野次猫ゆきちゃんの日記

野次馬な猫のゆきちゃんが日記風に語る物語や
日常のよもやま話などなど^_^

第13話 後編/古墳の謎と北側、天の磐座の謎に迫る!

2023-06-25 13:53:06 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語

       【後編】

 『さあ、ゆきちゃん!ここから、この小高い裏山に入っていくのよ。
あ、コチママさんは木を伝って行くから、私が磐座までご案内しますね。
大体、小半刻(約15分くらい)かしらね。
ゆきちゃん、よろしいかしら?』
『はい、大丈夫ですよ!ポキママさんも子育てのお忙しい中、ありがとうございます😭』
感謝感謝だわ。

 『この山はね、春になると四方八方に赤紫の片栗の花が咲いてね、それは美しいのよ。
また春になったら、ご一緒しましょう!』
『はい、楽しみにしています!』
あ〜宇壷家に関わりのある方々って、皆さんお優しくて素敵な方ばかりね!
何だか、ゆき、ウルウルしてきたわ。
あーすみちゃんお婆ちゃんと暮らしてた時を思い出すわ。
『すみちゃんお婆ちゃん!ゆきは幸せに暮らしていますよ!心配しないでね!』
さあ、気持ちを切り替えてっと。

何だか視線を感じるわ〜と振り向くと狛犬さん?心の中で、こんにちわ!

 『あら、水の音がするわ。』
『ああ、この音はね、湧水の音よ。
この音が聞こえてきたらもう直ぐの合図なのよ。』
『あ、鳥居があるわ。』
 『こちらの祠はね、雷(いかづち)の神様なのよ。』
『それにね、こちらの祠の下から、水が湧いているのよ。祠が磐座の入り口なのよ。』
『ゆきちゃん、もう少しよ。こちらの祠の左側を通って行くと、ほら!見えてきたわ。』
 『わー凄いわ。磐座ってこんなに大かったのね!』
 『お待ちしてたわよ、ゆきちゃん。』
 『あら、コチママさん!お早いのね。』
 『ふふふ』

 『あ、そうそうゆきちゃん、コチママさんは、こちらの磐座の言い伝えにお詳しいのよ。』
 『そうなんですね〜。ぜひ、お聞かせください!』

『その前に、皆んなで、湧水をいただきましょう!
こちらの湧水はね、浄化の力があるのよ。
宇壷家と池にもこちらの湧水が引かれているのよ。』
 だからなのね〜宇壷家の方々と宇壷庭の方々は、皆さん澄んだ気の良い方々ばかりなのね。
納得!

 『こちらの磐座はね、太古の昔からこの小山に鎮座されていてね、ある大雨の日に、それはそれは大きな響きの雷が轟いて、雷の神様が磐座と共にこの小山に降りられたそうなのよ。それにね、雷の神様は水神様のお筋の神様なんだそうよ。
なんでも、高貴な神様がご降臨される前に、雷の神様がまずこの地に降りられて、磐座を祀られたんですって。その高貴な神様は、天照大御神様でらして、こちらの磐座には、天照大御神様の荒御魂がお祀りされていらっしゃるのよ。
荒御魂はね、古くなって劣化してしまったものを流して、新しいものに変えて、産み出してくださるお力がお有りなんですって。変化、変幻とでも申しましょうか。決して古いものを無くすのではなく、その時々に見合った形を産み出してくれるエネルギーなのだそうよ。

 だから、古墳の祭祀に向かう前には、
こちらの磐座にお詣りされてから祭祀をされるのよ。古墳はとても古いものでしょ、古きを重んじながらも、新しき力も大事にして祭祀を執り行う事で、天地の均衡がたもたれるのだそうよ。』

 『あ〜その為の祭祀なのね!』

 『そうなんですよ。そのためには、敬意と畏怖の心を持ちながら、生きる姿勢をこの祭祀でお見せし、変化を恐れずに進む事が大切なんだそうよ。』
 
 恐るべし宇壷家よ〜💦💦

 『あ、そこでね、音がまず大事なんですって!
祭祀の最初には、まずこの磐座の御戸を御開けいただくのよ。そのお役目が花蓮様のフィアンセのヨハン様がお務めされるのよ。』
『え、え?ヨハンさんが、何をされるのかしら?』
『はい、ヨハン様が石笛の音を響かせるんですよ。』
『石笛を?』

『ええ、その時にはこの磐座も光り輝いて、磐座から天照大御神様にお仕えされている、龍神様がお出ましになられて、物凄い勢いで、古墳に向かわれるんですよ。
そして、天と地を結んで聳え立つ、美しい御柱の地から左巻きにコイルを描き、虹色の渦を巻きながら天へお昇りになられるのよ。その後から、花蓮様が美しくもお優しいハープの音色を奏でるんですよ。

 するとね、天にお昇りになられた龍神様が、今度は虹色の渦を纏いながら、右巻きにコイルを描きながら地に向かって降りてこられるんですよ!』 
何だかゆき、眩暈がしてきたわ。あ、湧水湧水っと。フウー。
 『龍神様は一瞬、地に降りられたかと思ったら、一気に小山の磐座へと舞い戻られるのよ!』
アタフタしちゃうわ💦

 『あ、コチさんもポキさんもお疲れでしょう!
湧水をどうぞ、お召し上がり下さい!』

『ゆきちゃん、大丈夫ですよ。
ゆきちゃんにお伝え出来ることは、大事なお役目だと思うのよ!ありがたいわ!』
 『え〜ん!涙涙だわ。ありがとうございます😭』
 
 『ゆきちゃん、あちらの古墳はね、昔は昔、大昔に、祭祀を執り行っていらした方のお墓らしいのよ。天照大御神様とのお約束でこの地にお眠りになられて、あの美しい御柱を、お守りしていらっしゃるらしいわ。そのお陰でこの地の安寧が保たれているのよ?凄い事よね!』
 
 凄すぎて、ゆきはヘロヘロよ〜
 でもなんだか涙が出ちゃうわ。

『天照大御神様は、太陽を司っていらっしゃる、天が下の御賜でいらっしゃるから、生きとし生けるもの、全ての賜なんですよ。そして、宇壷家ではこの祭祀を司れる、主が、必ずお産まれになられるんです。』
 
 みっちゃんも大切なお役目がおわりなのね。
ゆきも、みっちゃんのお役に立ちたいわ。
みっちゃん!

 『そうそう、この北側の磐座と西側の古墳に少しでも異変があった場合にはね、ポキママさんからの合図で、私が、とっくり様とえりまき様の所へお知らせに行く、お役目も賜っているんですよ!
あ、でも今の時節は土公神様の所に向かうんですよ。』

 『ところで、ポキママさんはどうやって、コチママさんに合図をされるんですか?』

 『ええ、私、ポキが異変を感じたら、直ぐにコチママさんに、後足で地面を響かせるんですよ!』

 『トントン、トトトン、トントン、トトトン、トントトトンって。』

 『凄いお役目なんですね!その音を受けて、
姫ネズミのコチママさんが走るのね。
こんなにお小さい体で!』

 『ゆきちゃん、ご心配してくださってありがとうございます😭でもね、私は小さいからこそ、何処でもすり抜けられるし、木登りも大得意なんですよ!
だから、最短距離でお知らせに向かえるんですよ!』

 『そうだわ。お困りな事が起こった時やお話しになりたい時には、私が直ぐ駆けつけられるように、ぜひ、ポキママさん!ゆきにも、合図をお願い出来ませんか?』

 『もちろんです!ゆきちゃんには、こんな感じはいかがかしら?』

 『ドンドコドン、ドコドコドン、ドンドドドーン!』よ!

 あ〜すみちゃんお婆ちゃんとこっそり、糸電話ごっこしたのを思い出すわ。
ウルウル。おっと、しっかりゆき!

 『了解しました!ゆき隊員はお二方のお手伝い隊員としての任務も賜りました!
最後のドーンが良い感じね!ありがとうございます♪』
 
 『頼もしいわね!コチママさん!』ふふふふふ。

 
 あ〜今日も素敵な出会いがあったわ!
あ、今日で東西南北をお守りされていらっしゃる方々、全員とお目にかかれたのね〜

 春になって御殿にお邪魔する事が楽しみだわ。
ご夫妻にパトロール報告のし甲斐があるわ…
ふふふ。
春、春、春よ〜♪っと、チャトさ〜ん!
アハハ。おバカね〜ゆきは〜アハハ。
 



 






最新の画像もっと見る

コメントを投稿