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DigitalCaravanと振り返る2008年 読書編その2

2008-12-31 00:43:45 | 更新履歴


読書編その2、今度は小説です。
ビジネス書を例年より多く読んだ一年間でしたが、一方で小説もそれなりに読みました。
特に9月に”文学少女”シリーズを読んだ影響から、今年後半は純文学を読むことが多かったです。



ライトノベル・大衆小説

今年読んだライトノベルは半分の月がのぼる空シリーズと”文学少女”シリーズくらい。
そのうち前者は一昨年の夏に買ったものの再読で、純粋に新しく読んだものは”文学少女”シリーズのみです。


●半分の月がのぼる空シリーズ

     
     
『半月』は、長期休暇になるとほとんどいつも読み直しています。
なんでなのかは自分でもよく分からないんですけど、なんかやる気が出ます。



●"文学少女”シリーズ

     
     
”文学少女”シリーズは今年新たに読んだもの。
物語を”食べちゃうくらい”深く愛している”文学少女”のヒロインと、
元『14歳の天才美少女作家』の主人公(♂)のお話です。
各巻とも実在の文学作品を題材としているので、「ライトノベルの皮をかぶった純文学入門書」
みたいな感じの小説ですね。

きっかけは読書メーターの「最近よく読まれている本?」の欄でしたが、
1巻を読んではまってからは全8巻を片っ端から読んでしまいました





ここからずっと橋本紡さんのターン!



  橋をめぐる―いつかのきみへ、いつかのぼくへ
『半月』の作者さんの文芸書最新刊。深川の橋を題材に
久しぶりの新刊なので期待してたのですが、そこまでいいお話でもなかったかなぁ。
橋本さんらしいし、悪くは無いけど、印象に残らなかった気がします。
この方は登場人物の日常を表現がうまいから、人物像をより深く掘りこめる
中編・長編小説のほうが短編よりも向いているのかもしれません。



  ひかりをすくう
長期休暇に入るころにはたいてい「ひかりをすくう」も読み直しています。
橋本紡氏らしい日常の表現で、息抜きをしつつ明日への活力を得る。そんな感じです。
随所に出てくるお料理の話題もステキ。お腹が空きます。

まあ、読むと仕事を辞めたくなるというとんでもない副作用があるんですけどね(笑)



  流れ星が消えないうちに
旅先での事故により恋人加地君亡くした主人公奈緒子と、加地君の親友で奈緒子の現・恋人 巧とのお話。
シチュエーションは割と、というかかなりありがちなものですね。
話の終わり方もありがちな終わり方で、人によっては「ちっとも話が進んでない」と言う人もいます。
けれど私は、「人生において何かのせいで立ち止まってしまってから、再び歩き出すまで」
を書きたかったのではないかと思います。


  九つの、物語
事故で亡くなったはずのお兄ちゃんが、ある日ひょっこり帰ってきた!
という兄妹のお話。大切な人を亡くしたお話という意味では、上の「流れ星が~」に似てますね。
けれどこちらの方が、ずっと雰囲気が温かいです。恋愛が絡まないからでしょうか?

橋本作品の中では「ひかりをすくう」の次にお気に入りです。
その次は「綾乃ちゃんのお告げ」かな。







純文学

  アルケミスト―夢を旅した少年
悩みがちだった高校時代に、友人に薦められた小説です。
そのときは結局読めず、ようやく今頃になって読んだのですが、あまり心に響かなかった……
書かれているのは当たり前のようなことばかりなんですよね。
その当たり前のことがなかなかできない、というのもわかってはいるのですけど。



  狭き門 (新潮文庫)
物語の主人公であるジェロームと幼いころから相思相愛の中にあった従姉のアリサは、
彼との結婚に悩んだ末に地上での幸福を放棄し、神への愛を貫き、
最終的にジェロームとの結婚をあきらめ独り死んでしまう。

“文学少女”シリーズ第7巻、8巻のネタ本で、“文学少女”で初めて知った本です。
もともと外国の小説は読まないんですが、気になったので古本屋で探して読んでみました。
感想のようなものがこちらの記事にありますが、これを書いたあとも色々と考えさせられました。
決して明るく楽しくなるような話ではないですが、いい小説でした。



  友情 (新潮文庫)
これも“文学少女”シリーズの、第5巻のネタ本です。作者は武者小路実篤。
作品は知ってはいたけど、読んでみると昔の本にしては読みやすい。
実篤の本は、時間があったらもっと読んでみたいです。



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