竣工祝い
当社がお客様と出会うきっかけとは、以前の建築主さんや、関わった建築士より紹介いただくケースが多い。
当社に一元さんでお目見えになる顧客は本当わずかである。
大変ありがたい「わずか」に、「どうして当社をお知りになったのですか」と聞く。
最近こそ「ホームページを見て」とおっしゃるケースが目立つようになったが、
お答えのほとんどは「今西組が建物を建てているのを実際に見て」である。
当社はメディアでCMを活用してはいない。
また50万社存在する建設業者、大手5社の市場シェアがわずか10%の業界構造。
(自動車は大手(トヨタ、日産、ホンダ、スズキ)だけでシェア70%を超える)
ほとんどの企業が、名前すら認知されていない。
ゼネコンのCMを見て、果たして「ここに頼もう」と即決するだろうか。
それらの意味で、地域商店街のパン屋さんと似て、口コミで成り立つ商売に近いといえる。
【あなたが私にくれたもの♪】という歌詞のポップスを思い出す。
竣工祝いは、建築主によって、また時代によって変えるべきである。
以前、東京支店では、祝いとして「植樹」(木の種類は忘れてしまった)を贈っていた。
私も実際に見たことがあるが、かなりの大きな木である。
昔は敷地に計画の余裕があったため、外構の空きスペースを活用して植えたという。
ところが最近では、敷地いっぱいに建物を計画することが多くなり、この慣習は自然となくなった。
ここ数年では「掛け時計」、裏に「贈 今西組」と彫る。
よく銭湯の鏡に「○○工務店」と書いてある、あのイメージ―――。
慣習化され、社内の誰も、おかしいとは思わなくなってきている「定番」こそが、時代とともに受け入れられなくなる可能性は、ゼロではないように思う。
もう古い?
縁起がいい?
センス?
今回、ある人に渡そうと思い、流行の製品を自ら購入してみた。
解体前の建屋、その取り壊し、整地、新築着工、上棟、そして完成のストーリー。
建築主にとって、思い入れの詰まるこの期間を「生涯の記録」として届けることができるもの。
喜ばれるといい。
どう思われるかは、決してわかるものではない。
けれど、渡した直後に相手に伝わるものはある。
伝われば嬉しい。
心に記憶されることは、絶対に忘れない。
補助金貧乏
お付き合いいただいている顧客に、「社会福祉法人」と付くケースが多くなってきた。
政府の補助金を積極活用され、福祉施設の建設を決意されるみなさま。
我々にとっては、大変ありがたいことである。
だがひとつ悩ましいトレンドがある。
「補助金貧乏」に陥る月が顕れるようになったことだ。
大抵の場合、建物が完成してから、建築主は補助金の実行を役所に届ける。
建物に対して、補助金が出されるのだから、これは当然といえる。
だが我々にとってつらいのは、その交付が完成の数ヶ月あとにしか実行されないことである。
さらに最近、それが顕著に遅れてくることが多い。
政府の対応に時間がかかっているのが一因といえる。
立替
建築工事のあいだ、当社を含むゼネコンは、進捗分の工事代金を「立替」する。
支払条件にもよるが、億単位の立替は、自己資金だけでなかなかできるものではない。
なぜ立替をするのか。
専門工事業者と呼ばれる協力業者に、先に支払が発生するからだ。
ゼネコンの現場所長は、職人を抱える協力業者に発注し、工期中、彼らの施す防水工事等の各種施工を「管理」してまとめるのが役割の大きな一つである。
協力業者には、零細を含む小さな会社も多々存在する。
建築主の支払い条件に合わせて支払いを滞らすことができるほど、零細企業の資金繰りには余裕がない。
ましてや昨今の不況。
当社も余裕の余裕とはまったく言いきれないご時勢である。
四月の開園や、開所に向けて、年度末で終わるこれらの工事が増えれば増えるほど、四月、五月といった時期に「未収入金の不足感」を覚える。
法人の建築主はまったく問題ではない。
政府は、先の緊急施策として、ただ補助金枠を造るだけで一息つくのではなく、迅速な補助金の実行、つまりトレーサビリティー(追跡調査)の結末までを管理いただきたいと思う。
そう、思うのは私だけだろうか。
もうすぐ、選挙だが、最近引っ越した私には、選挙権がない。
当社がお客様と出会うきっかけとは、以前の建築主さんや、関わった建築士より紹介いただくケースが多い。
当社に一元さんでお目見えになる顧客は本当わずかである。
大変ありがたい「わずか」に、「どうして当社をお知りになったのですか」と聞く。
最近こそ「ホームページを見て」とおっしゃるケースが目立つようになったが、
お答えのほとんどは「今西組が建物を建てているのを実際に見て」である。
当社はメディアでCMを活用してはいない。
また50万社存在する建設業者、大手5社の市場シェアがわずか10%の業界構造。
(自動車は大手(トヨタ、日産、ホンダ、スズキ)だけでシェア70%を超える)
ほとんどの企業が、名前すら認知されていない。
ゼネコンのCMを見て、果たして「ここに頼もう」と即決するだろうか。
それらの意味で、地域商店街のパン屋さんと似て、口コミで成り立つ商売に近いといえる。
【あなたが私にくれたもの♪】という歌詞のポップスを思い出す。
竣工祝いは、建築主によって、また時代によって変えるべきである。
以前、東京支店では、祝いとして「植樹」(木の種類は忘れてしまった)を贈っていた。
私も実際に見たことがあるが、かなりの大きな木である。
昔は敷地に計画の余裕があったため、外構の空きスペースを活用して植えたという。
ところが最近では、敷地いっぱいに建物を計画することが多くなり、この慣習は自然となくなった。
ここ数年では「掛け時計」、裏に「贈 今西組」と彫る。
よく銭湯の鏡に「○○工務店」と書いてある、あのイメージ―――。
慣習化され、社内の誰も、おかしいとは思わなくなってきている「定番」こそが、時代とともに受け入れられなくなる可能性は、ゼロではないように思う。
もう古い?
縁起がいい?
センス?
今回、ある人に渡そうと思い、流行の製品を自ら購入してみた。
解体前の建屋、その取り壊し、整地、新築着工、上棟、そして完成のストーリー。
建築主にとって、思い入れの詰まるこの期間を「生涯の記録」として届けることができるもの。
喜ばれるといい。
どう思われるかは、決してわかるものではない。
けれど、渡した直後に相手に伝わるものはある。
伝われば嬉しい。
心に記憶されることは、絶対に忘れない。
補助金貧乏
お付き合いいただいている顧客に、「社会福祉法人」と付くケースが多くなってきた。
政府の補助金を積極活用され、福祉施設の建設を決意されるみなさま。
我々にとっては、大変ありがたいことである。
だがひとつ悩ましいトレンドがある。
「補助金貧乏」に陥る月が顕れるようになったことだ。
大抵の場合、建物が完成してから、建築主は補助金の実行を役所に届ける。
建物に対して、補助金が出されるのだから、これは当然といえる。
だが我々にとってつらいのは、その交付が完成の数ヶ月あとにしか実行されないことである。
さらに最近、それが顕著に遅れてくることが多い。
政府の対応に時間がかかっているのが一因といえる。
立替
建築工事のあいだ、当社を含むゼネコンは、進捗分の工事代金を「立替」する。
支払条件にもよるが、億単位の立替は、自己資金だけでなかなかできるものではない。
なぜ立替をするのか。
専門工事業者と呼ばれる協力業者に、先に支払が発生するからだ。
ゼネコンの現場所長は、職人を抱える協力業者に発注し、工期中、彼らの施す防水工事等の各種施工を「管理」してまとめるのが役割の大きな一つである。
協力業者には、零細を含む小さな会社も多々存在する。
建築主の支払い条件に合わせて支払いを滞らすことができるほど、零細企業の資金繰りには余裕がない。
ましてや昨今の不況。
当社も余裕の余裕とはまったく言いきれないご時勢である。
四月の開園や、開所に向けて、年度末で終わるこれらの工事が増えれば増えるほど、四月、五月といった時期に「未収入金の不足感」を覚える。
法人の建築主はまったく問題ではない。
政府は、先の緊急施策として、ただ補助金枠を造るだけで一息つくのではなく、迅速な補助金の実行、つまりトレーサビリティー(追跡調査)の結末までを管理いただきたいと思う。
そう、思うのは私だけだろうか。
もうすぐ、選挙だが、最近引っ越した私には、選挙権がない。