《作品情報》
『エンドネシア』
発売日:2001年5月31日
開発元:バンプール/発売元:エニックス
ジャンル:RPG
対応機種:PS2
《あらすじ》
夕暮れの公園でベンチに腰掛け一人リコーダーを吹き鳴らすランドセル姿の少年(=プレイヤーキャラ)。すると突如周りの風景が見たこともない南国風の島に変わってしまった!
ここは南海の孤島、エンドネシア。少年は「大神様」と名乗る謎の声に導かれるまま、この島にある50の御神体を破壊して、神様を解放することに。少年だけが使える「エモ」を駆使したり、時には同じように島に漂流した「渡来人」のお困りごとを解決したりと島中を駆け巡る。
果たして少年は元の世界に戻ることができるのだろうか、それとも…?
《放送データ》
全1周 放送期間:2020/4/17~5/18 計19枠
プレイ時間:大体36時間20分※ゲームオーバーになった際の時間も含める
放送タイトル:【初見】世界なんて気分次第でどーにでもなる!? 【エンドネシア】
《きっかけ》
コミュ内では「Rule of Rose」「moon」「UFO -A day in the life」をプレイし、放送外でもラブデリメンバーで立ち上げて現在も飛ぶ鳥を落とす勢いで頑張っちゃってるオニオンゲームスの作品をちょこちょこやっていたりして、ラブデリックの作品がとにかく好きで、応援したい気持ちもあり、年1本はプレイしようかななんて漠然と決めていました。
丁度今年メインに据えていたSO2も終わったし、ACE.5の後でゆったりまったりできるソフトで遊びたいな、なんて思った時に、エンドネシアが候補に挙がりました。
本作品は「moon」「UFO -A day in the life」をリリースしたのち、「UFO -A day in the life」開発メンバーで立ち上げたバンプールという会社が開発したのですが、しっかりばっちりラブデリ系と言われる系譜の雰囲気で、2020年5月現在も続いている新型コロナウィルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言発令による自粛のせいでにっちもさっちもどこにも行けない僕らにとって、きっとこの作品は南国旅行気分を味わわせてくれそうな気がするし、世の中の憂いを忘れてどっしり腰を据えてやれそうだなと思ったので今回プレイすることにいたしました。
《やりこみ達成度》
・エンディング分岐:2種類確認
《プレイしての感想》
①キャラクターの魅力
ラブデリ系と言えばキャラクターデザインは倉島大先生。むしろ倉島大先生こそラブデリのアイコン的存在と言っても過言ではないくらいなのですが、本作でも倉島先生テイストのキャラクターがわんさか登場しました。
キャラクターや一部のオブジェクトは、「moon」から続いている粘土調のグラフィックで描かれ、日ごろからやれ3Dだ、VRだと最新のグラフィックに脳と目を刺激されている我々を丁度良い感じに癒してくれます。
〇主人公:ボクの存在
主人公は髪の毛で前髪が隠れ、ゲームの最初に原住民に服を奪われてしまって緑のパンツ一丁になってしまい、少年本来の個性が感じられない、けれどもとっても個性的なところが、「moon」の主人公スケスケ君とどことなくテイストが似ているような気がしました。
ただこれまでと違うのは、まった無口な「moon」のスケスケ君とも、チーム一丸となってやんややんやと乗客を救助していた「UFO -A day in the life」のウチュー人とも違って、少年が結構しゃべる点。
少年はいたって普通の少年で、楽しければ楽しいし、悔しい時は悔しいって口や態度に出すってところが子供らしいし、やはりそこに庇護欲を掻き立てられました。
つまるところそれが「エモ」なのね。
エモゲットの演出の中でも珠玉のシャボン玉。
〇渡来人と原住民
エンドネシアには渡来人と原住民がいて、でもほとんど交流はないようです。
渡来人同士は渡来人同士で、交流したり交流しなかったりしてるし、原住民は原住民だけで集落を作って暮らしているようです。
渡来人は少年と同様に、元にいた世界があって、気づいたらエンドネシアにやってきていたようです。国も時代も違うようで、中世の騎士から天才的な頭脳を持ったサルまで個性豊かな面々です。
ただ、渡来人たちは誰も元の世界に戻る方法を探したりだとか、元の世界に戻りたいような発言をすることもなく、毎日何かしら予定があったり、何も予定がなくてマーヒーねーなんて言いながらも思い思いの過ごし方をしているようです。
原住民は原住民なんて区別をするとはいえ、ギルルとおばさんが抱いてた赤ちゃん以外はどこからかやってきた人間らしいです。
原住民はもっぱら少年に興味があるようで、途中干渉してくる奴もいたりして。
私のお気に入りのNCPは警察官のロジャーさん。ダン君的には日がな一日何にもしないで怠惰に過ごしてる大人たちの一人ですが、男としての哲学を少年に教えてくれました。
でもバッドは1本で十分だよ…。
〇神様
50体50様の神様で、え、それ、神様としてカウントしていいの?なんて神様もいたりして。
元ネタもシュールだったりそのまんまだったり。
考察している人がいたのですごく参考になった~!考察班の方にはいつも頭が下がります。
50体そろった曼荼羅は圧巻?ですな(個性が強い)
・特に印象に残った神様
【格闘の神様 不動院ケン子】
見た目はKOFの不知火舞と、ストリートファイターのリュウ、名前はストリートファイターのケン、技も波動拳と百裂キック…と私もあんまり詳しくないけどもわかっただけでこんな色んなところから怒られそうなパk…オマージュもりもりに笑いました。神様解放のプロセスも「イタイ」駆使してショッカー?のイーさんとバトルなのが珍しい感じでした。
カプコンさんにバレたらあかんやつ。うーん、セウト。
【修理の神様 修ちゃん】
自社パロって言っていいのかしら、前作のUFOのウチュー人が登場したのは嬉しい!
御神体もよく見たらちゃんとウチュー人してたのね!どっちかというと配色で覚えていたようです。
天才バブちゃんの天才ぶりが如実に伺えたシーンでもありました。もっと早く気づいてたら回復カプセルうっはうはだったのにな~
ファンにはたまらなく嬉しいカメオ出演
【新入りの神様 サイバダッタ】
サイバダッタはまずアイテム集めとその後のエモがめんどかったんだけど、何よりも苦行を3種類終えた後の展開が怖かった…突然飛び降りるんだもん。放送でも言ったけど今敏の「パプリカ」でみんなで飛び降りるシーンを思い出しちゃった。
飛び降りた後も強めの幻覚見てる感じが怖い。脳内麻薬それ絶対出てるって!
御神体を壊す、の定義よ…
【御来光の神様 サンさん】
サンさんの10体の子供を毎日1体ずつ探すことで解放される神様でしたが、比較的平和でした。後半でもう島中を巡った後だったから、こんなところもあったねーって軽く思い出しながら楽しんでオリエンテーリングしてました。
もう8日目になると適当になるお願い。
②ストーリー
〇死生観
登場人物すぐ死ぬ。なんもしないと死ぬ人や生き物だったり、既に死んでたりなんかすることで死ぬ人がめちゃくちゃ多い。
死ぬと思ってなかった人が突然死ぬとかなりびっくりするよね、超展開過ぎる。
前述のサイバダッタとか、植物研究のお姉さんとか
EDで元の世界に戻ってから死んでた人もいたりしてうわってなっちゃった
一方で少年は睡眠欲食欲と体力ってパラメータめっちゃ多い、生にしがみついている。
そして油断するとやっぱりすぐ死ぬ(ゲームオーバーだけども)
ラブデリ系の人たちの死生観ってやっぱり不思議。死ぬときゃ死ぬけど、楽しく生きたいよねって感じが良い。
〇っぽい
御神体壊すことがいいこととは限らない⇒ワンダと巨像っぽい
島の謎を解くと島が消える⇒ゼルダの伝説夢を見る島っぽい
どっちも万事が万事五体満足で終われるわけではないよね、っていうのがめちゃくちゃ好き
〇ミニゲーム鬼畜か
太鼓の神様でコンガ叩く奴と、スピードの神様のサソリレースと、地雷避けはほんと泣くかと思った。
それでミニゲームそのものにプレイする爽快感があればいいんだけど、皆無だからね
「moon」のゲーム・ジンギスカンを思い出したよね
なんでラブデリってセンス良くてちょっとしたゲーム作るのは得意なのにゲーム内ゲームはどれもゲームの体を成してないの?
お前たちは二度とミニゲームを作るな。(声:大泉洋)
使うのは○ボタンだけ(簡単だとは言っていない)
↑しんどすぎてクリアした時に叫んでしまったわ…メトロノームの音しか聞いてなかった。
〇結末の分岐について
なんだかんだ「moon」「UFO -A day in the life」同様に分岐があるわけです。
今回は最後の御神体を壊して元の世界に戻るか、壊さずに原住民のギルルちゃんと結婚してそのまま島に残るかの2つ。
私はノーと言えない日本人なので、最初に島に残ることにいたしました。
特にそのあと大したエピソードはなく、恙なく100年経って元少年の老人が大往生を遂げておしまい!うーん、「らしい」エンド。
一方御神体を壊して元の世界に戻るエンド、おおかみさまの声は聞こえても、姿はそれまで後光に遮られてわからない状態だったのが、最後に御神体を目の当たりにすることではっと気づくことが沢山。
おおかみさまの御神体は少年の姿をしているわけです。ほんでもって、ホームシックに罹った少年は元の世界に帰っていくのですが、そのあとギルルがこちら=プレイヤーに向かって語り掛けてくるわけですよ。
これってつまり大神様=少年=プレイヤーってことかぁ~!って
MOTHERにもこんな感じの演出あったよね。こういうメタい演出大好物なんですわ。
ほんでもって、きっとこっちが真エンドなのか、エンドクレジットでは渡来人たちのその後がちょっと垣間見れました。
しかし、それ見ちゃうと、渡来人たちは元の時間の元の場所に戻れたけども、これでみんな幸せだったの?って
前述したけど戻ったことで死んじゃう人とか、苦労する人とかもいたりして。
渡来人たちは島での生活をなんだかんだ受け入れて楽しんでる感じもあったし、むしろ少年がギルルと結婚して、島に残ってギルルと仲睦まじく?100年生き続けた方が幸せだったのかも…?なんて思ってしまったのでした。
真エンド=ハッピーエンドではないってのを学ぶゲームだったね。ちょっとおとなになりました。はたちですけども。
〇全体の感想
わかってはいたものの、やはりラブデリ系作品、「うーーん」っていう瞬間が多くて、自分だけでは絶対クリアできなかったと思います。
毎度のことながら、どこか攻略に頼ってしまう瞬間があって、なかなか悔しい。もっと柔らかい頭が必要なのです…やわらか頭さんになりたい。
固い頭のぽくてにとっては皆様の提案が嬉しかった~!ワンフォーオール・オールフォーワンの気持ちで、みんなで一丸となって獲得したクリアだったよね、って言いたいです。
マルチタスクが苦手な癖に効率を重視したいから昼にあれやって夜にあれ、明日はこれで…でパンクするのを繰り返したんだけども、やっぱこれ良くないよねぇ~。ってことに気付きました。
本来ゆったり楽しむための作品なのに、せわしなくなっちゃったのは、クリアをひたすら急ぐ姿勢のせいだと思いますです。大反省。
手元のラブデリ系未プレイゲームは残すところ「チュウリップ」1本になったのですが、これはどっしり腰を据えてまったり遊びたいなと思います。
自分の悪い部分を改めて省みることができる、ラブデリ系作品にはそんな力あるかもしれませんな。
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