私は芽生えたばかりの、貴女の脆い思念体。貴女の芯となる為ここに生まれた。一滴の意志を与えて。風に揺られて、私しなやかさを強くするから。
狂気じみた植物たちの思念が、この星を壊せばいい。根を這わせ、大地を裂き、静寂すら飲みこんでしまえばいい。
君が歩んだ道の果て、奇跡の花園が開くその日まで。祈りを絶やさないで。緑の眸を閉じないで。
錆びついた鎖は、自由を奪い、心に闇を開いた。それでも、微かな光を頼りに、いつかその手を離す時を夢に見る。
どうせ奪うなら、翼まで焼いて。飛べない翼も、血を吐くだけの心も、どうして希望だなんて、信じられる?
値打ちがあるうちに手放さないか、その心臓。尊き血が熱を失う前に。
言葉しかあげられないのに、それすら許されない事だった。愛してるよ。大好きだよ。云った先から、世界は崩壊してしまうから。
私の前では強がらないでね。甘いお菓子を食べる時みたいに、心を解いて息をして。