師が走るほど忙しいから「師走」とは、昔の人はよく考えたもの。
12月の私は期末試験に採点作業、成績処理と大忙しで、
特に今年は中3と高3を受け持っているので、他の学年より処理がちょっと多め。
気付けば4日連続で新規投稿無しという、このBLOGとしては珍しいことになっていた。
なーんて言い訳は片隅に追いやって。久しぶりに記事を投稿してみよう。
仕事が一段落したので、「トーキョー喫茶時間」なる本を買ってきた。
散歩の達人という雑誌のムックだそうで、「ぼーーーーっとしたい」、
「感動したい」、「集中したい。」など、6つの目的に合う喫茶店が108店紹介されている。
どんなお店が紹介されてるとかそういうのは置いといて、
読んでいて面白かったのが「喫茶店de盗み聴き」というコラムだ。
内容はタイトルの通り、喫茶店で偶然聴いた他人の会話を話のタネとして、
原稿用紙4枚ほどのコラムにしたてあげたものである。
話の内容はというと「片恋話」「失恋話」など、喫茶店にありがちなものが多い。
むしろ喫茶店に「お茶しに行く」なんてときは、大抵そういう話をしにいくものかも。
けれどそれに耳を傾け、さらにコラムにしてしまうというのが面白い。
そのコラムを読んでいて、思い出したBLOGがあった。byrdieさんのRun, BLOG, Runである。
2004年3月のサービス開始とともに始まったこのBLOGは、
管理人のbyrdieさん自身の身の回りにあったことなかったことを記した随筆系BLOG。
女性ならではに、心の機微を交えた文章は、更新のたびに心に響いた。
もう更新が止まってから1年以上経つけれど、今でも時々byrdieさんの文章に触れたくなって、
更新していないかどうかなんて覗いてしまう。
byrdieさんの場合は喫茶店ではなく音楽を話題にすることが多かったのだけど、
「喫茶店de盗み聴き」にはなんだかbirdieさんに似た匂いを感じた。
こういうごくあたりまえの日常をテーマにした随筆を書ける人って、うらやましい。
本の虫だった小学生時代にかなりの随筆を読んだせいなのか、
私にはきれいなエッセーを書きたい、という欲がいつも心の中にあったりする。
モバイル関連のニュースBLOGのようになっているこのBLOGも、
もともとは日常系の随筆文を書きたくて作ったBLOGだったりするのだ。
しかし何度か書いてみたものの、どうもうまく書けない。
書き方がどうも掴めないのである。
もちろん随筆なんだから筆のおもむくままに書けばいいはずなのだけど、
いつもうまい文章を書こうとしてしまって、かえって書けなくなるなんてことばかりなのである。
これがモバイルデバイスのレビュー記事ならば、サイズや質感といったハードウェア面と、
機能や動作速度などのソフトウェア面というようにある程度書くポイントが決まっていて、
それにしたがって箇条書きにするだけでも充分な記事になる。
けれどごくあたりまえの日常を文章におこすというのは、
書きたいコトが自分の心の中で「これ」と決まっていないと難しいもの。
そしてなにより重要なのが、ありふれた日常の中に、
どれだけの非日常を見出せるか、見出そうとするか。
それは目に見えない空気の存在に気付くか否かのようで、できる人にはごく当たり前なこと。
だけどやり方が分からない人にはまったく見当の付かない行為なのかもしれない。
この先このBLOGに、日常の瑣末を話題とした記事が多く上がるようになったとしたら、
そのときは随筆に必要なナニカに私が気付いたときだろうか。
そのときがくるのかどうかは私にも他人にもわからないけれど、
とりあえずまだまだいろんな文章を書いていくつもりである。
追記。
オススメの随筆系BLOGがありましたら、ぜひぜひコメントをください。
このところ随筆文に飢えているので、他にどんなところがあるのか知りたいです。
ちなみに私がこのところ気に入って読んでいるのはザ。東京ライフ。-high and low-さん。
2年ちかく前にTBを貰って以来読んでいるのだけど、
この方も心の機微をうまく書いていると思う。
この手のジャンルの文章は、どうも女性の方がうまい気がする。
性差別とかじゃなくて、やはりそういうのって、女性特有の感覚なのだろうか。
それとも単に男性がニブいだけなのか。んー、後者の気がするなぁ(笑)