三浦半島の先端に「小網代の森」と呼ばれるところがあります。
関東で唯一、川の流域全体が保存されている場所で、70haあるこの森には数多くの生物が生息しています。
通常時は18時までに閉場されてしまうこの場所が、5月下旬から6月上旬のこの時期にはホタルの観察のために21時まで開放されるのです。
去年初めて行ったこの場所に、今年も行ってきました。

小網代の森は京急久里浜線の終点三崎口駅からバスで数分の場所にあります。

一年ぶりの三崎口駅。

小網代の森には引橋入口、北尾根入り口、宮の前峠入口の3つの入口があります。
今回も去年と同じ、引橋バス停から引橋入口というルートで入りました。

バスを降りたら100mほど駅の方へと戻り、引橋入口へと下ります。

引橋入口。

ここから谷を下っていくと、鬱蒼とした森へと入っていきます。

今年も発見、アサヒナカワトンボ。羽根の色が目立つのですぐわかります。

去年と変わらないヨシ原を抜けてると……

小網代湾に出ました。
去年は満潮のため見られなかった干潟が広がっています。

去年はちょうど満潮のタイミングだったんですよね。
今年はちゃんと潮の満ち引きを事前にチェックしてから行きました。

これはチゴガニです。
淡緑色の甲羅がきれい。
このチゴガニは干潮になるといっせいに巣穴から出てきて、
みんなでダンスを踊ります。
そこらじゅうがワチャワチャしてます。
眺めているだけで、なんだか楽しくなってきます。
食事をしてるのかと思いきや、突然ハサミを振り上げる。
求愛ダンスだという説もありますが、詳しくはわかってないみたい。
陸地の方を見ると、崖に小さな穴がいくつも開いています。

これはアカテガニの巣なんです。
アカテガニは普段は森林に暮らすカニですが、産卵のときには海岸に降りていきます。
そして幼生は海で過ごし、大きくなると陸へと上がっていくのです。
森と湿地、干潟や海岸がセットで残されていないと暮らしていけないカニなので、
アカテガニが居るのは、豊かな自然が残っている証なんだそうです。

去年は撮ることのできなかったアカテガニの姿を、今年は撮影することができました。

甲羅に赤い線が入っていて、これが微笑んでいるように見えるのが特徴です。
確かににっこり笑ってるみたいで可愛い。
カニたちを撮影しながら2時間ほど小網代の森で過ごしたら、ホタルの出てくる前に夕食を済ませます。
今年もみさきまぐろきっぷを利用したので、
去年と同じホテル京急油壺観潮荘内のレストラン潮彩さんに行きました。

メニューも同じ、マグロのづけ丼とカジキマグロのフライのセット。
揚げたてのフライがフワフワでおいしかったです。
夕飯を終えたらホタルを見るために小網代の森へと戻ります。
しかし、ホタルの写真は撮れずに終わりました。
ホタルが見られなかったわけではありません。
ホタルの数自体は去年よりも多くなっており、楽しめました。
また、去年までは宮の前峠入口からやなぎテラス付近までしか解放されていなかったのが、
今年は引橋入口までひと通りの道のりが解放されるようになっていて、
ホタルを楽しめる時間も長くなるようになっていました。
ただ、有名になって人が増えてきたからでしょうか。
今年から三脚の使用が禁止されました。
三脚がなければ長時間露光でホタルの淡い光を捕らえることは叶いません。
結局ホタルの様子は一枚も撮ること無く帰宅したのでした。
狭い木道に三脚を設置されては安全を確保できないので、この措置はしかたがないかなと思います。
来年以降どうなるかはわかりませんが、ホタルを撮るなら他の場所に行かないとならないかな。
ちなみに今回の写真はすべて、Panasonic GF9で撮ったものです。
安いキットズームレンズなので逆光ではときおりフレアっぽくなってはいるものの、
これだけ映ってくれればBLOG用の写真としては十分ですね。
軽くてコンパクトなので、K-3と一緒に持ち出してレンズ交換なしに広角・望遠と使い分けるなんてのもできそう。