つい先程起こった事を脚色もなく全て伝えてみた。
管理人さんは穏やかな表情で一言、
「先入観がないから感じたのかもしれませんね。」
確かに人間同士もそうだが構えてしまうと
ぎこちない空気が漂うのは確か。
嗚呼、妖怪も人間と同じ感覚なのか(?)。
確かに現地に着いてバスの運転士に聞かされるまで
此の場所の存在すら知らなかったし
暇つぶし程度に顔を出してみただけだしね。
彼は私は見えないのですがと前置きをして
此処で本当にあった不思議な話を教えてくれた。
覚えている限り書いてみよう。
此の学校に出る座敷わらしは女の子。
女子の童でオカッパ頭に赤い着物。
黒目がちの瞳をしているらしい。
こんな寫眞の感じみたいよ。
此れは座敷わらしの教室に貼ってあった
寫眞を撮ったという二重のアレですけど(笑)。
…あ、此れからは色々な人の此処での体験談を羅列してみる。
・…誰かいる!?
ある大学生から管理人さんが聞かれたらしい。
「すみません、トイレ行きましたか?」
管理人室(?)から一歩も出てないので
不思議に思い否定すると相手も頭に『?』。
彼と管理人さん以外に誰か居ると主張。
もともと霊感が強いから妖気を受信した模様。
・教室の女の子
…居る!?居るのだ。
教室から校庭を見ている女の子。
一緒に行った友人でも何でもない。
あの『座敷わらしの教室』から此方を覗いている。
オカッパ頭で着物を来た黒瞳がちの女の子。
遊んでいる人達を羨ましそうな表情で見つめている。
だがしかし、気づかれたからか
其の子は長い廊下を走って消えた。
・校庭の女の子
ある人が教室からふと校庭に目をやる。
目をやった先には女の子。
見知らぬ着物を来た女の子が楽しそうに駆け回ってる。
ほのぼのとしていて微笑ましい光景。
しかし連れの子でも近所の子供でもないみたい。
不思議に思い、再度目をやると風と一緒に姿を消していた。
・ある女性画家と座敷わらし
詳しい座敷わらしとのやり取りは失念したが(駄目じゃん)
此処に訪れた女性画家さんがフランスで受賞。
お礼を込めて座敷わらしをテーマにした絵を奉納(?)。
其の後、其の絵も受賞。
・新聞記者と座敷わらし
とある記者が民間信仰の類を調査していて此処の事を知り、
泊まらせてくれと訪ねて来たらしい。
そして決行、当日に母親も連れて来て。
…結果、遭遇。母親も見たらしく一言。
「死ぬまでに見られて良かった。」とご満悦。
此の体験も含めて本を執筆。
そして国内では有名な賞を受賞する。
…と、簡単にまとめてみたがいかがでしょう?
面白い話も聞けて大満足。
ただ音だけだったのはちょっと切ないなぁ。
大人には見えないと云う仮説もあるので。
帰り際に座敷わらしのストラップ購入。
遠野駅前の観光所でも買えるんだが
此処に来たのも何かのご縁と。
学校を出て直ぐに管理人は自動車で帰って行く。
なんか一人の為に申し訳なかったなぁ(汗)。
しばしボ~っと校舎を見つめる。
こうしていたら何処からか此方を覗いている気がするんだな。
どれだけ未練がましいんだ、自分(笑)。
此処に来てみて分かった事はただひとつ。
早池峰神社の座敷わらしは好奇心旺盛なお転婆さん。
近所の民宿わらべにも顔を出し隣の学校にも顔を出し
もちろん神社でも飛び回ってる。なかなか元気な子ですな。
遊んでやりたかったなー。 (・ε・)ムー
また来よう。今度は玩具でも持ってきて遊ぼう。
紙風船でもポンポンやってたら近付いてくるかな?
想像するだけで楽しそうなんだが。
さてさて早池峰神社も回ったし学校で暇つぶしもした。
しかし帰りのバスが来るまでまだ三時間弱はある…。
どうしようか悩む。かなり悩む。
悩んだところで周りに何もない。
渓流釣りをしている方々がいるが
其れを見学してるだけで三時間は長過ぎる。
向こうも気持ち悪がるのは確実である(笑)。
今の装備アイテムはコレのみ、キックボード。
そう、今回の旅の細かい移動手段として東京から持参。
取り敢えず此処まで持って来たが山道で通用するのか!?
ただ先程のバス運転士の話だと
自転車で下った人間を見た事がないとも。
帰りのバスに乗ろうが自力で帰ろうが
市街地に戻る時間帯は変わらず。
(イメージ図)
ただ…熊が出る。
(イメージ図)
冬眠前で飢えている熊が出る。
(イメージ図)
子離れ時期なのでピリピリした熊が出る。
バスの運転士のネガキャンで万が一のほうしか思い浮かばない。
タイミング悪く此の旅の前にたまたまウィキペディアで
『三毛別羆事件』を調べていたので熊の恐ろしさを学んでいる。
もし遭遇したらどうしよう!?
お嬢さんではないから熊にお逃げなさいなんか言われないよな。
寺門ジモンや武井壮みたいに熊を倒すシュミレーションもした事ない。
此の橋を越えて向こうに行けば其処は既に峠道。
此の道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ。
行きはよいよい帰りは怖い。
…行くしかねぇ!! ( ー`дー´)キリッ
無理はしてないが無茶はするぜ。
自転車でも下らない峠道をキックボードで疾走。
何の番組の企画だ、コレ?馬鹿丸出し。
もうヤケだ、勢いだ、レッツらゴー!!
-恐怖を感じながら移動中-
…なんとか峠道を抜けきり人里が見えてきた。
やっと安堵のため息をつく自分。
ふー。やれやれだぜ。 ヽ(;▽;)ノ
何度も襲い来る急なカーブに舗装が荒れている道。
いつ熊が出てもおかしくない鬱蒼とした樹々。
下り坂ならまだしも上り坂はガムシャラに漕ぐ。
だって遭遇したくないもの、熊さんにさ。
あと人間の存在を知っていれば
向こうから出てこないと言われたので…
訳の分からぬ奇声を発しながら峠道を疾走。
我に返り思った事は熊だけではなく人も寄って来ないなと。
只のキ○ガイというか物の怪の類いじゃん、これじゃ自分が(汗)。
普通にこんな人間に遭遇したら怖いわ。
しかし熊避けのアイテムがまるっきりないから仕方がないもの。
音を鳴らせるアイテムはiPODだけどイヤホンだもの。
もっと危険に身を晒す事しか出来ないもの。
~続く~
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