1642．YOU KNOW MY NAME (LOOK UP THE NUMBER)

　ビートルズの作品の中でも、とりわけ風変わりな曲のひとつである。
ポールの家の電話帳にあった言葉をヒントにジョンが書いたコメディ・
タッチの曲。“SGT. PEPPER ”が完成した直後の1967年 5月から 6月に
４人はまず独立した５つのパートから構成されるインストゥルメンタル
をレコーディング。それらの断片を 6分 8秒のリズム・トラックにまと
める。テープはその後２年間放置される。そして1969年 4月30日のこと
ジョンとポールがヴォーカルなどをオーバーダビングした。

　ビートルズとして発表する予定がなかったため、ジョンは自作の未発
表曲‘What's The New Mary Jane’とのカップリングでプラステイック
オノ・バンドのシングルとして発表することを決意。1969年11月26日に
最終的にリリースされたヴァージョンと同じ４部構成、 4分19秒に編集
し直した。しかし突如発売を中止。結局1970年 3月に‘Let It Be ’の
Ｂ面として発表されたのである。

　ポールはインタビューでこう答えている。

　大好きなビートルズ・ナンバー。
　あのレコードは本当に楽しみながら作った。

　曲の最後のほうで聞こえるサックスの音は、ローリング・ストーンズ
のブライアン・ジョーンズの演奏、ハーフ・スポークンのヴォーカルは
マル・エヴァンスによるものである。
　　


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