#霊木金言寺銀杏樹物語 新着一覧
霊木金言寺銀杏樹物語 十五 小早川錦棕梠
明けくれば藩から出張つた役人が杣の棟梁政兵衛と其の子分をあまた引き具にしてやって来た。何物かの豫感があったらしく、住職の顔は青ざめ、念珠持つ手は戦いていた。本堂正面に端座して瞑目しなが...
霊木金言寺銀杏樹物語 十四 小早川錦棕梠
然るに、今から二百余年前、藩主に新殿築造の工を起こしたが棟木となすべき適材が見当たら...
霊木金言寺銀杏樹物語 十三 小早川錦棕梠
一方、金言寺では数年の後、はたして庭先に投げ捨てられていた銀杏の木の朽ちた碁盤、然も...
霊木金言寺銀杏樹物語 十二 小早川錦棕梠
ふとした病がもとで床につき、丁度庵に移転して三年目の九月、海端が死んだ命日に彼女は、...
霊木金言寺銀杏樹物語 十一 小早川錦棕梠
二八の装ひも見ず、幼より佛門に入った輜衣圓頂の若き女僧貞心尼の心にも春は訪れて来た。...
霊木金言寺銀杏樹物語 十 小早川錦棕梠
海端の従妹で剃髪佛門に入り、海端に仕へて居た妙齢な美人に貞心尼と云ふのがあった、翌朝...
霊木金言寺銀杏樹物語 九 小早川錦棕梠
然し、をさまらぬは海端の胸の内である、怨恨の焔はどうしても押さへ切る事が出来なかった...
霊木金言寺銀杏樹物語 八 小早川錦棕梠
そこで、約束により涙を呑んで上人の門に降り改宗して堂宇は全部譲り渡してしまった。茲に...
霊木金言寺銀杏樹物語 七 小早川錦棕梠
海端は評判の強情者とて、之が仇討ちを自己の得意な碁でうたうと懸碁を上人に申し込んだ、...
霊木金言寺銀杏樹物語 六 小早川錦棕梠
阿図馬颪は常に吹きすさむ中國山脈の麓なる古刹真言宗金言寺にては時の住持を山川海端と云...
霊木金言寺銀杏樹物語 五 小早川錦棕梠
御題目の有り難き事を説き、尚ほ此山を下りて宿るべき人家の有無を問ひ給ふに若き杣は心に...