今回は歯垢・歯石が出来る仕組みをお伝え致します。
『そもそも、野生動物に虫歯や歯周病は存在しているのでしょうか?』
自然界の動物達には歯周病や虫歯は存在しないといわれています。
私たち人と暮らすことで、スキンシップにより歯周病菌が動物達の口に移り、また、人と暮らすことで食べやすい柔らかい食事が中心となっていますので
歯に汚れも付きやすいくなり、噛む回数も少なくなり、となると唾液の分泌も減り、口中が酸性に傾き、歯周病菌や虫歯菌が活発になり、細菌には絶好の環境
となり歯周病になっていくようです。
❝歯垢が出来る仕組みです❞
①歯磨き後20分で歯の表面にペリクルという薄い膜が出来ます。
ペリクル
②このペリクルに唾液中の細菌が付着します。
細菌
③ペリクル内で細菌が繁殖し、細菌の作るグルカンで覆われます。【初期段階の歯垢】
グルカン
④歯垢が細菌を放出しだし、放出された菌が新しい歯垢を作ります。
⑤グルカンの強い膜で守られ、細菌が毒素を出します。
❝歯垢が歯石へ変わる仕組みです❞
①唾液中のカルシュウムやリン酸が歯垢にの中に入ります。
②カルシュウムやリン酸が結晶化して軽石のようになります。
③徐々に硬くなり歯の表面に固着して簡単に取れなくなります。【歯石の形成】
❝歯石があると歯垢が付きやすくなり
それが歯石に変わり・・・と悪循環となってしまいます。
人に比べて犬や猫の口は弱アルカリ性です(人は弱酸性~中性)
その為、リン酸がくっつきやすく、歯石が出来やすいのです。
歯石が出来るスピードにも違いがあり、人は約25日、猫は約1週間
犬は何と!!人の約5倍の3~5日というから驚きです。
1回の歯磨きで全ての歯を磨けなくても、「今日は右上の歯」とか
「今日は左の内側」など、毎日少しずつ磨いていけたらいいですね。❞
※次回は当院で行った除去の様子をお伝え致します。