四畳半ゲーム日記

ニコニコ生放送で配信したゲームを中心に感想を綴ります。

プレイ記録VOL.40「BEYOND: Two Souls」

2021-04-03 11:23:51 | ゲームプレイ記録

《作品情報》
『HEAVY RAIN 心の軋むとき

ジャンル:アドベンチャーゲーム
日本版発売日:2013年10月17日(PS3版)/2016年6月1日(PS4版)
開発元:クアンティック・ドリーム/発売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
対応機種:PS3/PS4/Microsoft Windows

 

《あらすじ》
主人公のジョディは、霊体と意思疎通できる能力を持ってこの世に生まれてきた。
そしてジョディのそばには、彼女だけがコンタクトできる霊体・エイデンがいた。
幼いころから研究所で育てられたジョディは、やがてその能力を買われてCIAのエージェントとして訓練を受けるが、任務中に脱走してアメリカ各地を放浪する。
そして、インフラワールド(霊体の世界、いわゆる「あの世」)のエネルギーを科学的に取り出して利用しようとする大国の暴走によって発生する世界の破滅を防ぐための戦いに挑むこととなる。
(Wikipedia『BEYOND: Two Souls』より引用)

 

《放送データ》
放送期間:2021/3/9~4/2 計16枠
〇1周目:2021/3/9~16 計5枠
放送タイトル:
#1 【初見プレイ】みんな!エスパーだよ【BEYOND: Two Souls】
#2 【初見プレイ】某、幽霊見習いにつき【BEYOND: Two Souls】
#3 【初見プレイ】ジョディ―に首ったけ【BEYOND: Two Souls】
#4 【初見プレイ】わいの可愛いジョディを傷つけるやつは許さん【BEYOND: Two Souls】#5 【初見プレイ】(物語的に)世界のグレーゾーンをつついてない?平気?【BEYOND: Two Souls】
プレイ時間:9時間23分45秒

〇2周目:2021/3/19~23 計5枠
放送タイトル:
#6 【トロコン周回中】私はジョディでエイデンで【BEYOND: Two Souls】
#7 【トロコン周回中】俺の妹がこんなに可愛いわけがない【BEYOND: Two Souls】
#8 【トロコン周回中】帰れない二人【BEYOND: Two Souls】
#9 【トロコン周回中】もう誰も失いたくない【BEYOND: Two Souls】
#10 【トロコン周回中】ありがとうスマホ、ありがとうエイデン【BEYOND: Two Souls】
プレイ時間:8時間34分

〇トロコン枠:2021/3/19~4/2 計6枠
放送タイトル:
#11 【トロコン周回中】お兄ちゃんは心配性【BEYOND: Two Souls】
#12 【トロコン周回中】ジェノサイダー・ジョディ【BEYOND: Two Souls】
#13 【トロコン周回中】Komm, süsser Tod.【BEYOND: Two Souls】
#14 【トロコン周回中】エイデンの異常な愛情【BEYOND: Two Souls】
#15 【トロコン周回中】めざせBEYOND: Two Soulsマスター(最終回)【BEYOND: Two Souls】
#16 【トロコン周回中】BEYOND: Two Soulsマスターに‼‼俺はなるっ‼‼ドーン(今度こそ最終回)【BEYOND: Two Souls】


《きっかけ》
本作を開発したクアンティック・ドリームによる「Fahrenheit」「HEAVY RAIN 心の軋むとき」「Detroit: Become Human」を以前にプレイし、すっかり制作スタッフさんのファンになってしまったわたくし。
「Fahrenheit」ではPS2ながらもモーションキャプチャーを使ったリアルな動きが印象的で、「HEAVY RAIN 心の軋むとき」では更にそのリアルさが増したことに加え、ストーリーや人物の描き方がより緻密になっていることから、着実に成長できるメーカーなのだという事を確信いたしました。
本作はその前作2作と「Detroit: Become Human」の間に作られているので、どうやってそこから「Detroit: Become Human」が作られるに至ったかのプロセスを垣間見られるのではという期待からプレイすることにいたしました。

 

《やりこみ》
・エピローグ:全5種+α確認済(エンディングフラグとしては全7種類)
・ボーナス:全23種コンプリート
・トロフィー:プラチナトロフィー「BEYOND: Two Soulsマスター」獲得
・各チャプターの選択肢:全解放

 

《プレイしての感想》

〇過去にプレイした3作「Fahrenheit」「HEAVY RAIN 心の軋むとき」「Detroit: Become Human」との比較
・操作する人物がジョディ1人(時々エイデン)
・なので途中で重要キャラクターが減ったりしない
・(通常プレイの場合)時系列がバラバラに進行していき、クライマックスへと繋がっていく

方向性は既プレイ3作品と大きくは変わっていないものの、ジョディの行動を色んな時間軸から追体験していく物語だったので、あの時の経験がここに繋がったとか、ジョディがなぜ追われているか、エイデンやジョディを取り巻く人物との関係性、黒幕などが徐々にわかってくる感じが興味深かった。
これまでプレイしてきた3作の特徴である群像劇は、「キャラクターが途中でいなくなる」可能性があるため、いなくなったキャラクターがいた場合にそのキャラクター視点の情報が減ってしまう分、ストーリーの理解が及ばないところが出てきてしまった一方で、今作は主人公が単身なので、ストーリーの抜け漏れっていうのは話しかけたりアクションするタイミングさえ外さなければほとんどなかったように思う。
1周で十分ストーリーの根幹が理解できるのはよかった。


〇本作品の中心に据えられたエイデンという存在
霊体・エイデンをジョディーと交互に動かすことでゲームが進む。
姿は見えないがジョディーと共に生まれ、共に過ごし、小さい時はジョディーにちょっかいを出すことが多かったものの、成長するにつれてジョディーを助ける良きパートナーになる様子も描かれており、ジョディーがいけない所やジョディーの力ではどうにもならないことはエイデンの出番、という風に、ちょっとした謎解きやパズル的な操作でジョディーをサポートするシステムは、なかなか楽しい。

幼少時にいたずらの限りを尽くしたり、少女時代にジョディーを虐めた子達に報復をしたり、プレイヤーがゲームの世界に干渉できる感じに近くて、やっちゃいけないことをやっている感じがよかった。

しかしこのエイデン、ジョディーの鶴の一声「エイデン、お願い」でなんでもやってくれちゃうの凄くない?
エイデンができることってざっと挙げると

・壁すり抜け
・ジョディーとの視覚聴覚共有
・物質への干渉(物を動かしたり、壊したり)
・窒息させ死に至らしめる
・治癒
・霊体をジョディーに宿す/霊体や物体に残った念からの過去視
・ジョディーの周りにバリアを張る(炎も銃弾もへっちゃら)

…色んな能力持ちすぎで、有能過ぎない?人間1つでも特技があれば満点って言えちゃう位なのに、エイデンなんでも屋さんじゃん。
ドラえもん並みにお願いきいてくれるし(プレイヤーが動かしてるから当たり前だけど)、どんな事件も解決しちゃうのうらやましい。但しほとんどが暴力によってだけども。

そんな有能エイデンはちょっとジョディーに対して心配性で過干渉な面も見せるんだけれども、実際はジョディー出生時に死産してしまった双子のお兄ちゃんであることがクライマックスで明かされるわけで、そりゃリアル箱入り娘でちょっと危なっかしいジョディーのことが心配になる気持ちもわかるわ、と納得。

エイデンの出自を考えると、この作品の面白さを増幅させるポイントは、
①主人公であるジョディー
②常にジョディーと共に存在しているエイデン
どちらに共感するかでストーリーの印象が変わるところだと思う。

私はなぜかやたらとエイデンに共感してしまって、思春期にパンク姿で夜の街に繰り出したいジョディーをかなり心配したし、ライアンを初めて家に招いたときも絶対ジョディーの力を自分の都合よく利用したいだけで騙されてるって!ってガチ説教しちゃったもん。

他の実況者さんの動画を見ると結構ジョディーに共感してる人もいて、対応が分かれて面白かった。
そういう意味では、エイデンも主人公なのだなぁ。単なるお役立ちツールなんかじゃないよ。

〇ジョディーを愛した男性たちについて
前半と後半でキャラクターの印象がガラッと変わった人物が多かったなーって思う。
特に、ジョディーを幼少時に養父母から引き取り、大きくなるまで育てたネイサンと、CIA所属後に直属の上司としてだけでなく、ルートによっては恋人としてジョディーの中で大きな存在になるライアンの2人。

・ネイサン 好⇒嫌
初対面の時からずっとジョディーの存在を単なる被験者としてではなく、個人を尊重して共に研究を進めてきた
しかし、最愛の妻と娘を不慮の事故で同時に失ったことで茫然自失に陥ってしまう。
そのネイサンの悲しみを少しでも和らげたいという純粋なジョディーの思いからの行動が、ネイサンがインフラワールドの研究に囚われる結果に繋がってしまったのが少し切なかった。
最後に命を落とした後にネイサンがブラックサンを停止させることをジョディーに託すけども、自分は失った妻と娘と合流することができたからもう満たされてて、なんだかすっきりした顔でジョディーに諭すのがすごく身勝手にしか見えなくて、見せ場なんだろうけど個人的に大っ嫌いなシーンだった。
これだから大人って!

・ライアン 嫌⇒好
強制的にジョディーをCIAへ入隊させ、ジョディーの持つ力を利用して任務を遂行するだけしか考えてない男だと思っていたライアンが、純粋にジョディー個人に惹かれていることに気付いたときは、「疑って正直すまんかった…」って気持ちになった。

でも、いつジョディーのこと好きになったんだろう~ファーストコンタクトとかやたらと軍人然としてて偉そうな男って感じだったんだけどな~?って思ったんだけど、2周目時系列で遊んだ時に気付いたのだけど、「CIAへようこそ」でトレーニングを頑張るジョディーを度々ストーk…観察に来てて、エイデンと呼応して不思議な力を扱う姿よりも、素手で上官に太刀打ちできている姿に対して一目置いたような感じの描写があったのね。

周りの人間はエイデンを使役して任務を遂行するジョディーを重宝している中で、ライアンだけがエイデンの能力に頼りっ切りにならず、CIAの一員として自身の鍛錬に励むジョディーの努力を認めてたっていう部分がちゃんとあったんだね、1周目は全く気付かなかったよ、鈍感力検定1級だよ。

そしてなにより1周目で散々塩対応で寄せ付けないようにしていたにも関わらず、死を選択したジョディーをずっと思って部屋の片隅で泣き暮らしているライアンに不覚にも萌えてしまったのですよ。
これはね、CVが悪い。三木眞一郎がずるい。あのいい声で「愛してるんだ」なんて言われたら、ジョディー命な兄も許さざるを得ない!

・スタン 好⇒好
チャプター自体が和みパート(反グレ少年たちは胸糞だけど)なので、ホームレス達はみんなほんわかで大好きだけど、特にスタンは行き倒れのジョディーを救ってくれたし、亡くなった奥さんのことを思い続ける一途な人だし、後々ちゃんと社会復帰してホームレスのメンバー皆と一緒に平穏に暮らしているのがよい。この作品の救い。

・ジェイ 並⇒並
一応ジョディーの相手役候補として用意されてるけども、ライアンの代わりを埋めるだけの何かにしか感じないな~って。
ご先祖の霊が守護するナバホでの生活や文化はジョディーにはもしかしたら合ってるのかもしれないけど、このルートのエンディングを見てもなんだか言いようのない違和感がぬぐえないな~って感じてしまった。
複数ある中のエンドとしては興味深かったけど。

〇エンディングの考察
エンディングは最後生を選ぶか死を選ぶか、主要キャラが生存しているか死亡しているかでいくつかの種類に分かれるんだけれども、趣旨としては結局ブラックサンを停止したところでCIAはインフラワールドへのコンタクトを続けるし、それによって近い未来に今回よりもひどい現象が起こるっていうところに繋がるようで、ジョディーが生存した場合、崩壊した街を見下ろすジョディーは短髪で武装をしており、更に傍らには10代位の女の子が。
この子は「ホームレス」で無事生誕を果たしたチューズデイの娘・ゾーイであることが、ホームレスエンドで語られるのです。
その流れで考えると、エンディングに関しては一見トゥルーエンドに見えるライアンエンドや、同じく自分を愛してくれる男性と添い遂げるという意味ではハッピーエンドなナバホ嫁ぎーのエンドよりも、スタン達ホームレスが社会復帰を遂げて、チューズデイの娘・ゾーイをみんなで育てている生活に合流するエンドが一番しっくりくるなぁと感じました。

単身エンドも好きなんだけど。実はライアン生存するしないとかそういう条件で、エイデンが「Still Here」とメッセージを残すアイテムが変わる(テレビか姿見)という事に気づいたんだけど、それに気づいたのがエンディングフラグ回収が足りず、焦って放送外でエンディング回収してた時なので、もしかしたら勘違いかも~?

 

〇まとめ

①「Fahrenheit」⇒「HEAVY RAIN 心の軋むとき」ではグラフィック・表現力とゲームシステムが段違いに向上
②「HEAVY RAIN 心の軋むとき」⇒本作では、キャラクターの心情の描き方とシナリオの緻密さが向上
③本作⇒「Detroit: Become Human」分岐の緻密さ多さに対して、ほぼ矛盾のないシナリオの構築力が向上

⇒新作を出す毎に着実に大きく進化していくクアンティック・ドリームから今後も目が離せない!
次回作の発売を楽しみに待ちたいと思います。



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