昨年から始めて、すでにこのサプリも6回目を迎えました。参加者も増える一方で、会場が狭く感じるようになってきました。
参加された皆様、本当にありがとうございました。
今回は、いつものサプリとはちょっと違い、「労災」にテーマを絞りました。
労災というと職場や通勤途中での怪我を想起しますが、今回は「メンタルヘルス」での労災申請がテーマです。
今回のゲストは、雪竹奈緒弁護士です。
雪竹弁護士には、電話相談の件数を示していただき、労働相談の中心が解雇や給料の問題から、職場でのいじめに移っていることをはじめにお話していただきました。
職場でのいじめの増えている背景として、リストラの不安・成績主義の広がりが指摘されました。
問題が問題なだけに、いじめられている当事者が勤めながら相談することは難しいとのこと。
「いじめられる側も悪いと自分を追い込んでしまう人も多い。」
「誰でもいじめられて良いなんてことはないんです。」
と、雪竹弁護士は語気を強めておっしゃっていました。
大事なことは、「被害を認識すること」なのです。
さて、労災申請についてのお話ですが、98年くらいまでは、精神疾患での労災申請自体、ほとんどありませんでした。
しかし、この10年で急増しました。といっても、2006年でわずか200件ですが。
その中で労災認定されたケースは本当にごくわずか、だいたい25%くらいです。
認定された事例はほとんど過労のケースとのことです。「過労は客観的な証拠が残っている場合が多いからだろう。」とおっしゃっていました。
精神疾患での労災申請は、どうしても人によって評価する基準が異なってしまいます。
メンヘルでの労災認定率の低さはそのためだろうとのことです。
とにかく大事なことは、被害をきちんと認識すること、そして、誰でも良いので、そのことを相談することです。
「自分ひとりで抱え込まないこと。」
雪竹弁護士は強調しておられました。
さて、今回は、POSSEからも労災申請について簡単に説明させていただきました。(http://npoposse.jp/lawdo/mental_health/index.html参照)
まずはじめに知ってもらいたいのは、社内うつをはじめとした職場でのメンヘル問題は、個人のメンタルヘルスケアの問題ではないことです。
職場環境を整備してこなかった企業に大きな責任があるのです。
具体的な申請についてですが、労災申請は、会社を通してするものという認識がありますが、実は個人で申請できます。
自分で申請書を労働基準監督署に持っていって提出すればO.K.なのです。
申請書を書くときに大事なのは、メンヘルの原因が職場にあるということを、具体的に書くことです。
医師の診断書があればなおさら良いです(これは難しい場合もあります)。
なお、今は何もなくても、「何もなかった」ことが大事な証拠になります。
いじめの始まった日から記録をつけておいた方が、証拠としてはより役に立つのです。
ぜひぜひ、POSSE編集の『しごとダイアリー』を使ってくださいね!
http://npoposse.jp/lawdo/sigoto_diary/index.html
POSSEのHP内に、申請書の書き方も載せました。申請書は、大きな文具店においてあります(知ってましたか?)。
振り返ってみると、本当に盛りだくさんの内容でした。
このサプリは今回で6回目となりますが、毎回勉強になります。
まだ来たことのない方、予約不要、初参加者大歓迎ですので、ぜひ一度ご来場ください。
最後に、POSSEからのお知らせですが、メンヘルでの労災申請サポーターを募集しています!
「ぜひサポーターになりたい」という方、「難しそうだけど、勉強してみたい」という方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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