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📖 美しい距離 📖 山崎ナオコーラ 著 文春文庫

2020年07月07日 | ときどき読書📖覚え書き📖
*乱読です&感想は苦手です*

ナオコーラさん、初読みです。
サンドウィッチ屋『パンばさみ』を営む妻が40代で末期ガンで入院。
夫はを生命保険会社に勤務しながら看護のために妻の入院先の病院へ通う。
妻と出会った日から近づいて行った距離、初めは遠くそして近くなって、妻が亡くなって距離が遠くなると感じることを厭わない夫。
静かに淡々と物語は進むけれど夫の感情がとても丁寧に描かれている。

生きている間の人と人との関わり方、故人を尊重し故人のための葬儀、亡くなってからも動き続ける夫婦の距離、
色々な意味で気づきを与えてくれる一冊でした。






本文より
・・・・近いことが素晴らしく、遠いことは悲しいなんて、思い込みかもしれない。
今は離れることをいやだと感じている。でも、嫌でなくなるときが、いつか来る。そんな予感がする。
その予感が流れてくる方向に視線を遣ると、僅かな光がこぼれていた。


書評家・豊崎由美さんの解説から
・・・・いい小説が備えている美点のひとつに、読む前にはなかったものの見方を与えてくれるという効能がある。
『美しい距離』はその見本のような素晴らしい小説だ。
いずれ必ず、その人の固有の死を迎える私たちすべての人間にとっての、素晴らしい小説なのだ。



2020.6.12 夏ツバキ(沙羅の木)が涼やかでした✨






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