
Remのワイヤレスジャパン2006レポートその2。
お次はNTTドコモから今月末に発売予定のWindows Mobileスマートフォン、hTc Zです。
本体サイズ
hTc Zの形状はW-ZERO3とよく似ていて縦位置ではスタイラスで操作し、長文入力には横位置にしてスライドキーボードを使うというもの。しかしサイズは11.2×58×22mmと130×70×26mmのW-ZERO3よりも小さいです。とくに横幅が短いので手のひらにすっぽり収まり、手に馴染むいい大きさです。これなら電話として使うにも違和感を感じずに使えそうですね。
しかし[es]より小さなサイズで[es]とほぼ同じ176gという重さなので、持ったときに[es]よりもずっしりとした印象を受けます。説明員の方に「ちょっと重くないですか? どれくらいの重さがいいですかねぇ?」と聞かれたので、「この大きさだったら150gくらいならとても嬉しいですね」と返しておきました。要望が通るとは思いませんが、この機種が150gまで小型軽量化したら本当に嬉しいです。
スライドキーボード
hTc ZにはW-ZERO3と同じスライド式のQWERTYキーボードが付いています。しかし配列と形状はW-ZERO3とは違います。キートップは四角く、タイル上に配列しているため隣接したキーとの間隔はほとんどありません。そしてW-ZERO3[es]に比べると柔らかいタッチです。キートップが若干滑りやすいのが欠点かもしれません。それでもW-ZERO3と違ってホームポジションが寄っていないので、初鍵でもミス無く使えるのがいいですね。
まあモバイル機器のキーボードは慣れと個人の嗜好で評価が変わるんで、これ以上はなんとも言えないですけど。
動作
アプリ切り換え、画面回転等、なんとなく[es]より重たい感じがしました。ちょっとストレスを感じます。メモリ量はW-ZERO3シリーズと同じなんですが、CPUがW-ZERO3シリーズと違ってSamsungのCPUなのでひょっとしたらCPUの違いによるものなのかもしれません。
P.S. 今考えてみると、バックグラウンドで動いていたアプリが結構多かった気がします。ひょっとしたらFree Memoryが少なかったせいかもしれません。
販売形態について
今回のhTc Zは法人販売のみで一般販売はありません。そのことについて説明員の方に尋ねたことろ、一般販売される可能性が無いわけではないそうです。法人販売のみにした理由としては、販売台数の確保が出きるかどうかが不明だからだそうです。hTc ZはHTC社ブランドのデバイスで、その証拠に本体にはドコモの文字はどこにもありません。これが果たして売れるかどうか、それが分からない限りは一般向けには販売されないそうです。逆に言うと法人からの注文が多くヒット商品となれば、一般向けの販売も行うかもしれないとのことです。
しかしこのhTc Zがヒット商品になるかというと……私はW-ZERO3ほど売れないだろうと思いますねぇ。MOBILE DAILY NEWS blog版さんの記事にiモード対応の予定はなく定額パケット対応の予定もないとありますし、ドコモの戦略が変わらない限りは売れないと思います。

rx1950とhTc Zを重ねてみた。
写真で見ると縦長で不恰好だけど、
実際に持つと非常に手になじむ形をしている。
hTc Zの総評ですが、PocketPCユーザーとしてはいいデバイスだと思います。2.8インチのQVGA液晶は小さすぎもせず使いやすいですし、とにかくこの凝縮感がいいです。そしてW-ZERO3と違って無線LANとBluetoothの両方を内蔵し拡張性もばっちり、さらにカメラだって付いている。
だけど惜しいことに、ドコモの戦略がねぇ……iモード対応はともかくとして、データ定額にはぜひとも対応してほしいところです。そうすれば一般販売したときに販売数が増えると思うんですが。ドコモさん、考え直す気はありませんか?(笑)