こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
ペットビジネスの裏側を取材し、その闇を暴いたジャーナリストがいます。
朝日新聞の記者・太田 匡彦(おおた まさひこ)さんです。
太田記者は現在まで、足かけ17年に渡ってペットビジネスの実態を取材し続けてきた人物です。
そして、【朝日新聞】【AERA】【週刊朝日】などの様々な媒体に記事を発表し、記事の内容をまとめた単行本・文庫本も何冊か出版されています。
大量の動物を虐待・遺棄した等の理由で、悪徳ブリーダーが逮捕されるというニュースがしばしば報じられます。
例を挙げれば次のようなものです。
繁殖引退犬を生きたままビニール袋に入れて密閉し、窒息死させた極悪ブリーダー。
麻酔をかけずに犬の帝王切開をした、悪魔のようなブリーダー。
ブリーディング施設で死んだ犬を山中に大量に遺棄したブリーダー。
上記の例はニュースで大々的に報じられた事件ですが、太田記者はペットビジネスの取材で、次のような悲惨な現場も目撃しています。
悪徳ブリーダーのもとで毛玉と糞尿にまみれ、脚腰が立たなくなった繁殖犬たち。
【ペット引取屋】の薄暗い、ホコリだらけのプレハブ小屋のなかで、狭いケージのなかにうずくまる猫。
太田記者は子どもの頃から動物好きで、愛犬家でもあります。
長年に渡ってペットビジネスの闇に切り込み続けているのは、悲惨な境遇に置かれている犬や猫たちを何としても救わねば、との思いからです。
太田記者は、ペットビジネスの現状を打破するカギを握っているのは、動物愛護や動物福祉の問題に無関心だった一般の飼主たちではないか、と考えているとのことです。
犬猫をはじめとしたペットの「かわいさ」だけを一方的に消費するその姿勢が、ペットビジネスに闇が存在し続けることを助長している。一般の飼主たちが変われば、闇を過去のものにできるのではないか、と。
太田記者が指摘するとおり、現状では未だ大多数の人が、ペットビジネスの裏側に何があるのかを考えずにペットショップに足を運んでいます。
そして、ペットショップでペットを買っています。
そのような一般の飼主の方たちに、太田記者の本を読んでいただきたいものだと切に思います。世の人々がペットビジネスの実態を知れば、その闇を一掃することに繋がるはずです。
以下で、太田記者の文庫本を紹介させていただこうと思います。
『猫を救うのは誰か ペットビジネスの「奴隷」たち』 (朝日文庫) 2024年9月6日刊行
『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』 (朝日文庫) 2013年7月30日刊行