最近はエロゲよりも囲碁、将棋の方に時間を費やしています。なによりもネットだから、手軽でコストがかからないのが一番です(笑)
もともと碁は学生時代にやっていたんですが、最近はむしろ将棋の方にハマっています。といってもこちらはもっぱら観戦がメイン。あの29連勝から始まった藤井三冠の影響なんですが、幸いなことにABEMAの将棋チャンネルならいつでも無料で見られるんですよ。しかも私のようなニワカでも、AIの勝率を示す色分けされたカウンターがついているので、一目で形勢がわかる仕様。この評価値が好評らしく、視聴率もウナギのぼり。コメントだけでも1日10万近くありますからね。
もともと碁は学生時代にやっていたんですが、最近はむしろ将棋の方にハマっています。といってもこちらはもっぱら観戦がメイン。あの29連勝から始まった藤井三冠の影響なんですが、幸いなことにABEMAの将棋チャンネルならいつでも無料で見られるんですよ。しかも私のようなニワカでも、AIの勝率を示す色分けされたカウンターがついているので、一目で形勢がわかる仕様。この評価値が好評らしく、視聴率もウナギのぼり。コメントだけでも1日10万近くありますからね。
これはもちろん藤井三冠のお陰なんですが、同様に女流棋士も今年からトーナメント戦が行われます。チーム戦で超早指しだからとてもスリリングでアッという間に終わってしまいます。優勝チームは1,000万の賞金とかで、藤井三冠は今年も高見七段、伊藤匠四段を率いて優勝していますが、同い年の伊藤四段に注目です。
つい最近新人王戦に優勝しており、「いずれは藤井三冠とタイトル戦を争いたい」とのこと。今年度の成績が現在23勝6敗と勝率八割弱ですが、この数字にしても現在勝率5位、勝数、対局数が3位と立派なものです。しかも王位戦であの永瀬王座を下して挑戦者決定リーグ戦まであと2勝のところまで来ています。早ければ来年に王位戦の挑戦者として対局するかもしれません。
楽しみが一つ増えました。
ところでAIの勝率を示す評価値カウンターを今年度からNHK杯囲碁トーナメントでも採用したようですが、評判の方は今一つ。残念ながら将棋と比べるとかなり精度が落ちるようで、特に序中盤での評価がかなり曖昧です。
将棋の駒と違って碁石には区別がありません。ところが同じ顔でありながら、一手打つごとに石の強弱が顕著になり、勢力や地、攻め、シノギ、厚み、薄み、軽い石、重い石、種石(取られてはいけない石)やワザと取らせる捨て石など様々な顔になっていきます。加えて状況によって刻々と変化するので数値化による形勢判断が難しく、プロの高段者でも評価が全く違うなんてことが普通にあります。
双方が最善の手順を尽くした結果、お互いに不満のない別れになった形を定石と呼んでいますが、それはあくまでも局地戦でのこと。碁盤は361路と広くて仮に同じ形の定石が四隅にできた時点で、すでに形勢はどちらかに傾いています。石の方向といわれるものですが、発展性といえばいいのかな、不毛の地にいくら強大な勢力を築いても見返りは見込めないということです。
「定石を覚えて二目弱くなり」という川柳もあるように、周りの配置によっては、部分的には悪手でも全局的にはむしろ最善手とさえなり得るのです。それが大局観といわれるもので、数値化しにくく、人によって多少変わってくるのは仕方ありません。碁の力だけでなく個人の好みが入ってくるからです。
例えば将棋でのAI評価が60%対40%の場合は、概ねプロの判断でもいい勝負か、多少指しやすいくらいの判断が妥当なところですが、碁の場合だと真逆だったなんてことも珍しくはありません。
これはゲーム性の違いからくるものだと思います。
将棋の場合は相手よりも1手でも早く王を詰ませば勝ち、ところが囲碁では何十目の大石がとられたからといって即負けにはなりません。最後に相手よりも1目でも多く地を囲っていれば勝ちになる息の長いゲームだからです。
例えば20目の石を取られたとします。この場合、取った石はアゲハマと呼ばれ碁笥の蓋に入れられるのですが、最後の作り碁で地を数える時に、取ったハマを相手陣地にうめるのです。つまり取った石が20目なら地20目+アゲハマ20目で合計40目の地と同じ価値になるわけです。
ところが囲碁では捨て石といってワザと石を取らせるテクニックがあります。
投資といえばわかりやすいかもしれません。先ほどのようにワザと20目の石を取らせた代償に勢力(厚み)を得ます。これが将来50目の地になれば差し引き10目の得となるわけです。これが捨て石効果です。世間で使われる「捨て石」とは碁から出たものです。
ところが50目の価値があると期待し、目先の現ナマである20目もの大石を捨てたにもかかわらず、対価が30目しか得られなかったとすれば逆に10目の借金をすることになります。勢力は必ずしも期待値通りの働きをするとは限りません。折角上がると思った株価が暴落することもありますからね。
この辺りの判断が数値としてすぐには表れないから形勢判断にズレが生じるわけです。
これは碁だけだと思っていたのですが、将棋にもあるんですね。藤井三冠はたまに忙しい局面で、目先の駒得よりも玉を動かしたり、不急にみえる端歩をついたりといった感じの手を指されることがあります。その度にAIの評価値がグッと下がるのですが、何億手もAIが読むうちに再び評価値が当初とほとんどかわらない、若しくはホンの数%ダウンといったところで落ち着くことがよくあります。
多分、通常ではわかりにくい大局観というバランスシートの均衡が三冠には見えているのかもしれません。だからこそ角の頭の歩を突いたり、玉のコビンを開けるといったこれまで悪手とされていたような常識を覆すような手も指すことができるのでしょう。いつの時代であっても時代を切り開いていける人は決して従来の慣習に囚われることなく、常に自分の目で冷静に判断することができるのだと思います。
さて、いろんな作戦とか戦略を巡らせるのが囲碁ですが、いかにもその策略に乗ったふりをしてさらに利益を増やすのも碁ならではのこと。相手がそう打つならトコトンのってそれで一番やろうというわけです。
自分の地所は取れるだけ取って、相手陣地がものすごく大きくなったように見せかけておいて、あと一手で完成という間際に土足でふみ荒らしてしまうエゲツない戦法ですが、成功すれば一気に勝利が確定します。それだけに危険も大きく一歩間違えれば奈落の底です。
今争っている名人戦がまさにそれ。迎え撃つのが特に攻めっ気の強い一力天元で海外での評価は高く、日本人ではNo.1です。
対する井山名人はご存じの通り将棋の羽生さんと同時に国民栄誉賞を取られた文字通り囲碁界の第一人者。従来の型・定石に囚われることのない「打ちたいところに打つ」独創的で決して妥協しない手を打つことでも有名です。
お互いに意地と意地がぶつかり合い、七番勝負の2勝2敗でむかえた第五局も、先番の一力天元が強烈な攻めを見せ、井山名人の大石を仕留めて名人奪取へ王手をかけました。
双方の石が目一杯競合うために大半が中押し(投了)で決まることが多く、五局のうち作り碁(最後まで打って何目差なのか計算する碁)は一局だけ。まさに力と力のぶつかり合い。それでいてバランスがとれているのがただ一度の作り碁だった第二局も強烈なねじり合いから半目勝負(持碁にならないように先番がコミをだすのが6目半で、盤面で7目差なら黒の半目、6目差なら白の半目勝ちという便宜上の数)でいかに勝負が拮抗しているのか良くわかります。
将棋は左脳、碁は右脳のゲームだと言われています。
それを裏付ける面白い実験データがあります。認知症になった将棋有段者の患者と初心者の医師が対戦したところまるで勝負にはなりませんでした。というのも以前はアマ三段の実力でしたが、現在は駒の文字が読めず、どう動かすのかさえわからなかったそうです。
一方、囲碁有段者の患者に自称三段の医師が対戦したのですが、これまた全く勝負にはなりませんでした。といっても歯が立たなかったの自称三段の医者のほうでした。実際の実力は初段くらいなのでしょうが、さすがに五段の免状をもつ患者に互先(将棋でいう平手と同じ)では無理からぬこと。ちなみに他にも実力三段との対局でも五分以上の成績だったとか。重度の認知症であっても囲碁のほうはあまり力が落ちなかったということが証明されたことで話題になりました。
先ほどの井山名人ですが、5歳の時に碁を覚えたそうですが、左手で打つのは「右脳活性化」の為ということでアマ六段だった祖父の指導の名残だといわれています。
ここから先はちょっとばかり失礼なことをいうかもしれないので、あらかじめお詫びしておきます。それは、将棋棋士は真面目で、有能。秀才タイプであるのに対して碁打ちの方はいわゆる芸術肌の方が多く、逸話にも事欠きません。
なかでも私の好きな故藤沢秀光名誉棋聖が最右翼でしょう。
双方の石が目一杯競合うために大半が中押し(投了)で決まることが多く、五局のうち作り碁(最後まで打って何目差なのか計算する碁)は一局だけ。まさに力と力のぶつかり合い。それでいてバランスがとれているのがただ一度の作り碁だった第二局も強烈なねじり合いから半目勝負(持碁にならないように先番がコミをだすのが6目半で、盤面で7目差なら黒の半目、6目差なら白の半目勝ちという便宜上の数)でいかに勝負が拮抗しているのか良くわかります。
将棋は左脳、碁は右脳のゲームだと言われています。
それを裏付ける面白い実験データがあります。認知症になった将棋有段者の患者と初心者の医師が対戦したところまるで勝負にはなりませんでした。というのも以前はアマ三段の実力でしたが、現在は駒の文字が読めず、どう動かすのかさえわからなかったそうです。
一方、囲碁有段者の患者に自称三段の医師が対戦したのですが、これまた全く勝負にはなりませんでした。といっても歯が立たなかったの自称三段の医者のほうでした。実際の実力は初段くらいなのでしょうが、さすがに五段の免状をもつ患者に互先(将棋でいう平手と同じ)では無理からぬこと。ちなみに他にも実力三段との対局でも五分以上の成績だったとか。重度の認知症であっても囲碁のほうはあまり力が落ちなかったということが証明されたことで話題になりました。
先ほどの井山名人ですが、5歳の時に碁を覚えたそうですが、左手で打つのは「右脳活性化」の為ということでアマ六段だった祖父の指導の名残だといわれています。
ここから先はちょっとばかり失礼なことをいうかもしれないので、あらかじめお詫びしておきます。それは、将棋棋士は真面目で、有能。秀才タイプであるのに対して碁打ちの方はいわゆる芸術肌の方が多く、逸話にも事欠きません。
なかでも私の好きな故藤沢秀光名誉棋聖が最右翼でしょう。
破天荒で、それこそ飲む、うつ、買うといった刹那主義的な生き方を好み、競輪でビックリするほどの借金をこさえたり、愛人宅に3年間も入り浸り、用事で自宅へ帰らればならなくなった時、帰り方がわからず、本妻を電話で呼びだして自宅まで案内させたなど波乱万丈の人生でした。
もちろん本職の碁打ちとしても竜王と同じく読売新聞が囲碁界の最高位と位置付けた棋聖位を新たに創設した時、初タイトル戦を争ったのが、竹林をはじめとする当時の打ち盛りのトップ棋士を押しのけて、明治生まれの橋本宇太郎先生70歳(当時)と大正生まれの秀行先生52歳(同)でした。初代棋聖位についたのは秀行名誉棋聖でそれから6連覇という偉業を達成します。他にも多くのタイトルを獲得するだけでなく、高尾紳路九段をはじめ多くの門下生のみならず他門下の依田・結城九段など多数の若手棋士を育てることに心血を注ぎ、さらに国内にとどまらず中国や韓国にも師と仰ぐ棋士が多くいるくらい囲碁界の発展に尽力された巨頭です。
最後に、将棋界ではあれほど他を圧倒していた羽生九段、国民栄誉賞を取るほど長い間頂点に君臨してきたのは周知のとおりです。
とったタイトル数は実に99、棋界屈指とうたわれた故大山十五世名人でさえ80、その跡を継いだといわれる中原誠十六世名人は64、他の現役棋士の中では最高が渡辺名人の29ですから、如何に羽生さんが突出しているのか一目瞭然です。そしてあと一つで100の大台にのるところまでやってきているのですが、2018年竜王を広瀬章人八段の奪われて、27年ぶりの無冠になりました。現在51歳、まだまだ老いるには早いですが、ここにも将棋と碁の違いがあるようです。
羽生九段が再びタイトルを手にする可能性は十分あります。なにしろ最高齢のタイトル者は先に上げた故大山十五世名人が56歳の時に第29期の王将戦で、加藤一二三王将(当時)から奪取しています。羽生さんはまだ51歳。今季は絶不調といわれており、これまでの7割キープをついに割ってしまいました。AI全盛の時期にいささか戸惑われているのでしょうが、やがてそれを乗り越えて再び頂点に立たれるはずです。それが羽生善治という100年に一人といわれる天才棋士だと私は信じています。
ただ左脳のゲームである以上、衰えるのは囲碁に比べるとはるかに速いと言わざるを得ないでしょう。だから長くてもここ4~5年の間が勝負だと思います。
因みに囲碁の方は先ほどの秀行先生が66歳で王座を奪取、翌年67歳に防衛しており、囲碁界での最高齢者を記録しています。