エロゲはやっぱり中古が一番

クロガネ回姫譚 絢爛華麗 感想

さっそくクロガネやりました。やっぱり良いですね。
今作は原画のイメージや質感を保ちながら、描いた絵がイキイキと動くLive2Dといわれる表現技術が用いられています。私は初めての体験で、はじめのうちは多少違和感もありましたが、慣れてくると動きがとても可愛くていいですね。ずっと昔に初めて出会ったE-moteで描かれたウィッチズガーデンを思い出したくらいです。おかげで気分よく読み進めることができました。
内容が面白いのは言うまでもありませんが、相当古くに書かれてたみたいですね。
近未来といいながら2015年となっているのはさすがにないやろ~って体験版をプレイした時は思いましたが、もともとPSVから移植したリメイク版のようで、たまにフルゥ~って思ったネタもかなりあります。星飛雄馬につけられた大リーグボール養成ギブスが出てきたのにもその一つ。とはいえ遊び心が満載です。随所に仕掛けられており、スタート時のボイスもそう。まさか起動時にメーリークリスマス!と言われるとは思いませんでした。24日のイブだけでしたけど(笑)。


あらすじ

特殊警察部隊を養成する学園、私立鏡ヶ原警察養成第一学園に通う主人公、白銀正宗は、日々訓練に励んでいる……のだが、彼がそもそも第一学園を志望した動機が、養成学園特有のバイトシステムにあった。
そのシステムとは、『バイト』という形で、警察、警視庁の仕事が入る、というもの。仕事の内容はそれぞれで、職場の『体験学習』に近い事務処理もあれば、ただ人手を埋めるだけの『雑務処理』果ては要人警護のサポートなど、実践的で危険な仕事も存在する。
そして、それらには『バイト』である為報酬が支払われる。
正宗はこの報酬を動機にしていた。
更にこの『バイト』には、一般には伏せられている危険度の高いプロフェッショナルな仕事も存在していた。それに対応するのは、学園の中でも選ばれた一部の生徒で構成されるチーム、通称『黒金班』。
正宗は、この黒金班の副班長であり、実働部隊のリーダーを務めていた。
仲間であるクラスメイトや先輩、後輩とともに、学生でありながら日々現場に出て戦う日々。そして、そこから得られる報酬にしか興味を示さない性格が、周囲に確かな壁を作っていた。

しかし表向き、養成学園は普通の教育機関でもある。
そんな正宗におせっかいを焼いてくる委員長や、突然転校してきた幼なじみ、
そして黒金班の仲間を交えて、次第に正宗の周りにも、普通の学生が謳歌する青春の息吹が訪れようとしていた。
季節は冬。春まだ遠い時期の中、正宗が向かう春は如何なるものか。
(メーカーHPより)


さて今回はヒロイン攻略のみならず、物語を進める上でのそれぞれの人間関係が徐々に明かされていくような構成がとられています。登場人物が多いせいもありますが、順番がかなり重要になってきます。
最初は伏姫と天国だけで、どちらかを攻略すると次のような画面になり、全てを攻略すると最後のTrueルートが解放される仕組みになっています。



いつも通り攻略順にヒロイン紹介です。
最初は村雨 伏姫。

真面目でいつも一生懸命で誰からも好かれるリーダータイプの女の子ですが、好かれ過ぎてクラスではややイジられキャラで、本人もお約束通り真面目にツッこみ役をこなしています。
正々堂々を信条とするクソ真面目で、ピュアな子供のような純真な正義感を持つ伏姫に対して、闇討ち、騙し、裏取引等目的のためには法外なこともいとわない正宗と合うわけがありません。いたるところで衝突するのですが、そのやり取りがサイコー!多くは正宗が上手く遣り込めることになるはずなんですが・・・
会話のキャッチボールだけでも十分楽しめます。それでいてプレイヤーが期待している以上のことまでチャンと用意されており、ストーリーがテンポよく進んでいきます。途中が冗長でウンザリなんてことはありません。どの場所を切り取っても金太郎飴のようにユーモラスな姿が見られます。そこにはシリアスな場面が展開し、ハラハラドキドキしながら最後はとても言い表せないような感動を与えてくれるというプレイヤーにとってサイコーの読後感がタップリと味わえるはずです。もちろん涙ではなく笑ってエンディングが迎えられるユーモアもシッカリと。
ただ気になったところが一つ、伏姫の黒金の八つの玉「仁・儀・礼・智・忠・信・孝・」は滝沢馬琴の南総里見八犬伝からとったものだと思いますが、最後の孝・悌が本編ではすべて孝と順序が逆になっているんですよ。
どういう経緯があったのか知りませんが、もともとこの「八徳」は儒教の五常(仁、義、礼、智、信)の5の徳に「忠」まごころで仕える心、「孝」親孝行、先祖を大切にする心、「悌」仲良くする心の3つを加えた馬琴の創作です。もちろん伏姫という名もその中の一つ。八犬士とどんな繋がりになっているのかはご自分でお確かめください。
このルートに限らず物語全体はかなり深く調べられており、名古屋の起点に進められているリニアをはじめ、あちこちにその一端がみられます。ひょっとしたらわざと順序を逆にしたのは何か仕掛けでもしてあるのかなとも思ったんですが、本編ではこれといったものはありませんでした。だから順序についてはライターの勘違いなのかもしれません。



続いて和泉 天国。

第二学園に通う黒金の有資格者です。
和泉流剣術を最年少で免許皆伝した剣の天才で、本人は古風な大和撫子を自称しており、愛用する名刀「小烏元帥」を抜けば切れないものはないと豪語するほどです。ただ一度抜いてしまうと何かを切らないと鞘に戻せないガンコさがたまにきず。時にはマシンガンで撃たれた弾丸まで切ってしまうほど。その度に口にするセリフがご存じルパン三世の五右衛門の決めセリフのあれ。
「また、つまらないものを斬ってしまった」
正宗の許婚を名乗り、第一学園に転校してくるのですが、剣一筋で生きてきたため、剣以外に得意なことは0というかなりの天然ボケです。

白銀 正宗(ハバキ マサムネ)の生涯の嫁になると公言してはばからないのは、体験版でもあった通り、剣の試合で負けたから。そして何かあるごとに再び正宗に真剣勝負を挑みます。その理由が揮っています。前回は負けたから家訓により嫁ぐことに決められていたが、今回は勝って堂々と正宗を婿にするのだと。


そして船阪 玉鋼(タマネ)。

かつて「軍神船阪」と呼ばれた伝説の軍人の家系。
本人もこの年で陸軍に所属しているが、官僚主導となった軍部に新しい風を吹き込むべく祖父の命令で特警養成第二学園に編入してきます。黒金には適合しなかったが、幼い頃から仕込まれた格闘技と銃剣道で、単純な戦闘力は極めて高く、メンバーのなかでも最前線を務めるほど。
享楽を嫌う非常にお堅い性格ではあるが、養成学園に入り、親元から離れたことで初めて普通の女の子たちの世界に触れ、かわいいものやおしゃれにときめいてしまう女の子の本能が抑えられないことが体験版でも見え隠れしていましたが、ひょんなことから正宗は知ることになります。
その結果・・・


石神 虎鉄。

女の子でコテツなんて名前はちょっとびっくりでしたが、やはり何かあるようです。もともとこのライターはこういったきめ細かなことまでシッカリ考慮した上で物語が展開していくので面白いんですよ。銃があれば発砲されるし、爆弾がつくられれば当然爆発します。ミサイルが出てくれば発射されることになるでしょう。決して壁に掛けられたお飾りだけには終わりません。
今回の場所は岐阜の片田舎ですが、冬の寒い外回りで伏姫が数少ないコンビニからおでんを買いみんなで分ける場面があります。名古屋独特の味噌で煮込んだおでんで、一口食べた虎徹が発した一言。
「でゃーこん、んまい」
もちろん名古屋弁です。
それぞれが持っている謎がさり気なく明かされていくんですが、ここでも虎徹がお守りとしてもっていたナイフ。とても重要なキーワードになります。
その先はもちろんお約束の本編でどうぞ、になりますけどね(笑)。

最後のひとりを攻略する前に大包 平(オオカネタイラ)です。

正宗の親友で幼なじみで、過去に同じく爆弾事件で追った傷があり、こちらのほうが火傷がひどく、網膜にも傷を負い、直りはしたが現在の視力は0.01を切っているためメガネが手放せません。
正宗以上に無口で、コミュニケーションはほとんど「おう」の一言。ただ漢気あふれる人格は周りもある程度理解しており、男が惚れるタイプで、バレンタインには学園の多くの男子だけでなく、バイト先のラーメン屋でもおかまのおねえさんたちからもらうチョコの数が半端ありません。
このルートではヒロインはいないはず?なんですが・・・

最後は切丸 祢々(ネネ)。

 第一学園の教師であり、黒金研究機関の一員です。黒金を扱う際の正宗らを指揮する直接の上司でもあります。普段から生徒のことはやや突き放した目で見ており、授業でも非常に厳しい……というキャラを本人は心掛けているようですが、内心はかなりのお人よしで、内面が可愛いタイプなことを生徒たちは知っています。
ただ体験版にもあったように呪声毒婦のセイレンという四天王のひとりです。黒金使いのなかでも、あまりの武力のゆえに国際的には軍事兵器とみなされ、『極秘裏の戦術的破壊兵器』という扱いになっています。
このルートではこれまでの正宗をはじめとする過去のつながりや人間関係をはじめ、体験版でも頻繁に出てきた愉快な幽霊や小生意気な幽霊、妙にテンションの高い亡霊などそれぞれでさり気なく漏らされてきたことが総まとめで語られます。だからあまり早くに攻略すると面白さが半減してしまう?かもしれません。もちろん四天王である以上、セイレン一人だけでは勘定があいません。となると・・・

ここまで全部を攻略すると最後の???のルートが開放されることになります。ここで思わずアングリ、なんてどんでん返しがあったりなかったり。
なかなか想像さえできないかもしれませんが、目の前に出されてみればなるほどと妙に納得していまいます。なかにはそれを不満に思う人もあるようですが、私はニンマリ、大好きなパターンです。

Trueルートが終わると、新たにアフター編が開放されます。
全部が全部ほんの短いエピローグというわけではなく、人によってはシッカリとした物語になっています。
これまでの力の入ったシナリオと違ってお気軽に楽しめるおまけといった立ち位置のはずが、意外にもグッとこみあげてくる・・・なんてことがあったりなかったり。このアフターだけでもそこそこ楽しめる出来になっており、完成度の高い作品です。今年のラストにこれがプレーできたことに大満足でした。
あとは宅急便が持ってくるおせちを待つだけです。

どうぞ、よいお年を!


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