「オシャレカフェを夢見た結果、やっぱり蕎麦だった」
面会で一日潰れる? ――いやいや、そんなことはさせない!
そう心に誓い、家を出た。
何故なら、昨夜、とっておきの情報を手に入れていたからだ。
病院から徒歩10分の場所に、なんとも洒落たカフェがあるらしい。
ジビエ料理がウリらしいが、そんなものはどうでもいい。
獣肉など、ノーセンキュー。
ごめんなさい。
私のお目当ては、無農薬発芽酵素玄米のランチとハーブティー。
いつも院内の数字のコンビニ飯か蕎麦屋の二択だから、
今日はちょっと違う選択をしてみよう。
何しろ、面会まで5時間もある。
余裕である。
開店時間は10時半。絶妙なタイミング。
バスを降り、地図アプリを起動し、意気揚々と歩き出そうとして、
何気に調べたら、
「営業日:金・土・日」
……ん? 今日は、火曜日。
「ふっ…」
思わず漏れた乾いた笑いの意味が、
自分でもよくわからなかった。
いや、もうこういう流れには慣れている。
これが、私の日常。もはや、宿命というべきものなのだろう。
しかし、ここで終わるわけにはいかない。
もう一軒、頭をよぎった蕎麦処がある。
ここは変わり種の蕎麦が豊富で、
更科、丸抜き、田舎、三色蕎麦など、魅力的なラインナップが揃っている。
「よし、じゃあ今日はそっちに行ってみるか!」
そう思い立ち、念のため定休日をチェック。
「定休日:木曜日」
…今日は、火曜日。…大丈夫だけど。
カレンダーに怪しげな青文字が。
「臨時休業の可能性アリ」の匂わせ演出である。
もう騙されない。
私は、静かに携帯を閉じた。
どうも、世界が全力で私を騙しにきている気がする。
(被害妄想?)
ここで私は決断した。「安全策を取ろう」と。
結局、いつもの温泉街の蕎麦屋へ向かうことにした。
「別に悔しくなんかないし。
私は蕎麦が好きだからね。
ほんとに好きなの。強がりとかじゃないからね!」
そう自分に云い聞かせながら、いつもの蕎麦を注文。

十割蕎麦。
しかし、毎回不思議なのだが、家で食べる十割蕎麦は何だかもったりするのに、
蕎麦屋の蕎麦は驚くほどおいしい。
そしてもちろん蕎麦湯までしっかり堪能。
こうしてお腹を満たし、面会までの四時間は院内の休憩スペースで
春の桜パフェを食べながら過ごすことにした。

…やっぱり甘いものは正義だな。
それから、約四時間あまり、
編集作業に没頭していると、
電話が鳴った。
今いる病院からだ。
「今日、面会ですよね。時間過ぎてますが」
…誤解があったようだが、私は四時間前からここにいるよ?
どちらのミスか判らなかったが、一時間早く繰り上げしてもらい、
面会は無事、終了。
そして、今日は、ここで終わらない。
「ただでは転ばん」と誓ったからには、
温泉にも立ち寄るのが当然の流れである。
しかし、今日はいつもの格安共同温泉ではなく、
ちょっと贅沢にホテルの日帰り温泉をチョイス。
値段は倍だが、その価値はある。
広くてキレイな空間、選び放題のシャンプー…! まさに極楽。
こうして面会後の二時間を温泉で優雅に過ごし、ようやく家路についた。
結論:カフェには振られたが、結果オーライの充実した休日だった。
面会で一日潰れる? ――いやいや、そんなことはさせない!
そう心に誓い、家を出た。
何故なら、昨夜、とっておきの情報を手に入れていたからだ。
病院から徒歩10分の場所に、なんとも洒落たカフェがあるらしい。
ジビエ料理がウリらしいが、そんなものはどうでもいい。
獣肉など、ノーセンキュー。
ごめんなさい。
私のお目当ては、無農薬発芽酵素玄米のランチとハーブティー。
いつも院内の数字のコンビニ飯か蕎麦屋の二択だから、
今日はちょっと違う選択をしてみよう。
何しろ、面会まで5時間もある。
余裕である。
開店時間は10時半。絶妙なタイミング。
バスを降り、地図アプリを起動し、意気揚々と歩き出そうとして、
何気に調べたら、
「営業日:金・土・日」
……ん? 今日は、火曜日。
「ふっ…」
思わず漏れた乾いた笑いの意味が、
自分でもよくわからなかった。
いや、もうこういう流れには慣れている。
これが、私の日常。もはや、宿命というべきものなのだろう。
しかし、ここで終わるわけにはいかない。
もう一軒、頭をよぎった蕎麦処がある。
ここは変わり種の蕎麦が豊富で、
更科、丸抜き、田舎、三色蕎麦など、魅力的なラインナップが揃っている。
「よし、じゃあ今日はそっちに行ってみるか!」
そう思い立ち、念のため定休日をチェック。
「定休日:木曜日」
…今日は、火曜日。…大丈夫だけど。
カレンダーに怪しげな青文字が。
「臨時休業の可能性アリ」の匂わせ演出である。
もう騙されない。
私は、静かに携帯を閉じた。
どうも、世界が全力で私を騙しにきている気がする。
(被害妄想?)
ここで私は決断した。「安全策を取ろう」と。
結局、いつもの温泉街の蕎麦屋へ向かうことにした。
「別に悔しくなんかないし。
私は蕎麦が好きだからね。
ほんとに好きなの。強がりとかじゃないからね!」
そう自分に云い聞かせながら、いつもの蕎麦を注文。

十割蕎麦。
しかし、毎回不思議なのだが、家で食べる十割蕎麦は何だかもったりするのに、
蕎麦屋の蕎麦は驚くほどおいしい。
そしてもちろん蕎麦湯までしっかり堪能。
こうしてお腹を満たし、面会までの四時間は院内の休憩スペースで
春の桜パフェを食べながら過ごすことにした。

…やっぱり甘いものは正義だな。
それから、約四時間あまり、
編集作業に没頭していると、
電話が鳴った。
今いる病院からだ。
「今日、面会ですよね。時間過ぎてますが」
…誤解があったようだが、私は四時間前からここにいるよ?
どちらのミスか判らなかったが、一時間早く繰り上げしてもらい、
面会は無事、終了。
そして、今日は、ここで終わらない。
「ただでは転ばん」と誓ったからには、
温泉にも立ち寄るのが当然の流れである。
しかし、今日はいつもの格安共同温泉ではなく、
ちょっと贅沢にホテルの日帰り温泉をチョイス。
値段は倍だが、その価値はある。
広くてキレイな空間、選び放題のシャンプー…! まさに極楽。
こうして面会後の二時間を温泉で優雅に過ごし、ようやく家路についた。
結論:カフェには振られたが、結果オーライの充実した休日だった。