WM5.0とバックアップ

Windows Mobileスマートフォンを含めたPocketPCを使う上で、無くてはならないソフトがある。
PocketPCとPCとの橋渡しとなる同期ソフト「Microsoft ActiveSync」だ。
どんなソフトかというと、これをPCにインストールしたあとちょっとだけ設定をしてしまえば、
あとはPocketPCとPCをUSBケーブルでつなぐだけで、自動的にデータの同期が行われるというもの。
PocketPC上でファイルの更新をしたあと同期すれば、
PC上のファイルも更新してくれ、逆もしかりという便利な機能である。


大変便利なのだけど、実はWindows Mobile 5.0機ではちょっと使い勝手が落ちている。
PocketPCのフルバックアップ機能が無くなってしまったのだ。

PocketPC2003SE以前のPocketPCはActivesyncを使うことにより、
PIMデータやMy Documentsフォルダ内にあるファイルは元より、
後から自分で入れたソフトやレジストリの設定までデバイス内の情報の全てをバックアップできた。
これをやっておけば、ハードリセットせざるをえない状況になったとしても、
バックアップ時の環境をまったくそのままの形で復元できるのである。


これがWM 5.0のデバイスでは、なぜかこのActivesyncのバックアップ機能が使えないのだ。
おそらくその理由は、WM 5.0からのデータ領域の仕様変更にある。
PocketPC2003SE以前のPocketPCにもFlashROMを積んだモデルがあったが、
基本的にデータの保存はRAMの中、という仕様になっていた。
なので電池が干上がるとデータが全て消え、デバイスが出荷状態に戻ってしまった。
その対策のためにActivesyncによるバックアップ機能が設けられたのだろう。
しかしWM 5.0からは全てのデータをFlashROMのみに保存するようになり、
例え電池がカラになってもデバイス内に保存されたデータが消えることがなくなった。
なのでバックアップ機能は必要無い、という判断がなされたのだろう。


だが、本当にWM 5.0にはバックアップ機能は必要無いのだろうか。
そんなことはない。
確かにActivesyncによる同期により、MyDocumentsファイルやPIMデータなど、
重要な情報は全てPCにバックアップをすることはできる。
しかし自分でインストールしたソフトやその環境情報（.iniファイルなど）や、
レジストリ情報などといったコアな情報は全く保存できない。
これではフルリセット後の環境再構築が面倒なことこの上ないのである。

それに、WM5.0に限らずPocketPCは結構不安定なデバイスで、
なにかの拍子に勝手にハードリセットがかかることがまれに起こる。
また、そうでなくともいくつもソフトを追加していった際、ソフト同士が競合を起こして
システムがハングアップしたり、ベータ版ソフトが正常に動作しなくなるなど、
ハードリセットせざるを得ない状況におちいることもある。
そういった有事の際にもバックアップがあれば瞬時に環境を取り戻せるので便利である。

Activesync4.0以降であっても、PocketPC2003SE以前のデバイスならば
バックアップができるので、機能そのものが除かれたわけではなかったりする。
どうせならWindows Mobile5.0機でも使わせてもらいたいところなのだが。



昔はここにバックアップ/復元というツールがあったのに……



ちなみにPocketPC上でフルバックアップをしたい場合は、Spb Backupなんてソフトもある。
これなら全データを外部メモリにバックアップすることが可能である。
ただしシェアウェアソフトなのでタダではできない。
お金はかけたくないけれど、再構築の手間と時間を考えたら
素直に2,730円を払ったほうが得策かもしれない。


【追記】
W-ZERO3にはフルバックアップソフトが付いてくるんだった＿|￣|○
rx1950には無いんだよなぁ。