのさまざまな人との出会いが、馬の視点で描かれ、馬同士の友情までドラマチックに展開するシーンも感涙にむせび泣き、驚くのはほぼCGナシという馬のアクションと演技で、激しい戦闘はもちろん、悲しげな馬の瞳の表情まで“本物の馬”が訴えるパワーに圧倒されまくります。

そう“奇跡の物語”になっているのですね。その奇跡を表現するシーンが、鉄条網のシーンだと思います。
イギリス軍とドイツ軍が向かい合って塹壕戦を繰り広げる中、その中間地点を走り抜けようとして鉄条網に絡め取られてしまったジョーイを、両国の兵士たちが力を合わせて助けようとする場面には、最もインパクトを受け感動させられます。
この鉄条網シーンこそジョーイが起こした奇跡だし、このエピソードがあったからこそです。毒ガスで目が見えなくなってしまった少年アルバートが、フクロウの鳴き声をすると、銃殺される寸前のジョーイが嬉しそうにアルバートとの再会を果たすシーンには、誰でも涙腺が緩んでしまうと思いますね。

壮大なスケールの映像美と音楽も荘厳であって、映画の王道を感じさせる本作。馬と少年、それぞれが迎える結末には、誰もが心揺さぶられる物語になっている。
2012年劇場公開鑑賞作品・・・6 a href="http://blog.with2.net/link.php?1426107:1122" title="映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ">映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ 


2 コメント

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こんばんは。 (オリーブリー)
2012-03-10 00:36:05
パピのママさん、ブログのお引越しは落ち着かれましたか?
ブックマーク、更新させて頂きますね。

予告の段階から、これは泣かずにいられようかな予感でしたが、やっぱり、思うツボで(笑)ウルウルでした。
動物はずるい~(苦笑)
どこか古き良き時代な映画の雰囲気に好感もてました。
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オリーブリーさんへ (パピのママ)
2012-03-16 23:15:52
今晩は、まだlivedoorと並行して記事をアップしていて、それにあちらにもTB・コメントが来ているので、それでなくてもお返しが遅いのに。
早くこちら1本にしなければと思っております。
そうですね、動物が主人公だとどうしても泣きどころが必ずありますもの。
最後に生きてご主人さまと出会えたシーンは、感無量でしたね。
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