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コノハナサクヤヒメ

2019-10-12 09:54:24 | 日記


【桜のように咲き桜のように散る美人薄命】

コノハナサクヤヒメを祭神として祀る富士山本宮浅間神社には竹取物語とよく似た縁起の話が伝わる。

コノハナサクヤヒメはニニギノミコトが天孫降臨し、一目惚れした美しい神様。

桜の語源はコノハナサクヤヒメから来たと言われ、その名のごとく、美しく咲き、散って行く、幸短い神様。

コノハナサクヤヒメは山の神様、オオヤマヅミの娘。 ニニギノミコトがコノハナサクヤヒメに一目惚れし、嫁にもらおうとオオヤマヅミに告げると大いに喜んだ。

喜んだオオヤマヅミは一緒に姉であるイワナガヒメを嫁がせる。

しかし、その容姿は大変醜かったため、ニニギは父の元へ返してしまう。

オオヤマヅミはイワナガヒメを返されたことで大いに恥じた。

そして、ニニギに呪いを吐き掛ける。

オオヤマヅミはイワナガヒメを嫁がせたのは考えがあってのことだった。

コノハナサクヤヒメは容姿も美しく、桜の如く栄えるがその命は短命ですぐに散ってしまう。

だから、岩のように永遠の命を持つイワナガヒメを一緒に授けたのだ。 それを知らないニニギはイワナガヒメを返してしまった。

そのことで永遠である寿命も限りあるものになってしまった。

その後、一夜にして2人は結ばれ身篭る。

しかし、ニニギは一夜にして身篭ったことをおかしく思い他の国津神の子ではないかと疑う。  

激怒したコノハナサクヤヒメは産屋に入って自ら火を放つ。

『天津神のニニギの子ならば何があっても無事に産まれるはず』 その炎の中でホデリ、ホスセリ、ホオリの三柱の子を産んだ。


このホオリの孫が初代神武天皇である。

この様に、美しさ故に疑われ、美しさ故に散る。

人を惹きつける魅力は、嫉妬や疑念の対象にもなりうる。

また、引きつけた魅力に値する見返りを求められ、その見返りを与えなければ人は裏切られたと落胆する。

この様に、努力による美しさではなく、生まれ持った美しさは様々な試練がのしかかる。

一見華やかな人生も、本人にしか知りえない苦労がある。

美人薄命とはこの様なことから言い伝えられたのかもしれない。

【神格】

✔︎山の神 ✔︎火の神 ✔︎酒造の神

【御利益】

✔︎酒造の神 ✔︎農業 ✔︎漁業・航海 ✔︎安産・子授け ✔︎火難消除 ✔︎織物業守護

【祀られている神社】

✔︎富士山本宮浅間大社
静岡県富士宮市宮町1-1
✔︎浅間神社
山梨県笛吹市一宮町一ノ宮1684
✔︎静岡浅間神社
静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
✔︎箱根神社
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
✔︎當麻山口神社
奈良県葛城市當麻108