
カスタム823 フォルカンの話、つづきです。
私が最終的に選んだのは823フォルカンでしたけど、
実際にお店で743と823の両方のフォルカンを試した上での選択です。
823は最大の特徴であるプランジャー機構のせいで、743に比べて重心がやや後ろにあります。
なので後ろの方を持って寝かしたほうが書きやすいペンなのですが、
フォルカンというペン先自体が寝かせて書く人向けのものなので、
743よりも823のほうがしっくりくるように感じました。
そしてアサヒヤさんにしかない、というところにも心を揺さぶられ、購入したというわけです。
嗚呼、限定品に弱い。なんて典型的な日本人だ……
ともかく軽いレビューをば。
プランジャー式ということで、両用式はもちろん、一般的な吸入式とも違った仕組みをしています。
普段は尾栓の部分は引っ込めていますが

この状態だと内部の栓が締まっているため、インクがペン先に供給されません。

実際にはペン芯部分に蓄えているインクを用いて筆記できるのですが、
(試したところB5用紙半分程度なら書けるようです)
たくさん書く時には尾栓を2ミリほど緩めてあげる必要があります。

面倒といえば面倒ですが、昔のインク止め式万年筆みたいで面白いですね。
ちなみに実際にインクを吸入している動画が
YouTube - オノトマグナ 実際の吸入(オノトプランジャ式)です。
823ではありませんが、仕組みは同じなので吸入の仕方もまったく同じ。
プシューっと一気にインクを吸い込む様子は、見ていてとても気持ちがいいです。
それからフォルカンというペン先についてですが、ちょっと使った感想としては
縦書きの日本語を綺麗に書けるペン先 |
という感じです。
力をかけるとフニャッと曲がり、ペン先が開き、太目の線を引けますが、
力を抜くと細い線を引くことができます。
パイロットの紹介文では中細字となっていますが、加減により「中~細字」が書ける
というほうが正しいように思います。
微妙な力加減で変化するので、うまく扱うとまるで毛筆で書いたような
「止め」や「払い」を書くことができるのが魅力ですね。
その反面、下から上へという運びに弱い(細字特有の引っ掛かりが大きい)ので、
英数字を書くのはちょっと苦手かな。
さらに、柔らかいペン先全般の特徴として、速記に弱いところがあります。
そもそも速く筆記する場合は筆圧が強くなりがちなので、柔らかいペンは向かないですよね。
そんな特徴というかクセのあるペン先なので、メモなど走り書きをするのではなく、
落ち着いて腰掛けて、丁寧に清書するためのペンとして使うものだと思います。
そういう意味ではいちいち尾栓の開け閉めが必要な823とフォルカンというのは、
いいコンビだと思いますね。上でも書いてますが、重量バランスもしっくりきますし。
ということで今後の私の万年筆の使い分けとしては、
743ウェーバリー:メモやアイデア出しなど、速記目的
823フォルカン:手紙や日誌など、清書目的
キャップレスデシモ:胸ポケットに挿して、普段使い
という感じになるかと思います。
合計7.5万円、なんというブルジョア……(;´~`)
私も843FAが欲しくて、743FAやら742FAで何度も試し書きをしました。縦書が楽しくなりますよね。
私の場合、843FAを販売しているお店が見つからなかったのと、FAでの横書に若干不満があったので、843Fを昨日入手しました。
お店で試し書きしたときよりも、滑らかで大変満足しております。
でも、このブログを見て、果てしない物欲がまた頭をもたげてきてしまいました。困ったものです。
私も柔らかいペンは好きですが、数多く書く時は多少コシのあるのを使ってます。
843の機構には憧れていたのですが、欲しいペン先がなかったのであきらめていました。ところが、843でFAやWAがあるとは!
早速、今日、アサヒヤ紙文具店に注文させていただきました。貴重な情報をありがとうございました(*^_^*)これからもちょくちょく遊びに来させてください。
ちなみに。。。この前のブログから、どうやら同業者のようです^^;
けど普通のペン先の823も使ってみたいので、FはFでうらやましいですよー。
>果てしない物欲がまた頭をもたげてきてしまいました。困ったものです。
それは万年筆を使う人に一生付きまとう悩みです、きっと(笑)
記事にもありますがフォルカンなら743と823だと823のほうがバランスが良いように思います。
楽しいペンですよね。
私も量を書くときはWA一択です。
適材適所で使い分けるのがいいみたいですね。
なんで特殊ペン先が付かないんだー! って。
743FAと823Fを買って自分で付け替えるのも一応できますけど、
どうせなら正規でやってもらったほうが安心ですもの。
同業者さんでしたか、これからもよろしくお願いします!