NPO法人POSSE(ポッセ) blog

6.6「ストップ!過労死 過労死防止基本法の制定を願う集い」に参加しました。

2012年6月6日に第一集議員会館で行われた「ストップ!過労死 過労死防止基本法の制定を願う集い」に参加をしてきました。

 

長時間労働や、仕事のストレスで亡くなった方の遺族でつくる「全国過労死を考える家族の会」(以下、家族の会)と「過労死弁護団全国連絡会議」が呼びかけとなり開催されました。300名近い参加者のほか、国会議員、議員秘書を合わせて40名近い方が参加され、会場はほぼ満席となりました。

 

日本では「1日8時間、週40時間を超えて働かせてはならない」と定める労働基準法が施行されています。この基準が守られていればまず過労死・過労自殺は発生しないでしょう。しかしながら同法はいわゆる「ザル法」になっています。多くの企業で時間外労働を認める労使協定(36協定)が締結されているからです。この協定を結べば、年間360時間までの時間外労働が合法となります。また、同法には残業時間には割増賃金を支払うことが定められています。本来であれば、高くなる賃金が間接的な労働時間の規制となります。しかし、その実態は違法ながら「サ―ビス残業」として賃金そのものが未払いであるケースが多く規制としてほとんど機能していません。

 

日本全体に蔓延しているこうした事実上の無規制や違法行為による過重労働によって、いまもなお多くの方が過労そのもの、そして過労自殺でかけがえのない命を落とされています。この過労死防止基本法は、働きすぎを規制する最初の一歩となるもので、「過労死はあってはならないことを国が宣言する」「過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責任を明確にすること」などを柱にしています。

 

本集会では、過労死・過労自殺によって大切なご家族を失われた9名のご遺族の方からご自身の体験談をいただきました。どのお話も涙なしには聞けないものでした。ご本人たちは家族の過労を知っていながら、仕事に行くのを止められなかったという後悔をずっと持ち続けています。その気持ちを抱きながら企業や行政に過労死の責任を追及するという苦しみや葛藤は、私を含め、参加者全員の心に強く訴えかけるものでした。

 

また、集会の中で過労死防止基本法の制定を求める「100万人署名」の取り組みが20万筆を突破したという報告がありました。集会の同時刻帯に家族の会の代表者らが、初めて小宮山厚生労働大臣に面会し、同法の制定を直接お願いすることもできました。しかしながら、この2つの大きな進歩は当事者である家族の会の方々の「自分と同じ思いをほかの誰にもしてほしくない」というただその一心と毎日街頭に立ち、演説をするというような努力によるものです。実際、過労死防止基本法の制定運動の主体はほとんど当事者である家族の会だけという状況です。自分の悲しみを乗り越えて、いま働いている、そしてこれから働いていくすべての方とその家族のために取り組みをされている方々たちです。過労の問題は同じ社会で暮らしている私たちと決して無関係ではありません。お話を聞いて、当事者ではない私たちも取り組みを進めていかなければならない。また、当事者ではないからこそできることがあるはずだ。そう再確認しました。署名活動への参加や学習を積み重ねていくことがその一歩です。

 

「いのちより、家族より、大切な仕事ってなんですか?」

 

同法のパンフレットに書かれている問いです。働きすぎで人が倒れることのない社会。家族とかけがえのない時間を過ごせる社会。そんなあたりまえのような社会の実現のために同法の制定が必要です。

 

(大学2年生、ボランティア1年目)

 

“ストップ!過労死”実行委員会のブログにも本集会の様子が報告されていますので、ぜひそちらもご覧ください。

【活動紹介】6月6日(水)に「“過労死防止基本法”の制定を願う集い」を開催しました!

http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/fc631563c2d5e0a2856c98b811458016

 

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