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気まぐれレポート from 団塊世代Engineer

眼からウロコの電子レンジ原理

2014-04-05 15:43:55 | インポート
電子レンジの電波が水分子のO-H結合に直接作用するから加熱出来る、と数十年間思い込んでいた。しかし事実はまるで違うらしい。以下、出典(末尾)からの抜粋に【my独り言】を付けてみた。⇒ 
1個の水分子を考える。水分子は極性分子であり、酸素側がマイナス、水素側がプラスの電荷を持っている。これを、ちょっと専門的な用語で、水分子は電気双極子(あるいは、電気双極子モーメント)を持つ、という。 外から電磁波を与えれば、時間的に変動する電場と水分子の電気双極子が直接相互作用するのでは、と考えたくなるかもしれないが、実はそう考えてしまうとわけがわからなくなる。
【そう考えていた!】・・・・・・・・・・ 
 ほどよい速度で電場が変動する場合(これがマイクロ波に相当する)、電場の変動に少し遅れて分子達がついていくことができる。このとき、外場Eに対して電気分極Pが遅れることになり、遅れた分だけエネルギーの散逸が起きて、最終的には熱になる。【ふーん】・・・・・・・・・・
 電子レンジの加熱周波数は、日本では2.45 GHzである。水分子の分子内振動は、OH伸縮振動、逆対象伸縮振動、変角振動などがあるが、いずれも赤外線の周波数のところにあり、マイクロ波よりは3~4桁ほど高い。水素結合を介した分子間振動はTHz領域にあるが、それでもマイクロ波より2桁高い周波数のところである。従って、電子レンジで使われている電磁波が水分子の分子内振動や分子間振動に直接エネルギーを与えることはない。
【3GHzの電磁波の波長は10cm、赤外線の波長はその1000分の1、直接暖められることはあり得ないな】
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 マイクロ波の電場と相互作用する直接の相手は、水分子が集団で作る分極Pであり、個々の水分子ではない。Pとの相互作用を通して、個々の水分子が影響を受ける、と思った方が理解しやすい。