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「燕子花図屏風」その2 絵が放つオーラ

光琳の「燕子花図屏風」の魅力は一体何処にあるのでしょうか。この屏風図を最初に見た時はその大きさと、華麗さに圧倒されてしまうのですが、改めて見直すと幾つかの興味ある事柄が浮かんできます。今回は美術評論的な見方ではなく、スピリチャルな見地からこの絵の魅力を考えてみたいと思います。


■絵が放つオーラ

何故多くの人々が「燕子花図屏風」の魅力の虜になっているのか。当然ながら元禄の天才絵師、尾形光琳の芸術的技量によることには間違いないのですが、光琳の多数の作品の中でもこの作品は一段と違ったオーラを放っているように感じられます。つまり絵から発せられる波動がとても高いのです。

絵は金箔(金泥?)地に緑青(緑)群青(青)と三色のみで表現されています。花の部分は群青、葉の部分は緑青で描かれていますが、それぞれ色の濃い部分と薄い(白い)部分とで描き分けられています。日本画というとのっぺりとした平面的な筆遣いを想像しますが、葉の重なりは当時最も高価な絵具を惜しみも無く使用して、油絵のように立体的に厚く塗り重ねられています。おそらく光琳が得意とした、平蒔絵の技法にヒントを得ているのでしょう。


■岩絵の具

日本画に使われる絵の具は岩絵の具といい、天然の鉱物を砕いてさらに細かく挽いたものです。現在は岩絵の具も安価な化学合成顔料が開発されていますが、もちろん光琳の頃は天然の物を使用しています。同色の濃淡を出すには、絵の具をさらに微細に挽いて粒子を小さくすると屈折率の関係から白っぽく見えます。これを「白」(びゃく)と言います。燕子花の絵は、このような数種類の濃淡の絵の具を巧みに使い分けることによって描かれています。

岩絵の具の緑青(ろくしょう)は緑色のマラカイト。和名は孔雀石(くじゃくいし)という石が原料です。奈良にかかる枕詞「青丹(あおに)よし」の青丹は、この岩絵具の緑青の古い名前です。

一方、群青(ぐんじょう)はアズライトという石が原料です。日本では藍銅鉱(らんどうこう)と言います。粒の粗いものが紺青(こんじょう)、細かいものが群青、さらに細かくしたものが白群(びゃくぐん)と呼ばれます。

※日本のこころ「岩絵の具」
※岩絵の具は様々な工程を経て手間隙かけて作られます。職人さんの思いと魂が込められているようです。

■二つの貴石

この二つの石は力を秘めた宝石として古代人に珍重されてきた貴石であり、今ブームになっているパワーストーンでよく知られている石なのです。

★マラカイト
古代エジプトでは、マラカイトを粉末にしたものが顔料やアイシャドーとして使われ、裕福な人々はこぞって目元につけました。あのクレオパトラも使ったといいます。それは美しさを増すという点はもちろんですが、マラカイトの主成分が銅であるため、目元に塗ると小虫を避けられるという実用的な部分もありました。

ヒーリング効果に関しては、「視力を助け、眼病を予防する」という点で諸説が一致しています。外部からやってくるいかなる否定的波動をも振り払うという説もあります。実際、中世のドイツやイタリアでは、邪悪な思念を避ける魔除けとして使われました。持ち主に危険が迫ると、自ら割れてそれを知らせると言われています。

★アズライト
アズライトの語源は、ペルシャ語で「青い石」。実際には青~紫がかったものまでありますが、その清浄で美しい色合いからか、ヒーリング力が強く、特に細胞のストレスを取るといわれます。アズライトは人の潜在意識に働きかけ、眠っている知恵や能力を揺り動かすといわれます。そのためか、古代から予言の石として扱われてきました。この石を枕の下に置いて眠ると予知夢を見る事が出来るとか。著名な予言者エドガー・ケイシーはこの石を「喋る石」と呼んだほどです。

二つの石の対応チャクラは眉間、頭頂部となっています。

※「パワーストーン ナビ」より引用


■波動の高い色使い

二種類の貴石に金(自然界で最も安定した金属)という、不滅のパワーを持った絵具。そして緑と群青、金という色はオーラ的に見ても非常に波動の高い色彩なのです。不世出の天才絵師尾形光琳の魂の波動に、これらの絵具の波動が加わって、「燕子花図屏風」は三百年の時間を経ても色褪せることなく、不滅の感動を私達に伝えているのではないでしょうか。


続く

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