春の闇火星で停まるバスに乗る
スピカまで駆ける美貌の春の馬
やや重き左の胸に菫挿す
隻眼の神吊るしたき櫻かな
ふるさとは風に汚れて清明節
弟に似た口の言ふ春の虹
朧夜のアルクトゥルスの都市の門
そんなに笑ふと蒲公英を贈りたくなる
お日さまが歩けばできる蒲公英の道
あらけなく憂き世に花のある不思議