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司法書士が書くペット信託ブログ

ティファニー裁判について

こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

 

テレビなどでもしばしば報道されていますので、トイプードルのティファニーちゃんの事件をご存知の方も多いと思います。

2020年5月20日、トリミング中にティファニーちゃんがハサミで喉を貫通させられ、食道にまで届く傷を負わされた末に、死亡した事件です。

 

当初、ペットサロンの店主は、ティファニーちゃんがケガを負った経緯について一切説明をせず、言葉を左右して逃げていたようです。

 

ところが、後になって、「はさみを上向きにして顔の部分をカットしていたところ、ティファニーが急に伏せの体勢を取ったために首が傷ついた」と説明しました。

しかし、ティファニーちゃんを治療した獣医師は、ティファニーちゃんが急に伏せの体勢を取った程度では食道が傷つくまでのケガにはならない、と診断しています。

 

さらに、ティファニーちゃんの入院中もペットサロン店主が一度も見舞いに来ないなど、あまりにも不誠実な対応が続いたことから、飼い主は、「店主がハサミでわざと傷つけた可能性がある」として、350万円あまりの損害賠償を求めて大阪地裁に訴えを起こしています。

 

日本の法律では、犬などの動物は「物」として扱われるため、損害賠償額としては数十万円程度しか認められないのが通常です。

ティファニーちゃんの飼主は、そのことは重々分かったうえで、同じような悲劇を二度と繰り返さないため、あえて350万円あまりの賠償を求めて提訴したようです。

 

ティファニー裁判は今も続いていて、令和5年5月2日に証人尋問が行われる予定です。

 

ティファニーちゃんを治療した獣医師の診断によるならば、ペットサロンの店主が故意にティファニーちゃんの喉をハサミで傷つけた可能性が高いと思われます。

仮に故意ではなかったとしても、ペットサロン側に過失があることは明白ですので、飼主側の勝訴で終わることは間違いないはずです。

問題は、裁判で認められる賠償額ですが、ペットサロンのあまりにも不誠実な対応を考えるならば、満額に近い慰謝料が認められてほしい事案です。

 

ちなみに、飼主側の代理人弁護士になっているのが細川敦史という先生で、「どうぶつ弁護団」の理事長を務めている人物です。弁護士になった当初から、動物問題について深く関わって来られた心ある先生です。

 

なお、「ペットサロンが故意にペットを傷つけることがあるのか?」と疑問に感じる方もいると思います。

しかし、ペットサロンにペットを預けている際に、ペットサロン担当者によってペットが虐待されたりする事案は決して珍しくないようです。

 

老人介護施設においても介護職員による虐待がしばしば報道されますが、ペットサロンでも同様の事態が生じ得るということです。

認知症にかかった高齢者と同じく、ペットはモノが言えませんから、ペットサロンという密室で虐待が起こり得るということです。

 

大切なペットを守るためには、信頼できるペットサロンに預けることが必要です。

一例ですが、全面ガラス張りで、トリミングの様子が外から見えるペットサロンがありますが、そのようなサロンは密室化を防ぐことができますので、安心できるといえるでしょう。

 

 

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