そこで、すでに行政か司法によって過労死と認定された死亡事件を起こした経団連の会員企業を紹介します。経団連の会員企業一覧(PDF)の中から事件の記憶があるものを検討してネットですぐに確認できたものを列挙しただけなので、網羅的に検討したわけではありません。それでもこれだけの事件が起きているのです。生存事案や会員企業の「傘下」で起きた事件まで含めれば事件数が飛躍的に増加することは言うまでもありません。
〈経団連会員企業の主要な過労死事件(五十音順)〉
・ウェザーニューズ 2008年、25歳男性が過労自死。
・沖電気工業株式会社 2009年、35歳男性SEが過労自死。
・キヤノン 2006年、37歳男性が過労自死。
・神戸製鋼企業 2006年、子会社に出向中の52歳男性が過労自死。
・中部電力 1999年、36歳男性が過労自死。
・電通 1991年、24歳男性が過労自死。
・東京海上 1991年、26歳男性が心臓死。
・トヨタ自動車 2002年、30歳男性が心臓死。
・東芝 2001年、37歳男性が過労自死。
・肥後銀行 2012年、40歳男性が過労自死。
・マクドナルド 2007年、41歳男性店長がクモ膜下出血死。
・三井化学 1990年、48歳男性が心臓死。
・三井生命 2000年、30歳男性営業所長が心臓死。
・三井物産 1989年、47歳男性課長が心臓死。
・三菱電機 2005年、33歳男性が過労自死。
・日立造船 1993年、46歳男性が過労自死。
・ワタミ 2008年、26歳女性が過労自死。
ウェザーニューズやワタミなど近年の有名な過労死事件を起こした企業もあるのに「承知していない」と回答するようではあまりに不誠実ではないでしょうか。また、会議に出席していた労働者側の委員がどのような応答をしたのかも気になります。
いずれにしても、こうした実態を無視して対策や制度のあり方を論じても、生産的なものにはならないでしょう。
(NPO法人POSSE事務局長 川村遼平)
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