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NPO法人POSSE(ポッセ) blog

小説と労働問題(『POSSE vol.17』)



桐野夏生「尊厳を持って生きること、時代を書くということ」

「実際、私自身が女性として労働問題に苦しんできたし、誰も気付かないし、書かないんだったら、女性の切実な問題として私が書かなければ、と思いました。」(桐野夏生)

 『POSSE vol.17』が2012年12月に発行されました!今回はそのPOSSE最新号から、作家・桐野夏生さんのインタビュー「尊厳を持って生きること、時代を書くということ」を紹介します。

 日本の小説では「お仕事小説」と呼ばれる、働く現場を題材にした小説が数多く発表されています。厳密な定義はありませんが、ミステリの王道、警察小説などもその職務の内容や職場の人間関係などに焦点があたると、「警察の」お仕事小説と呼ばれたりします。その仕事に関わらなければわからない業界話などがその人気の源なのでしょう。
 ところが、その「仕事」において発生する「労働問題」を正面から扱った作品はそれほど多いとはいえません。

 作家の桐野夏生さんは、多くの社会問題を作品に取り上げておられますが、「労働問題」を題材とした小説も発表されてこられました。主婦労働を描いた『OUT』、派遣労働の問題を扱った『メタボラ』……。
  その執筆の背景とは?
  最近の労働問題についての関心は?

 お伺いした話のなかで印象深い点のひとつとしては、母性信仰に関する言及があります。川村が提示したシングルマザーの働き方について、非正規の貧困化・生活保護バッシングという時代の逆行化に対して母性信仰についても含まれているのでは、という指摘をされていました。

 桐野さんの作品全体に通底するテーマのひとつとして、働くことを含めた「女性の生き方」があげられると思います。それはご自身の体験だけではなく、こうした時代をみる作家としての透徹した視点が作品にあらわれているからでしょう。
 「時代を書くということ」を意識された独特の指摘の鋭さ、また一方で若者や女性、弱者に対する温かい視線が記事から感じることができると思います。

 ぜひご一読ください。

『POSSE』17号の目次
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