
2019年8月6日。
常念山脈縦走3日目は常念小屋から蝶ヶ岳を目指します。
テントを開けると、目の前には満天の星空が広がっていました。

慌ててGF9に15mmF1.7をつけてパシャリ。
何枚か撮ったものの、寝ぼけていたせいかピントの甘い写真ばかりでした。

午前5時ちょうど。
モルゲンロートに染まる槍ヶ岳と大キレットを見ながら出発です。

3日目も快晴。
今回は、とにかく天気に恵まれた山行ですね。
この日はまず常念岳を登ります。

常念乗越から見上げた常念岳。
起き抜けに400mの登るのかぁと、早くも心が沈みます。
縦走3日目となると疲労も蓄積されており、
初日に比べて明らかに足の上りが悪くなっているのを感じます。
とはいえ歩き方やザックの背負い方は間違えていないようで、
筋肉痛になっている箇所が無かったのが不幸中の幸いでしょうか。

常念乗越から常念岳山頂までは、岩塊斜面が続きます。
とはいえ登山客の多いところゆえ不安定な岩は少なく、
危険な個所は特にありません。

今日も槍ヶ岳はとんがってます。

大キレットもキレッキレ。
やはり早朝だとガスも無く、コンディションが良いようですね。
まあ、大キレットなんて私じゃとても無理なんで、
そんな知識持ってても意味ないんですけど。

と、山に気を取られていたら近くにライチョウの親子を発見。
母親と5,6羽のヒナを見られました。
常念小屋から1時間40分で常念岳山頂に到達。

山頂も岩塊ゴロゴロでした。

そして今日も槍・穂高が綺麗に見えます。

驚いたのが、大キレットの向こう側に白山が見えたこと。
登っている最中に撮った写真には写っていないので、
山頂くらいの高さまで来ないと見られないのでしょう。
他にも立山、富士山もしっかり見えまして、
日本三霊山の3つを一度に見るという、珍しい体験をしました。

北を向くと、昨日越えてきた山々が見られます。
横通岳、東天井岳、大天井岳、燕岳。
中央奥には立山と劔岳もくっきり。

富士山はどこから見ても富士山ですね。
あまりに良い眺望だったので、山頂には45分ほど滞在してしまいました。
次に目指すのは蝶ヶ岳。
まずは常念岳を下ります。

せっかく400m登ったのに、同じくらい下っていきます。
なんかもったいないって思っちゃうのは、まだ修行が足りない証拠でしょうか。

下ってる最中に、蝶ヶ岳の手前にある蝶槍が見えました。
んー、なんか出っ張ってる?
上から見下ろしているせいか、あんまり尖って見えませんね。

この常念岳から蝶ヶ岳までの稜線歩きも、なかなか厄介でした。

常念岳山頂から蝶ヶ岳山頂までの累積標高差は上り500m。
最初の常念岳山頂までの上り400mと合わせると900mと、
緩くて長い稜線歩きかと思いきや、この日もなかなかハードな道のりだったのです。

最低鞍部に下っている最中に見た蝶槍。
ここまで下るとしっかり尖がっている様子がわかります。
まずはあれを越えないといけません。
しかし高度が下がりいよいよ森林限界を下回ってくると、
直射日光は遮れるものの風もなく、暑さを感じます。
さらに急なアップダウンが多く、みんな疲れて口数が減っていきました。
私も疲れと眺望の効かない樹林帯のせいで、
1時間以上まったくカメラを取り出さずに歩いていました。

常念岳から4時間半で蝶槍に到達。
コースタイムは3時間半なんで、あまりペースが上がらなかったようす。
ここからは緩やかな道のりになります。

12時半に蝶ヶ岳ヒュッテに到着。
常念小屋から7時間半かかりました。
縦走3日目ともなると疲れも蓄積しており、思うように進まないものですね。
そしてこの常念小屋から蝶ヶ岳ヒュッテまでの間は、コースタイム5時間半の間に山小屋も水場もありません。
水の補給ができないというのが非常に厄介。
今回は余裕をもって3リットル担いでいたのでどうにかなったものの、
横着して2リットルしか汲まなかったとしたら、途中で足りなくなっていた気がします。
長時間の山行があるのはこの日まで。
明日は蝶ヶ岳から長塀尾根を下って徳沢に泊まります。