『図表でみる教育』は、世界各国の教育制度や政策について、共通の枠組みの中で比較対照することができる指標を開発し、各国の教育政策の形成に役立てることを目的とした国際協力指標事業の一つとして、OECDが1992年から毎年公表しているものです。
この文書では、国際比較が可能な最新のインディケータ(指標)を掲載しており、教育の成果、教育への支出と人的資源、在学状況、教育環境などに関する情報が4つのテーマ別の各章で表や図を用い、指標化されています。
掲載ページ:
「Education at a Glance」(英文)
(※OECDのホームページへリンク)
「日本に関するサマリー」
(※OECD東京センターのホームページへリンク)
このデータでは、改めて、日本の公教育に対する財政支出の少なさや学生に対する公的支援体制の脆弱さが浮き彫りになりました。注目すべきデータを引用していくと、
・2007年における日本の一般政府総支出に占める公財政教育支出の割合は、2000年からわずかに減少し9.4%であり、OECD平均の13.3%を大きく下回る。これはデータが存在するOECD加盟国でイタリアに次いで2番目に低い水準である。
・日本の公財政教育支出の対GDP比は、2000年からわずかに減少し3.4%であり、OECD平均の5.2%を下回る。この数字はデータが存在するOECD加盟国で最も低い。
・日本では教育支出に占める私費負担の割合がOECD平均に比べて高い。私費負担の割合は 2007年において33.3%でありOECD平均(17.4%)を大きく上回る。
・2007年における日本の各教育段階別の私費負担の割合を見ると、就学前教育段階が56.2%、初等及び中等教育段階が10.1%、高等教育段階が67.5%であり、各教育段階においてOECD 平均(就学前教育段階20.3%、初等教育段階及び中等教育段階9.7%、高等教育段階30.9%)を上回るが、特に就学前教育段階及び高等教育段階における私費負担は平均を大きく上回る。
・大学型高等教育機関における授業料と学生が受ける公的補助との関係で各国を分類した場合、日本は韓国と同じく、「授業料が高く、学生支援体制が比較的整備されていない国々」のグループに位置付けられる。これは、大学型高等教育機関における授業料が高い一方、公的な貸与補助または奨学金/給与補助の恩恵を受ける学生の割合がやや低いことが挙げられる。
先週、NHKのクローズアップ現代で放送された「奨学金が返せない」が話題をよんでいますが、今回のデータの公表では、改めて日本の公的な教育支援の少なさが浮き彫りになっており、しかも公的な教育支出が減少傾向にあることが国際比較から実証されています。
クローズアップ現代「奨学金が返せない」レビュー
公教育に対する支出を増やし、奨学金などの学生支援を強化し、貧しくても安心して学べるような教育体制を整備していくことが求められています。
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