特に最近、食傷気味なほど目につく「自己診断」。
クイズ形式の診断テストに答えると、解答によって何通りかの結果が用意されていて、
「アナタはこのタイプ! アナタにあったシゴトはコレ!」と来るのが典型的なパターン。
さて、自己診断というと「僕はこのシゴトがピッタリなんだ」とありがたがる方もいるかと思います。でも、この「自分の個性=仕事」という考えが行き過ぎて、いまは人間の個性と仕事の関係が逆転してしまってる世の中になってはいないでしょうか。
人それぞれの個性があって、それを仕事で生かしてもいいし、仕事じゃないところで生かしてもいいはず。でも、こうした派遣会社や求人誌の広告を眺めていると、「仕事で生かすためだけに個性がある」といわんばかりの風潮が、いまの日本社会に広まっていると思います。仕事を通してしか、人間の個性が認められないかのようです。
しかもこうした「個性=シゴト」というイメージは、
「つらくてもがんばれるのが好きなシゴト」
と、労働者に法律違反の労働条件を我慢させたり、逆にもう耐えられないようだったら、
「好きな仕事はこれじゃない」
と別の「ジブンにピッタリ」な仕事に転職させたりと、職場の労働条件が悪くても、
それを企業が変えなくてもすむためのいいわけとして機能している気がします。
ちなみに上の二つは両方とも派遣会社の広告で実際にあったものです。
今年の6月、7月に行ったPOSSEのアンケート。「仕事の悩みの対処」という項目では、
3、4割の人が、「何もしない」「仕事をがんばる」「別のところで発散する」、あるいは「やめる」と回答していました。仕事がつらくても、その改善を最初からあきらめてしまうわけです。その背景に「ジブンの好きなシゴトをしたいから」という考えが少なからずあったのかもしれません。
自分の好きなことが仕事でも、仕事でなくてもいいじゃん。
どっちにしても、ちゃんとした条件で安心して働ける。
そのためにPOSSEが役に立てたら、そんな風に思います。
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るヒ
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