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NPO法人POSSE(ポッセ) blog

5/20~26の労働ニュース

5月20日
<規制改革会議>提言内容判明 最低賃金上げに事実上反対(毎日)
(コメント)
 内閣府の規制改革会議(草刈隆郎議長)の再チャレンジワーキンググループがまとめた労働分野に関する意見書の全容が明らかになった。解雇規制の緩和や労働者保護の法的見直しなどを挙げている。安倍政権がワーキングプアなど格差解消に向け取り組む最低賃金の引き上げについては「賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」と事実上反対している。同会議は週明けに公表し、3年間かけて検討するが、労働者保護の撤廃を中心とする内容に労働側の反発が予想される。
 規制改革会議の提言は、予想以上にラディカルな内容となっている。解雇規制や派遣法、女性の権利を変更することを要求している。彼らの主張としては、労働者保護自体が、労働者の流動性を疎外し、多くの労働者の雇用を制限しているというものだ。財界からすれば、労働者の権利を大きく制限した上で、労働者の労働市場への流動性を高め、必要なときに労働者を確保できる体制を整備することが重要となってきている。現在、人材不足が叫ばれている中、外国人労働者や女性労働者への需要も高まる中、単に労働者を雇用するだけでなく、労働者の権利を大幅に制限した上で、自分達にとって都合よく働かせる労働者と法的規制の緩和を狙っているのである。


介護福祉士 「人足りぬ」特養悲鳴 繰り返し求人(毎日)
(コメント)
 厚生労働省の調査で判明した、約4割にものぼる「潜在的介護福祉士」。一方で、横浜市福祉事業経営者会(松井住仁会長)の調査によると、同市で特別養護老人ホーム(特養)などを経営する社会福祉法人の93%が職員の確保に苦労し、79%は年4回以上の求人を繰り返していた。市健康福祉局の担当者は「定着率が低く、慢性的な人手不足。だが無理やり就職させるわけにもいかない」と頭を抱えている。
 介護現場は、日本の労働現場の中でも、とても過酷なことで知られている。肉体的にそして精神的にも負担が来る職場である。その実態から、介護労働に従事する労働者が減少しているらしい。今や、介護も巨大な市場である。高齢化社会が進む中、これからますます介護に対する需要は高まるであろう。企業は人材不足のため、FTAを結ぶフィリピンから介護労働者を送ってもらおうとしている。しかし、そのフィリピンでも日本の介護現場の悲惨さが伝わり、安定した労働者の補給が期待できないという。


5月24日
07年夏季賞与、過去最高の93万8555円・経団連第1回集計
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt38/20070524AS3S2401824052007.html
(コメント) 
 日本経団連は24日、大手企業の2007年夏のボーナス交渉の妥結結果(第1回集計)を発表した。妥結額(加重平均)は93万8555円と、第1回集計としては過去最高。昨夏比の伸び率は2.77%と、5年連続でプラスとなった。

 業種別では製造業が96万1300円(3.17%増)と過去最高を更新。非製造業も88万1579円(1.59%増)と3年ぶりに前年比プラスに転じた。調査は東証1部上場の269社に実施、99社から回答を得た。

グローバル企業、賃金伸びず・日銀が分析
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt38/20070524AS2C2404A24052007.html
 (コメント)
 経済のグローバル化に伴い、労働者の賃金が伸びにくくなっている。日銀の分析によると、外国人持ち株や輸出比率の高いグローバル企業ほど、生産性の上昇と比べた賃金の伸びが低めに抑えられる傾向が出ている。国際競争にさらされる度合いが高いためだ。労働需給が引き締まり、人手不足感が強まっているものの、企業の賃金抑制姿勢は根強く、家計部門への景気の波及は緩やかにとどまりそうだ。
 グローバル企業は、やはり他のグローバル企業との競争のため、生産性の上昇に伴う形で、労働者の賃金をあげて統合するかたちはまだできないでいるらしい。人材の不足が、大きな問題となっている企業でも、安易に賃上げをすることは、企業の競争力を弱めるから、たとえ、企業の収益が増えても、労働者に分配されることはない。規制改革会議でも、最賃の上昇の抑制や労働者の権利の制限が叫ばれる中、財界や政府は、グローバルな企業間競争の促進を保護する政策を押し通すことになるだろう。

5月25日
「求人契約と実態違う」/派遣社員が改善求める
(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705251300_08.html
(コメント)
 人材派遣会社フルキャストセントラル(東京都)の派遣社員で組織するフルキャストセントラルユニオンに加盟している宜野湾市出身の上江洌黄陽さん(22)は二十四日、県庁で記者会見し、当初の契約と実際の勤務期間などが違ったなどと訴えた。派遣労働者を支援するNPOガデン系連帯とともに同日、県雇用労政課に対して、派遣会社が求人誌に掲載する公告の適正化を図るよう求めた。
 求人誌で同社からの求人を見つけた上江洌さんは、同社那覇事務所で、六カ月程度働けるという契約を結んで高校の時の友人二人と上京。上江洌さんらは二月から、埼玉県入間市にある自動車用シートの製造工場で作業に従事した。
 しかし、現地で「更新できるから大丈夫」と、勤務期間は三月いっぱいと記された新たな契約を結ばされ、実際に仕事は三月末で打ち切られた。また、求人誌では給料は月三十万円以上となっていたものの、実際は手取りで月約二十二万円だったという。
 同社那覇事務所は「コメントは差し控えたい」としている。
 上江洌さんは「仕事が少ない沖縄などの若者がターゲットにされている。一日も早く、改善すべきだ」と訴えた。二十五日には新たな仕事などを求めて同社と話し合う予定だ。








改正パートタイム労働法が成立・正社員との差別禁止
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt4/20070525AS3S2500F25052007.html
(コメント)
パート労働者と正社員の差別待遇を禁止する改正パートタイム労働法が25日午前の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。業務内容が正社員と同程度のパート労働者には、賃金などで正社員と平等な扱いを事業主に義務付けるのが柱。安倍晋三首相が掲げる再チャレンジ支援の一環で、2008年4月1日から施行する。
 今回の改正パート法は、当初、多くのパート労働者を対象としていたが、財界の反発のため、正社員に近いパート労働者という少数のパート労働者に対象が限られてしまった。結局は、パート労働者の待遇や地位の改善にはあまり効力を発しそうにない。また、正社員化を目指すとうたっているが、その正社員も、これまで考えられているような正社員ではなく、パートへの流動性が担保されたままの「周辺的」正社員としての雇用になる危険性がある。
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