"FOR THE CUSTOMER"

創業120年の建設会社「今西組」の六代後継者が あなたの”いいね”を築く!

「林業、閉塞感、ワクワク」

2009年12月09日 17時05分19秒 | Weblog
「林業、閉塞感、ワクワク」


「林業」

今日訪問先で聞いたところによると、林業従事者(さらに限られていると思われる)は現在7万人を割ったそうだ。

輸入志向、コスト重視に、国産の技術の伝承が危機を迎えている。

民主党政権になり、国策の行方が気になるっとおっしゃっていた。

守るもの。

守らないもの。

活かすもの。

活かさないもの。


「閉塞感」

わたくしどもとしても、経済景気に左右されやすい業界に在する現況。

政府の成長絵図を早くみて、判断を急がねばならない部分が多々ある。

規模拡大か、特化集中か。

結論先延ばしの締め切りを、時代が軽々と追い越していく。

社会の変化が判断を煽る。

今日聞いた「閉塞感」という言葉がひっかかる。

国家政策が民間企業に与える「閉塞感」。

同時に、当社が社員に与えてはならないのも「閉塞感」である。

「実現できたらどんなにすばらしいだろう」と、その夢を聞いた社員を魅了するようなリーダーでありたい。


「ワクワク」

「大変だけど、経営って楽しいんです。自分の夢を仲間と共有し、みんなで実現するのってワクワクするんです。」(柳井正 ファーストリテイリング(ユニクロ)社長)

老舗のバネは、まだ伸び切ってはいない。

バネはバネらしく、耐えるときに耐え、蓄えるときに蓄え、跳ねるときに跳ねる。

そんなことを、ふと考えてしまった。

考えすぎなのかもしれない。

「スカイ・クロラ、ミッション、ラストシーン」

2009年11月30日 11時43分40秒 | Weblog
「スカイ・クロラ」

「いつも通る道でも 違う所を踏んで歩くことができる
いつも通る道だからって 景色は同じじゃない
それだけでは いけないのか
それだけのことだから いけないのか―――」
終盤に主人公、優一が言うせりふ。

「スカイ・クロラ」とは2008年8月2日に公開されたアニメーション映画である。
監督は押井守。
戦争請負会社の日本人部隊で、戦闘機に乗って戦う若者の物語。

なぜか先のせりふが、私の脳に、ひっかかった。
常日頃の私の会社に対する姿勢を問われているように聞こえた。

スカイ・クロラの世界は、戦死でしか死を迎えられない「キルドレ=子供」の、ごくありふれた変化のないマンネリな日常に気狂いした人間模様が描かれている。
ここでいう戦死とは、パイロットとして、本来のミッション(使命)である「敵からの勝利」を達成することの意味に気づいたものだけが迎える無念な結果である。
主人公の優一は、映画の最後にそのことに気づき、「これは僕の戦闘だ」と言い残してティーチャーと呼ばれる「絶対負けない」敵機を相手に戦闘を挑み、帰らぬ人となってしまう―――

「ミッション」
リアルな世界では、人間誰もが死を迎えるが、死が近づくにつれて、加齢に伴う何らかの自動的な変化が身をまとう。
その変化に「こんなもんや」と安心しきることが多いのではないだろうか。
スカイ・クロラの世界は、本来「生きがい」の獲得に必要な「自発的な変化」を求めないかぎり、自分が思っている以上に自分は何も変わらないんだということに気づかせてくれる。
ふとした瞬間、生きる意味を見失っている自分に気づいたときは、後悔が先にたつということも。

「何気なく、いつもと同じ仕事をしていても、見つめる資料の数値に変化があるのは当然なんだ。
その変化は、自分がもたらした変化ではなく、そもそも変化などではない。
さも自発的に変化させたと、勘違いして気分を良くしてはいけない。
それ以上を求めなくなってしまうような自己満足は、きっとあとで後悔する。」

「戦死とは、本当のミッションを達成することの意味に気づいたものだけが迎える、無念な方の結果である。」
結果は結果。
「負けることのリスク」を少しでも減らそうとする行為の連続はやがて、勝つことの方へ全体的に導かれるだろう、と私は思う。
本気でまっすぐ、自分自身のミッションの達成に、しぶとくとりかかる者に、「スカイ・クロラ」で語られる「生きる意味」が少しは理解できていると言えるのではないだろうか。


「ラストシーン」
昨今の業界不況、踏ん張りどころなのは当社も例外ではない。
特に老舗としては、耐えしのぶ時代もあるということを把握しておかなくてはならない。
堂々と耐えながら、しかし耐えるだけではなく、私は、私のミッションに積極的にとりかかる。
なぜ?
人生、後悔しないために。
私のミッション(使命)って?
【創業者の「不撓不屈」の精神、
建設業に対する強い思い入れを、
私の代においても「柔軟に」継続すること】
今西組の現実を見つめたときに感じる、継続に必要な最低条件を抽出し、重要度の高い条件から、その達成にとりかかる。

昨晩はそんなことを思いながら、何度もラストシーンを巻き戻して観てしまった。
ちなみに、私は普段、アニメーション映画をめったに観ない。
「いつも通る道だからって 景色は同じじゃない
 それだけじゃ―――いけないのか」

「レクリエーション・乾杯スピーチ・ハイクォリティ・ライフ」

2009年11月28日 11時34分45秒 | Weblog
「レクリエーション」
東京支店は、社員のレクリエーションとして、年一回、近くに温泉旅行をするのが習慣となっている。
本社もあるが、最近は旅行はしない。

社内に限らず、あらゆるシーンで乾杯スピーチの依頼が今後ふえていくのだろう、そう思いながら、いったい今日は何を話そうかと自発的に妄想をはじめる。

「乾杯スピーチ」
候補①「みなさま、お疲れ様です。
私は、守るものがあります。
それは、経営資源と呼ぶものです。
経営資源とは、人、モノ、金と一般的に言われてきました。
最近読んだ著書では、それに加え「情報」「組織文化」を加えられていました。
レクリエーションも大事な組織文化の一つと考えます。
特に今回のような旅行の計画とは、東京支店の雰囲気と合致したいいものと考えます
是非、幹事の方には、皆さんが一堂に集う、非日常の貴重なひとときを、今後もレクリエーションとして提案し続けて欲しい、そう思います。
ではご唱和ねがいます。
乾杯!」

【このスピーチによる影響の可能性、、、】
意見A,「レクリエーションまで(予算から)抜こうとはしないんだな、よしよし」
意見B,「貴重なひとときと思うかどうか、人によって違うのではないか、一方的だ」
意見C,「いつもと同じ硬いスピーチだな、求めているものはそういうスピーチではない」

【このスピーチの部分修正案】
意見Aに対する回答
「私は、守るものがあります。(中略)レクリエーションも大事な組織文化の一つと考えます。」

「日ごろ業務に邁進いただき、感謝します。我々も年度経営方針の達成に尽力してはおりますが、そのためには、みなさま個々の目標に対するひたむきな実行力と積極的な提案力が必要なのです。ただし、冷静に判断できる体調を常に維持するのは、そう簡単ではありません。睡眠不足などの体調不良は、時に重要な判断を誤ることがあります。社員同士で酒を飲み交わすのも、有効な「つかのまの休息」と言えましょう。
特に東京支店のレクリエーションについて申しますと、支店独特の社風を想像した限り、今回のような旅行なきに、当社の歴史は続かないのではないか、そう思うことがあります。」

意見Bに対する回答
「是非、幹事の方には、皆さんが一堂に集う、非日常の貴重なひとときを、今後もレクリエーションとして提案し続けて欲しい、そう思います。」

「レクリエーション帰りの電車のなかで、【また来年も行きましょう】と互いに言い合えるような、ひとときとなることを望みます。
ただマンネリはよくありません。
希少価値を感じなくなるからです。
限られた時間に対するありがたみは、行動パターンがマンネリ化したときから、そのことに気づかなくなるからです。
予算は限られていますが、時間とその使い方はまったく限ってはいません。
新しい企画で以って、みなさんで有効に活用されることを期待します。」

意見Cに対する回答
「私は、守るものがあります。
それは、経営資源と呼ぶものです―、、、」

「みなさん、この前の所長会議でも「経営理念」を今一度理解しましょうという話をしました。
わかりやすくするために、いろいろと経営理念をもじってみましょう。
◇一度、みなさんで原文を暗唱しましょう。
「今西組は、ハイ―、、、」(つづけて合唱)

「ハイクォリティ・ライフ」

「今西組は、【高品質な生活空間作り】をテーマに、
【創造性と感性あふれる提案】と、
【公正で、堅実な仕事】を通して、すべての人々の
【ハイクォリティーライフ】の実現に寄与する。」

◇一度、全部逆のことをいってみましょう。
「今西組は、【低品質な生活空間作り】をテーマに、
【創造性と感性不足な妥協案】と、
【不正で、いきあたりばったりな仕事】を通して、すべての人々の
【ロークォリティーライフ】の実現に寄与する。」

◇もう一つ、この際、レクリエーションのことを中心にいってみましょう。
「今西組は、【高品質なチームワーク作り】をテーマに、
【創造性と感性あふれる余興】と、
【公正で、堅実なコンパニオンさんとのふれあい】を通して、すべての人々の
【気力・体力の充電】の実現に寄与する。」

これで少しは原文の理解が深まったかと思います。
「急に、理念に沿って行動するというのは難しい」という方。
かっこのいい理念なんて、誰でも言えます。
要は、理念を胸に、全社員が行動できているかでその会社の魅力が決まってくる、そう思うのです。
すこし長くなりました。
さあ今晩は、気持ちよく、みなさんにとっての「いい時間」をすごしましょう。
ではご唱和ねがいます。
乾杯!」

「建設プロセス、値引き、顧客満足」

2009年11月27日 11時38分53秒 | Weblog
「建設プロセス」
社内で、各部署が尊重しあうというのはあらゆるプロセス・提供物の品質向上に寄与する大事なことである。

「お客様」発注者と「ゼネコン」請負者が建設事業をスタートする際に交わす「工事請負契約」には、「工事請負契約約款」というものが添付される。
発注者、請負者、ならびに発注者から委託された工事監理者(おもに設計事務所が担う)の契約に関する条項が記載されている。
なかに現場所長が現場代理人として単独でやってはいけない三つのことが書かれている項目がある。
□ 契約の変更
□ 契約金額の受領
□ 工期の変更

現場が進捗するにつれ、当初になかった計画や追加・変更がお客様から注文される事は頻繁だ。
都度、かかる金額については見積りによって説明し、了解がえられれば追加契約を交わして工事にとりかかるのが本来のセオリーである。
ところが建設プロセス上、お客様のご都合もあり、引渡し日が動かせない、つまり従来の工期のなかで新たな工事にかかることが非常に多い。
一度築いたものを再びあとになってスクラップ・ビルドするのは確かにムダである。
その際、追加契約を交わす前に、追加分の事前着工にかかるケースが存在する。
「そんなの認めない、はらいません」といわれたら何の証拠もないパターンである。
不況も後押しし、リスク管理が全業種で企業経営側に問われる昨今、特異的な支払リスクを抱える建設プロセス。
ただ本当に言いたかったのはそのことではない。

「値引き」

営業担当でもないのに「もらえそうにない」と自ら不必要な値引きや安請負を判断する現場所長である。
確かに、請負契約約款には「所長は値引きしてはいけない」とは謳ってない。
「上司に相談してみてください」と顧客にお願いされ、社内で営業担当等や上司と話し合った結果、会社として判断するならまだ救いがある。
お客様にとって「借り」を意識される意味で営業効果は見られるかも知れない。
一年以上も当プロジェクトに取り組んできた営業担当にしてみれば、「なぜ俺に言ってくれないんだ」と、「対価をきちっと支払ってくれる」はずだった所長の無駄な値引きに落胆するだろう。
一度お客様に言ったことは、引き返されない。
Q、受注までの経緯が引き継がれていないから、安易な値引きに応じてしまうのか。
A、それなら社内の業務フローの仕組みを見直さなければならない。
相手の顔色をみて素直に値引きに応じる前に、その印象を一年以上当プロジェクトに携わる営業担当に情報としていれるべきではないだろうか。
Q,社員にとって、被評価のものさしとなる定量的な個人目標がなく「どっちでも私の評価は変わらない」と思われるのならば、
A,成果報酬型に評価体系ウェイトを移動しなければならない。
但し、社内各部署が尊重しあい、連携を図ることは、あらゆるプロセス・提供物の品質向上に寄与する最も大事なことであると私は思う。
その指針として、「経営理念」があり、「経営方針」があり、従業員にとっては「社員行動指針」がある。

「顧客満足」

おそらく、社内が思いこんでいるだけのお客様に対する「借り」の感覚は、実際には「借り」と思ってもらえていないことだろう。
顧客満足は、ただ「値引き」しただけで手に入るほど簡単なものではない。
111年前の創業者が現在、生きて見ていたら、さぞ悲しむことだろう。

追究する努力や取り組みの姿勢に、今西組は必ずや共鳴していく。

「あんたには負けますわ、共感、交通費」

2009年08月26日 08時56分00秒 | Weblog
彼はしきりに数えていた。
「さっきのバスは200円で――。」
交通費。
手帳に克明に記す。
几帳面さ。
まじめさ。
そして「よーわからんけど、あんたには負けますわ」と設計事務所に言わせるヒューマンパワー。
まさに、かけがえのない方だった。

夕方、帰りの新幹線。
以前は数十年と現場所長を歴任、後に営業に配属、東京―大阪を行き交う日々もあった。
「どうぞ、どうぞ。」
設計事務所と同席するや、一生懸命にビールやおつまみを分け賜う姿勢。
恥ずかしくてもいい。
ときに馬鹿にされてもいい。
一生懸命の姿勢こそが、相手を、そして味方を共感させる。
「みてくれ」は関係ない。
営業、堀内、ここにあり。
千葉でバスに同席していたとき、沖縄のパワーストーンの話を聞いた。
まー、人生いろいろ、ありますわ――
影響が誰であれ、生きることに必死のご姿勢に感激した。
もしかしたら、あのとき、自らの体のことを既にご存知だったかも知れない、と思う。

奇しくも、冊子「建築ジャーナル」2009年8月号(関西版)。
彼の現場所長としての遺作が掲載された。
「京田辺シュタイナー学校」
紙面より伝わる所長魂。
「なんでー、このほうがいいやん」と、時に上司につっかかるエネルギー。

(8月20日)、午前中、病に倒れ、天国に去られたことを知った。
「え―――――、、、、、」

彼ほど社に貢献いただいた方はいない。
献花が足りなくなるほど大勢の方が参列した通夜は初めてであった。
その人数は、堀内氏の大変高尚で懐の深いお人柄を彷彿していると言えるだろう。
私、今西良介として、また今西組として、ご冥福を、お祈りいたします。
生涯を建築、そして今西組の将来に賭けた彼を、100年後も忘れません。
彼を、私は、忘れません。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。
誇り。

堀内靖仁氏、享年49歳。
昭和35年、4月26日生まれ。
昭和58年、4月5日、今西組入社。
最終社歴、事業本部、営業部長、

私は守る。
何を?
あなたの、かけがえのないものを。
ずっと、見ていてください。
昼食にカップラーメンを食べながら、微笑むあなたは、これからも我々社員の脳裏に、残像のごとく記憶しつづけることでしょう。