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山奥へ行く。川で魚を見た。父親を食べていることと同じと気づく。

2021-09-16 12:38:58 | 日記

 二輪で山奥へ行くいつもの休みの日のようにその休みの日も独り走りに行った。そして、山奥でその日は流れる川を呆然と眺めていた。父の遺言で少しだけ彼の灰を流したことを覚えている。

 川の水が下へ流れて行くのに、雨は山の上の遥かかなた上のほうから下へ向かって降り注ぐ。川の水は上から下へと流れてゆく。「父が降ってくることになると、私はふと気が付いた」すると、きらきらと光る川の中にうごめく魚を見つけた。その魚が水を飲んでいるとすると、普段自分は、父親を食べていることにならないだろうか?そんな考えが浮かんでいた。この体の一部が父親でできているというのだろうか。

 そんな家への帰り道に、その日偶然魚を見たためだったのか、夕飯は魚にしようかと思いスーパーへと立ち寄り、魚売り場へと向かった。そこで魚を選んで呆然とケースに入った魚を眺めていると、何かこう漠然と頭をよぎったことがあった。「父を食べたことになるではないか…」ふと、自分の体の一部が、父たちのものでできているとそういう理屈であると気が付いた。森羅万象すべては一つで全員が繋がっているではないか…と唖然とした。魚にも山にも水にも感謝しようと改めて考えた…でいることなら全ての人にも…。

 こうやって休日に山に来れている健康な自分は、彼に会える日はまだまだ、しばらく先の世界の話のようだと安心するが、彼に会えるその日もまた楽しいのではないかと考える時もある…

 折り返し地点は過ぎたものの、まだまだ先は長いようだ。



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